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こんにちは、Pick-Up!アフリカです!
今回の記事では「フェアトレード」について扱います。 皆さんも一度は「フェアトレード」という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。でも、正直なところ「フェアトレード商品って少し高いな…。」と感じたことはありませんか?わざわざフェアトレード商品を選ぶことに、どんな利点があるのか。 その真相を探ってみましょう!°˖✧ この記事が、皆さんの次のお買い物の判断材料になれば幸いです。
フェアトレードとは?
1、そもそもフェアトレードって何!?

フェアトレードは英語に直すと、Fairtrade(公正取引)。つまり生産者にとって、より公平な取引を実現するために活動するサステナビリティ・ラベルの事です。
皆さんは下記のマークに見覚えがないでしょうか。チョコレートなどのおやつやコーヒーなどの飲み物まで様々な商品にこのマークが ついています。

このマークは国際フェアトレード認証ラベル(FAIRTRADE Mark)と言って、フェアトレード・インターナショナル(国際フェアトレードラベル機構)が定めた「国際フェアトレード基準」が守られている事を証明するマークです。
2、国際フェアトレード基準とは?

フェアトレードインターナショナルによって設定されたフェアトレード全般に関する基準のことです。商品のフェアトレード認証を受けたい、または認証を受けた製品を取引したい場合は、この基準を満たす必要があります。
製品の原料が生産されてから、輸出入、加工、製造工程を経て「国際フェアトレード認証製品」として完成品となるまでの各工程で、農家・労働者、輸出入、加工、製造を行う全ての事業者が、この基準に達しているか、独立機関によって定期的な監査を受けなければなりません。独立機関は、生産者への適正な価格の支払い、労働環境保護、農薬使用規制等の基準を現地で監査します。
⭐️フェアトレードインターナショナルとは⭐️ 1997 年に設立された22 の加盟組織からなる非営利団体。フェアトレードマークを所有し、運用している機関。
3、監査するのは誰?

実際に監査をしているのは「FLOCERT」という独立機関です。このFLOCERTの監査員が、監査対象者を定期的に監査します。FLOCERTはフェアトレード・インターナショナルの子会社として設立され、基準設定機関から独立して活動する社会監査および認証機関のことです。
FLOCERTが関わり、実際に認証を得るまでの手順は簡単にまとめると以下の通りです。
①監査員が現地監査を行います。通常は定期的に行われますが、予告なしに行われることもあります。 ②現地監査後、監査員は報告書をFLOCERTに提出します。 ③担当のFLOCERTアナリストがこの報告書を評価し、フェアトレード基準を満たしていない箇所が無いか確認し、監査対象者に改善を求めます。重大な問題が見つからない場合、監査対象者はまず仮取引許可証を受け取ります。 ④フェアトレード基準を元に全ての問題が改善された場合、FLOCERTは認証を決定します。
下記の表はFLOCERTが公式で出しているフェアトレードのしくみの表に日本語訳をしたものです。ぜひ参考にしてください。

出典:https://www.flocert.net/flocert-history-with-fairtrade/
4、どんな利点があるのか

次はフェアトレードの利点について、実際の事例と共にまとめていきたいと思います。
① 農家を守る「価格の安全性」と「生活の向上」
フェアトレードには、生産者の安定した収入を確保し、生活条件を改善する仕組みがあります。
最低価格の保証: 市場価格が暴落した際のセーフティネットとして機能します 。
プレミアムの還元: 品物の代金に上乗せする形で生産者組織に支払われ、農家や労働者が自ら希望する使途に投資することのできる資金の「フェアトレード・プレミアム」があります。この資金は、教育、医療、環境保護へのアクセス改善など、地域社会の重要なプロジェクトに投資されます 。
収入増の実績:
複数の研究により、フェアトレードはフェアトレードを実施していない農家と比較して、ペルーで50%以上の収入増、インドで66%の純収益増に寄与しています。
②. 厳格な基準による環境保護
フェアトレード商品を選択することは、地球環境を守る積極的な貢献に直結します 。
持続可能な栽培: 有害な化学物質を避け、土壌を保全し、天然資源を将来にわたって持続可能に使用するための厳格な基準を設けています 。
気候変動への適応: 2024年には198の生産者組合が気候適応計画を実施し、土壌の質向上や病害虫への耐性強化を実現しました 。
オーガニックの普及: こちらの資料(fairtrade.2025)によると、
2023年の売上の70%がオーガニック認証コーヒーであり、その生産量は2020年から4分の1増加しています 。
③. 民主的な組織と次世代への機会
フェアトレードは、農家が自ら意思決定を行う「民主的な生産者組合」を基盤としています 。
女性のエンパワーメント: 組合にはジェンダー政策が義務付けられており、女性のリーダーシップを促進しています 。ケニアでは、500人以上の女性農家が収穫量を40%向上させ、独自のブランド「Zawadi Coffee」を立ち上げました 。
次世代の育成: 若い世代がコーヒー農業に未来を感じられるよう、ボリビアでは若者が持続可能な農法のデモンストレーション農場を構築するなどの支援が行われています 。
④、企業の成長に貢献する高い認知度と信頼性
高い認知度:世界でも広く認知されているラベルであり、多くの消費者が信頼しています。
高い信頼性:フェアトレードの認証制度は厳格で独立したものであり、訓練された監査人による定期的な現地訪問などの、業界最高レベルの実践に沿ったものです。そしてフェアトレード・ラベルを目にしたことがある消費者の77%は、そのラベルを掲げるブランドに対してポジティブな印象を持っていることが分かっています。これにより、企業が自社の調達の透明性を保証することができます。
デュー・デリジェンスの専門知識:人権・環境デュー・デリジェンス(HREDD)について、最初の一歩を踏み出そうとしている企業にとっても、より詳細なリスク評価と行動計画を求めている企業にとっても、フェアトレードは信頼できるパートナーとなります。
⭐️人権・環境デュー・デリジェンスとは⭐️ 企業の事業活動に伴う人権へのリスク(負の影響)を特定し、それらを軽減または防止するプロセスのこと
⑤、消費者の行動の選択肢の幅を広げる
社会貢献への簡単なアクセス:消費者はフェアトレードマークを購入することで生産国の農家や労働者の生活向上に貢献する機会が得られます。同時に持続可能な消費活動にもアクセスしていることとなります。
5、アフリカでのフェアトレード

さて、ここからはアフリカの課題に関する取り組みとしてアフリカに重点を置きフェアトレードをみていこうと思います。
①アフリカをまとめるフェアトレード・アフリカ(FTA)
2005年に設立されたフェアトレード・アフリカ(FTA)は、フェアトレード・インターナショナルの会員であり、アフリカと中東のフェアトレード認証生産者団体を代表する包括的なネットワーク組織です。
フェアトレード・アフリカは現在、アフリカと中東の28か国に広がる660の生産者団体に所属する1,354,294人の農民と労働者を代表し、彼らの生活向上に貢献するサービスを提供しています。
フェアトレード・アフリカの事務局はケニアのナイロビにあります。
2023年時点のフェアトレードアフリカの規模と実績は以下の通りです。
・生産者・労働者数: 合計 1,445,265人(生産者 1,324,435人、労働者 120,830人)
・認定組織数: 697団体(569の小規模生産者組織と128の雇い入れ労働組織)
・展開地域: 29カ国
・製品カテゴリー: ココア、コーヒー、茶、花、ハーブ・スパイス、ワイン、シアバター、サトウキビなど計 19カテゴリ
・ガバナンス研修: リーダーの能力向上を目的とした研修に、世界計 153のPO(生産者組織)(東・中央アフリカ55、南部アフリカ33、中東・北アフリカ22、西アフリカ33)が参加しました 。
・雇い入れ労働組織(HLO)への支援: 労働組合リーダーに対し、労働法や団体交渉に関する研修を実施し、労働者の権利保護に向けた対話を促進しました 。
・エチオピアでの取り組み: 国内最大の農業セクター労働組合(NFFPFATU)と戦略的同盟を結び、労働者の権利や苦情処理メカニズムの改善を進めています 。
・ガーナでの成果: 生産者組織のプロフェッショナル化により、96%のメンバーがPOの提供するサービスに満足し、自分たちの優先事項が理解されていると回答しました 。
②フェアトレードアフリカが行っているプロジェクト
実際にどんなプロジェクトがあり、問題に取り組んでいるのでしょうか。ここではフェアトレードアフリカが行っているプロジェクトの一端を見て行こうと思います。
D4Aプロジェクト(全ての人に尊厳をプロジェクト)
こちらがサイトのリンクとなります!→All-d4a-programme
フィンランド外務省(MFA)が資金提供した4年間(2018-2021)のプロジェクトです。D4Aプロジェクトは疎外されてきた農家や労働者のエンパワーメントや持続可能な生計の達成、公平性の実現などを目的としてできました。
カカオセクターでは、2018年に開始されたD4Aプログラムにおいて、学校、協同組合のリーダー、地域のオピニオンリーダーらを巻き込み、児童保護と児童労働の回避に取り組んでいます。児童保護に関する意識啓発活動や教師に対し研修などを行いました。
バナナセクターでは、労働者の権利、ジェンダー平等、生活賃金という3つのテーマ領域を扱っています。技術支援を提供し、主にガーナ雇用労働関係省工場検査局(DFI)との協力のもと実施されています。DFIはこの活動により農業セクターのより多くの組織に働きかけ、福祉、健康、安全基準の検査を実施し、労働者と経営陣に対し様々な是正措置の実施をしました。
「子どもを守るには村全体の協力が必要」(ITAV)プロジェクト
こちらがサイトのリンクとなります!→it-takes-a-village-project
オランダの郵便番号宝くじが資金提供をしたプロジェクトです。フェアトレード・カカオ生産コミュニティの子どもと若者の福祉向上を最終目標としています。児童労働防止活動を展開し、教育改善のための活動をしています。主にコートジボワールにおける児童保護プログラムの実施ですが、オランダでの啓発キャンペーンも補完的に実施されています。職業訓練を必要とする若者への奨学金の支給なども行っています。
カカオ・プログラム(WACP)
こちらがサイトのリンクとなります!→africa-cocoa-programme
2016年に開始されたガーナとコートジボワールで行われているプロジェクトです。小規模生産者組織(SPO)への研修、コーチング、助言・技術支援、そしてピアツーピア学習を行っています。カカオ生産者からなる協同組合が、プロジェクトを通し、組合員に質の高いサービスを提供します。協同組合はガバナンス体制を大幅に改善し、カカオの生産量と生産性を向上させ、適切な財務投資を実施し、優れた児童保護システムを構築し、組合員の優れたデータベースを構築し、地域社会の発展に大きく貢献し、これらの地域社会における貧困削減に大きく貢献しました。
③現地で購入可能?!
現在、フェアトレード製品はアフリカの 2 か国で購入できます。
南アフリカとケニアです。
南アフリカでは、ワイン、チョコレート、コーヒー、紅茶、ハーブなど、多種多様なフェアトレード製品が既に地元の店で販売されています。
南アフリカは、2009年にアフリカ初の南南市場モデルが立ち上げられました。フェアトレード・ラベル・サウス・アフリカ(FLSA)は、生産国における最初のフェアトレード・マーケティング組織です。
ケニアは南アフリカに次いで、フェアトレード製品を消費者が購入できるアフリカで2番目の市場です。
2012年末、フェアトレード・マーケティング機構東アフリカ(FMOEA)は、ケニアを皮切りに東アフリカ地域におけるフェアトレードラベル製品の本格的なマーケティング組織となりました。
⭐️南南市場モデルとは⭐️ 発展途上国同士の貿易のメカニズム
6、今後の課題
今後の課題としては以下の3つが挙げられます。
①、市場価格とリファレンス価格のギャップ
市場価格は市場の競争によって需要と供給が釣り合う価格のことです。一方でリファレンス価格は内的参照価格のことで消費者が自身の感覚で、高い、または安いと評価した価格のことを指します。この両者の隔たりが大きいことが課題の一つです。
②、気候変動
今後も加速していく気候変動によって作物の栽培が難しくなり、生産者の生計に大きな影響を与えます。
③、インフレと紛争
世界的な不安定情勢(ウクライナ、中東など)やインフレが、市場アクセスを制限する規制をもたらしています。
7、終わりに
いかがでしたでしょうか。フェアトレードの高い値段の裏には生産者を守る仕組みが隠れていたのですね!この記事が次にフェアトレードの商品を見つけた際に立ち止まる小さなきっかけとなれたら嬉しいです。
参考文献:
Fairtrade Africa./2024/07/FTA-Annual-Report-2024

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