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多くのアフリカ諸国と同様、日本から乗り継ぎなどを含めて、ほぼ1日かかってしまうカメルーン。国名を聞いて「サッカー」を思い浮かべる人は多いかもしれませんが、カメルーンは多くの日本人にとって馴染みのない国だと思います。
カメルーンは「アフリカの縮図」と呼ばれるほど、多様性に溢れる国です。この記事を通して、カメルーンの基本情報や、住んでみたからこそ分かる魅力を読者の皆様にお届けできたら、と思います。
基本情報
| 国名 | カメルーン共和国(République du Cameroun / Republic of Cameroon) |
| 面積 | 475,440平方キロメートル(日本の約1.3倍) |
| 首都 | ヤウンデ(Yaoundé) |
| 人口 | 2,865万人(2023年 世銀) |
| 民族 | バミレケ族、ファン族、ドゥアラ族、フルベ族等約250部族 |
| 言語 | フランス語、英語(共に公用語)、その他各部族語 |
| 宗教 | カトリック、プロテスタント、イスラム教、その他のキリスト教等 |
| 時差 | 西アフリカ時間 UTC+1/JST-8(日本より8時間遅れている) |
○ 国名
正式な国名は「カメルーン共和国」。国名の由来は、15〜16世紀にポルトガル人の探検隊が、カメルーンの南西部に流れる「ウーリ川」を「Rio dos Camarões(海老の川)」と名付けたことにあります。ポルトガル語の「Camarão (海老)」(複数形は ”Camarões”)が変化して、現在の国名(仏語:Cameroun/英語:Cameroon)となったと言われています。
参考:Britannica
○ 面積
475,440平方キロメートルで、日本の約1.3倍のサイズです。
○ 首都
政治の首都はヤウンデで、カメルーンの政府機関や各国大使館、そして国際機関のオフィスがあります。
参考:外務省
ヤウンデはカメルーンの内陸部に位置し、標高700メートルの高原に位置するため、年間を通して湿度が低く気候面で過ごしやすいのが特徴です。ヤウンデは元々、ドイツ人の貿易商人が19世紀に建設した拠点であり、名前の由来として、当時そのエリアに住んでいた「エウォンド(Ewondo)族」の名前が変化し、「ヤウンデ」という名前が付けられました。

①ヤウンデの中心街 ※参考写真(筆者撮影)つき


②ヤウンデのバストス地区
(各国大使館や国際機関の事務所が集まるエリア)


③ヤウンデのゴルフ地区
(ゴルフ場があるため、その名前となった。ここにも、各国大使館、国際機関が集まる)


④ヤウンデの高台「Mont Fébé」
(ゴルフ地区の延長線上に位置する)


一方で、経済の最大都市は、ギニア湾に面する「ドゥアラ」です。ドゥアラには、カメルーン最大の港があるほか、多くの企業が本社機能をドゥアラに構えています。

①ドゥアラ国際空港


ヤウンデとドゥアラ間の飛行時間は30〜60分。遅延・キャンセルがよく発生するので注意が必要。
②ドゥアラでおすすめのカフェ「Maison H」


ヤウンデでは中々お目にかかれない、ハイクラスのケーキが食べられます。
③ドゥアラのシンボル「La Nouvelle Liberté」(「新しい自由」)


リサイクルされたタイヤや金属部品を用いて建てられた。
La Nouvelle Libertéの前の道路の状況。ドゥアラの道路には穴・窪みが多く、舗装状況は基本的に悪い。
④フランス資本の本屋・家電屋のFNAC


ドゥアラには、ヤウンデにない海外資本の店がちらほらあります。
⑤ドゥアラ最大のショッピングモール「Douala Grand Mall」



2階建てのモールで、海外資本のアパレルショップや仏資本のスーパー等があります。筆者が訪れた際(25年8月)2階部分はフードコート以外空でした。また、カメルーンでは珍しい「エスカレーター」もあります。
⑥ドゥアラのカトリック大聖堂「Cathédrale Saint-Pierre-et-Saint-Paul de Douala」


○ 人口
2,865万人(2023年 世銀)
参考:外務省
カメルーンの人口の特徴として、若者が占める割合が非常に高い点が挙げられます。CIAワールド・ファクトブックによれば、0–14歳が人口の 41.69% を占め、65歳以上はわずか 3.19% という構成です。中央年齢(median age)は非常に低く、2023年推定で 約18.8歳。 カメルーンの年齢構造は「底が広くて上に行くほど細くなる」典型的な若年型人口ピラミッド(下記のグラフ)を描いており、若年層(子ども~若い大人)がカメルーンの社会の大部分を占めていることが分かります。若者が人口の主体のカメルーンにおいて、彼らのための教育や雇用政策が重要になる、と言えるでしょう。
なお、アフリカ開発銀行の情報によると、カメルーンの人口のうち、半分弱(43%)が第一次産業に従事しており、その主要セクターは農業です。
参考:CIAワールド・ファクトブック、アフリカ開発銀行グループ

また、Worldometerのデータでは、カメルーンの女性が一生の間に出産する子供の人数は、女性一人あたり4.2~4.3人と推定されており、高い出生率を記録しています。また、カメルーンの平均寿命は64.2歳とされており、若年人口比率の高さの背景には、高い出生率および低い平均寿命が関係しているとされています。
参考:Worldometer
○ 民族
約250部族(バミレケ族、ファン族、ドゥアラ族、フルベ族等)
参考:外務省
○ 言語
フランス語、英語(共に公用語)、その他各部族語
※カメルーンは植民地時代にフランス領およびイギリス領に分かれていたため、元仏領の地域ではフランス語、元英領の地域では英語が主に話されています。(詳しくは「国の別名 3.言語の多様性」にて紹介しています)
参考:外務省
※ 民族が非常に多様なため、民族間での意思疎通を行うためにも、フランス語(および英語圏では英語)が「リングア・フランカ」(共通言語)としてカメルーン国内で広く使用されています。部族語が広く使用される他のアフリカ諸国と比べ、仏語(および英語)の汎用性は高いと言えるでしょう。
○ 宗教
カトリック、プロテスタント、イスラム教、その他のキリスト教等
※大まかにキリスト教徒が人口の60〜70%、イスラム教徒は20〜30%です。イスラム教徒の割合はカメルーン北部に行くほど高くなります。
参考:外務省
● 地図
カメルーンは中央アフリカ/西中央アフリカに位置し、ナイジェリア、チャド、中央アフリカ共和国、ガボン、赤道ギニア、コンゴ共和国などと国境を接しています。
● 国旗
○ 現在使用されている、国旗の制定
○ 色の意味
デザインは縦三色の緑・赤・黄。緑は「南部の森林、豊かな植生」を意味し、赤は「国の統一」を表し、黄色は「北部のサバンナ、太陽」を表現している。中央の赤帯には黄色の五角星が描かれ、こちらも「国の統一」を表しています。

● 治安

外務省の海外安全情報によると、極北州は治安上特に危険であり、渡航は「退避勧告(レベル4)」が出ています。 極北州では、イスラム過激派組織(例:ボコ・ハラム、IS西アフリカ州)が越境活動をしており、自爆テロや誘拐、強盗などが発生するリスクがあるとされています。
また、北部およびナイジェリア、チャドとの国境付近や、英語圏独立を掲げる分離独立派と治安部隊との衝突が多発する英語圏の北西・南西州でも「渡航中止勧告(レベル3)」が出されている地域があります。
ヤウンデやドゥアラが位置する地域は、外務省の危険レベルでは「レベル1十分注意」となっています。一般的な犯罪(窃盗、強盗)や交通・タクシー利用時のリスクも報告されているほか、マラリア等の感染症のリスクもあります。
大使館や国際機関が集まるバストス地区およびゴルフ地区は、警備もあり比較的安心とされていますが、スリや強盗といったケースも報告されています。ショルダーバッグでさえ安心と言えません。バイクが後ろから近づき、紐を強引に引っ張ってショルダーバッグを奪ったり、バッグの紐をナイフで切った上で持ち去った事件などがあります。特に強引にバッグを引っ張られる場合は、体のバランスを崩し、大怪我にもなりかねません。外国人のみならず、カメルーン人の知り合いでさえスリの被害にあっているので、外を出歩く際は極力徒歩を避けるほか、徒歩を余儀なくされる場合は持ち物に気をつける(携帯を手に持って歩かない、など)など、注意の徹底が必要です。
● 親日性もしくは、日本との関係
歴史・外交
外務省の情報によると、日本は1960年1月にカメルーンの独立を承認しました。カメルーンは1988年に駐日大使館を開設し、日本は1991年に在カメルーン大使館を設置しました。
参考:外務省
経済関係
外務省のサイトによると、2022年の対日輸出は約11.15億円、対日輸入は約48.74億円でした。 カメルーンの日本に対する主要輸出品目はアルミニウム、木材、ココアであり、日本はカメルーンへ主に機械、自動車、繊維、医薬品を輸出しています。 2023年10月時点で日本企業8社がカメルーンに進出しており、代表的な企業として豊田通商、ダイキンなどが挙げられます。
参考:外務省
参考写真(筆者撮影)
![]() 豊田通商の子会社「CFAO」によって建設・営業されているショッピングモール「PlaYce」(於 ヤウンデ)。中にフランス系スーパーのカルフールや、ダイキンのお店がある。 |
在カメルーンの邦人数
外務省によると、カメルーンには60人の日本人が住んでいます(2024年10月時点)。なお、日本には約1000人のカメルーン人が住んでいるようです(2023年12月)。
参考:外務省
それに対して、在カメルーンの中国人の人数は、正確なデータはないそうですが、一説によると4000人以上と言われています。なので、カメルーンの人々の中には「アジア人=中国人」という認識が強いらしく、街を歩いていると「ニーハオ」と呼ばれることがよくあります。ただ、JICAの海外協力隊員などが活動する学校付近を歩くと、生徒から「こんにちは」と声をかけられることもあり、ほっこりした気分になりました。
援助・協力
日本からの有償資金協力、無償資金協力、技術協力、ボランティア活動(JICA活動を通じて)などが長年行われています。有償資金協力では漁港の建設など大規模なインフラ整備が行われたほか、無償資金協力では学校や医療センターの建設、給水システムの整備といった案件がカメルーン各地で行われています。技術協力では専門家を派遣して現地の人材育成を図ったりするほか、ボランティア活動ではカメルーン各地で、協力隊員の方々が学校の先生や医療スタッフとして勤務したり、農業系の機関で農作物の販路拡大といったマーケティング的な活動をしたりしているそうです。
参考:在カメルーン日本大使館
● カメルーンを知れば、アフリカが分かる?カメルーンが「アフリカの縮図」と呼ばれる理由
カメルーンはしばしば “Africa in miniature(「アフリカの縮図」)” と呼ばれます。これは、1つの国の中にアフリカ大陸を象徴する多様な自然、文化、民族、言語が凝縮されているためです。地理的・文化的な広がりが驚くほど豊かで、アフリカの特徴を「コンパクトに体験できる国」と言えます。
1. 地理・気候の多様性
カメルーンには、アフリカ大陸の主要な自然環境がほぼ揃っているのが特徴です。南部には熱帯雨林、中部には高原地帯、北部にはサバンナ遅滞、極北部にはサヘル地帯、海沿いにはビーチ、そして活火山があり、アフリカ各地に点在する地形を一国で再現したような構成であるが故、「アフリカの縮図」と言われています。
2. 250以上の民族と多文化社会
カメルーンには250を超える民族集団(バミレケ族、ベチ族、ファン族などのバントゥー系、フルベ族などのサヘル系、バカ族などの先住民など)が存在し、文化や言語、伝統が極めて多様です。また、宗教面でもイスラム文化圏とキリスト教文化圏が混在しています。この多文化の調和は、アフリカ大陸全体の豊かな民族性を象徴していると言えるでしょう。
3. 言語の多様性(英語・フランス語・数百の現地語)
公用語はフランス語と英語です。こちらは、カメルーンが植民地時代のフランス領とイギリス領だったことの名残と言えます。国土の大半は元フランス領のためフランス語が主に話されますが、イギリスがカメルーンの北西州および南西州を植民地にしたため、これら2州では英語がメインに話されます。
公用語のフランス語と英語に加え、200以上の部族語が使用されており、アフリカならではの言語モザイクを形づくっています。とはいえ、周囲のカメルーン人の話によると、近年では部族語を使わず、フランス語(もしくは英語)のみが話せる、というカメルーン人も増えているようです。複数の部族が混在し、フランス語(そして英語)が日常の共通語として広く使用されるがゆえ、部族の言語的なアイデンティティが薄れているのかも知れません。
4. 宗教の多様性も“一国のアフリカ”
北部はイスラム教徒が多数の一方、中部・南部はキリスト教(カトリック・プロテスタント)が多いです。ただ、伝統宗教も根強く共存しており、このような宗教構成もアフリカ全体の縮図を反映していると言えるでしょう。
5. 産業構造の多様性
農業・畜産・漁業・鉱業・石油・木材・カカオなど、アフリカ各地を代表する産業が存在し、経済構造も多面的です。
以上の理由により、カメルーンはアフリカをギュッと一国に縮めた「アフリカの縮図」と呼ばれています。
参考:JICA、CIAワールド・ファクトブック、在カメルーン日本大使館
● 首都ヤウンデの気候
前述の通りヤウンデは標高が高めに位置しており、そのため同緯度の沿岸都市に比べて気温がやや抑えられており、 年平均気温は23〜24 ℃ 程度です。
参考:ZenTech
筆者はヤウンデ在住ですが、気候的にはすごく過ごしやすい、と感じています。感覚的には日本の春〜初夏といったところでしょうか?湿度が低いのが非常に幸いしています。
カメルーンの気候は、アフリカの他地域と同じく、乾季と雨季に分かれており、1年の中で「大乾季」→「小雨季」→「小乾季」→「大雨季」と分けることができます。雨季はバケツをひっくり返したような雨が夕方に1〜2時間続くことが多く、日本のように1日中しとしと雨が降ることは非常に稀です。雨や曇りの影響で、雨季は朝と夜に肌寒いと感じることが多く、カーディガンなど軽い上着が必要になるほどです。その一方、乾季は降水量が少なく、太陽が照っていると暑く感じます。ただ、湿度が低い分、日陰にいる限りは日中でも過ごしやすいです。ある在留邦人は、ヤウンデを「アフリカの軽井沢」と表現したほどです。
![]() 前方に土砂降りの雲がかかっている様子。実際、写真を撮った10分後くらいに、筆者が立っているエリアでも大粒の雨が降り注ぎました。 |
● 通貨
カメルーンの通貨は 中央アフリカCFAフラン(通貨コード:XAF)です。
この通貨は中央アフリカ諸国(BEAC:中央アフリカ諸国銀行)によって発行されており、カメルーンのほかチャド、ガボン、赤道ギニア、コンゴ共和国、中央アフリカ共和国などでも使われています。 ユーロに対して固定為替制度を採用しており、1ユーロ=655.957CFAフランの価値です。
※ なお、西アフリカの国々でもCFAフランが発行されており、ユーロに対して同価値の固定為替で流通しています。ただ、「西アフリカCFAフラン」と「中央アフリカCFAフラン」はユーロに対する価値は同じではあるものの、厳密には同じ通貨ではないため、カメルーンのCFAフランをそのままセネガルで使うことはできません。
クレジットカードの使用は、比較的規模の大きい外国人向けホテルやスーパーなどに限られるでしょう。その一方で、「モバイルマネー」という携帯の電話番号に紐づいているキャッシュレス決済が発展しており、小さな個人商店やタクシーの支払いなどでも、幅広く使用できます。筆者も細かい小銭がない際には、モバイルマネーで支払いを済ませています。
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おわりに
いかがだったでしょうか?日本にとってカメルーンという国はあまり馴染みがないかもしれません。だからこそ、本記事を通してカメルーンの基本情報および生活の情報を感じ取っていただければ幸いです。

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