★目次★
こんにちは、Pick up アフリカです。今回はマダガスカルで2025年9月末から起こったデモについてまとめていきたいと思います。

デモの大まかな概要
デモの主体、若者で “Gen Z Mada” と呼ばれるZ世代。エリート軍部隊「CAPSAT」。 要求内容、安定した水道、電力の供給 、アンドリー・ラジョエリナ前大統領の辞任。 結果、アンドリー・ラジョエリナ前大統領の総辞職、軍エリート部隊司令官CAPSATのランジリアニリナ大佐が大統領に就任したため、10月には軍事政権(暫定政権)が樹立。
1、政治体制
アフリカ大陸の南東でインド洋上にある島のマダガスカルはフランスによって保護領化されていましたが、1960年のアフリカの年に独立してからは大統領を元首とする行政府(大統領および政府)、立法府(国民議会・上院議会)、司法府(最高憲法裁判所)の三権分立からなる共和制を維持してきました。
⭐️アフリカの年とは⭐️ アフリカ大陸の多くの国々が旧宗主国からの植民地支を脱し、次々と独立を達成した年
2、経済格差、独裁などの不満要素
名目GDPは170.4億米ドルで国民の約80.7%が1日2.15ドル以下で生活する(2023年世界銀行データ)という極度の貧困状態の中、アンドリー・ラジョエリナ前大統領がしばしば独裁と批判されていました。例えばマダガスカル最大の都市で首都機能を持ち、マダガスカル経済の中心地でもあるアンタナナリボに全長13キロのケーブルカーを建設しました。住民からは、ケーブルカー建設の前に電力と水の供給停止の問題を考えるべきだと不満が出ていました。またラジョエリナ氏は2014年にフランス国籍を取得したので、二重国籍でした。約10年間その事実を伏せていましたが、2023年11月の大統領選挙の数ヶ月前に発覚し、スキャンダルとなりました。ラジョエリナ氏の失格を求める声が上がりましたが、野党がボイコットしたことで選挙は勝利を収めました。当時のラジョエリナ氏は、子供たちがフランスに定住し、学業を続けるのを容易にするため、フランス国籍の取得を申請したと主張し「しかし、この紙切れが私の血を変えるわけではない」と述べました。
また、マダガスカルでは人権問題もしばしば指摘されています。公判前拘留が過剰かつ不当に行われていると言われており、刑務所は深刻な過密状態にあり十分な食料、清潔な水、衛生設備、医療を受けられない非人道的な環境で拘留されています。
2、過去にもデモはあったのか
2008年11月 ラヴァルマナナ元大統領に対し韓国・大宇グループとの 99 年間に及ぶ 130 万ヘクタールの大規模プランテーション用地に係る土地の借用契約問題に際して大規模な抗議デモが発生。
2009年1月 大統領による著しい公私混同に対する国民の不満、産業界出身のラヴァルマナナが軍を冷遇したため、軍部に不満が溜まっていたこと、の 2 点で人気が低迷していたラヴァルマナナ元大統領に対して抗議運動が発生。
2009年1月下旬 野党の抗議活動が暴力に発展し、数十人が殺害される。同月末、ラジョエリナ氏は大統領に就任し、暫定政府を樹立すると宣言。一方、ラヴァルマナナ大統領は辞任し、軍に権力を委譲。これは、軍事政権の樹立を目指したものだった。しかし軍幹部は、エリート部隊であるCAPSATからの圧力を受け、ラジョエリナ氏を暫定高等機関の長として任命。
3、デモの要求内容
水道、電力の供給が不足していることは政府が基本的人権を保護していないからとして安定したインフラを要求 、経済難に対する不満、アンドリー・ラジョエリナ前大統領の辞任。
4、どのようにデモが拡大したのか
2025年9月から「マダガスカル・ジェネレーションZ」と呼ばれるFacebookアカウントが登場し、国中の共感を集め、すぐに10万人のフォロワーを集めました。そこから若者を中心にデモが広がっていきました。デモでは日本のアニメ「ワンピース」をモチーフとした旗が掲げられ、運動の象徴になりました。
5、政府の対応
抗議活動が予想される場所には憲兵が派遣されました。警察と憲兵は催涙ガスを使用して抗議活動を鎮圧しようとし、その過程で5人が死亡したと報告されています。それ以外にも抗議者らと治安部隊の衝突により、少なくとも22人が死亡、100人以上がけがを負ったとされています。
6、結果
マダガスカルの最も強力な戦闘部隊であるCAPSATがデモ参加者を支援し、ラジョエリナ氏は守勢に立たされて国外へ逃亡しました。CAPSATのランジリアニリナ大佐が大統領に就任し、実業家でコンサルタントのヘリンツサラマ・ラジャオナリベロ氏を首相に任命しました。これによってマダガスカルでは軍事政権(暫定政権)が樹立。その後新政権は外国籍を取得したマダガスカル人はマダガスカル国籍を失うと規定されているマダガスカル国籍法、第3章「マダガスカル国籍の喪失および剥奪」に関する条項の第42条を引用し、ラジョエリナ氏の国籍を剥奪しました。これにより同氏は今後選挙に出馬できなくなりました。
7、終わりに
いかがでしたでしょうか。Pick-Up!アフリカでは、他の国で最近起こったデモについても発信しています!ぜひチェックしてください!
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参考:
Behind the Gen Z protesters who want to force Madagascar’s president from power
マダガスカル、軍が権力掌握を宣言 大統領府は「クーデター未遂」と声明
Ousted Madagascan president stripped of citizenship 25 October 2025

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