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本日は南アフリカから手話に関するニュースをご紹介します。
世界中には300以上の手話言語が存在していると言われていますが、国が正式に手話を言語として承認しているところは少ないという現状があります。


このようなチャレンジの中で、公に言語として手話を認めるだけでなく、国の公用語として位置付けようとする南アフリカの先駆的な取り組みをぜひご覧ください!


記事:南アフリカ、12番目の公用語を検討

South Africa considers a 12th official language

記事リンク:https://businesstech.co.za/news/government/431478/south-africa-is-considering-a-12th-official-language/

本日は南アフリカから、手話に関するニュースをご紹介します。

手話は独自の文法体系を持つ手指で表現される非音声言語ですが、世界中では300以上の手話言語が存在しているといいます。例えば音声言語では、アメリカやイギリス、オーストラリアでは英語が話されますが、手話言語の領域ではアメリカ手話、イギリス手話、オーストラリア手話は全てが全く異なるものになるという具合です。

手話言語の立場をめぐる歴史的な戦いは長く、長い間手話は言語として認められていませんでした。しかし、2006年に採択された国連の障害者権利条約で手話は正式に「言語」と明記されました。日本では2011年に改正された障害者基本法に「言語(手話を含む)」と記されているものの、手話言語法の制定には至っておらず、手話言語条例として29道府県(13区/262市/53町/1村計358自治体)それぞれの地域ごとに施行されている状況です。

また世界的に見てみると、法的な承認を受けているのは国連加盟国193か国中41ヵ国(2017年)と未だにその数が少ないことが問題視されています。

今回の記事では、南アフリカが南アフリカ手話憲章を立ち上げ、国の11の公用語の中に新たに手話を含ませようとする動きについて書かれています。

この記事によると、南アフリカ言語委員会(PanSALB)は、世界ろう連盟(WFD)が宣言した国際ろう者月間の62周年の歴史的マイルストーンを記念して、南アフリカ手話憲章を立ち上げました。これは、ろう者コミュニティがサービス、情報、公的機関、教育に簡単に、彼らが理解できる言語でアクセスするのを支援するために、要求に応じてまたはオンデマンドで利用可能になるということです。具体的には、

  • 12番目の公用語としての南アフリカ手話の承認、南アフリカ国民のための聴覚障害啓発活動、ろう文化の促進、ろう者によるすべてのサービスと施設へのアクセス、すべての教育レベルのカリキュラムへの南アフリカ手話の組み込み、南アフリカの手話の専門化。
  • 手話言語以外でも、クローズドキャプション、サブタイトルなどの他、南アフリカ手話と密接に関わっているとされる読唇術、リレー通訳、および農村地域で使用されている一般的な非学術的な手話も対象としている。

と、いう内容となっています。

これらの内容と合わせて全てろうの子どもが手話にアクセスし、リテラシーを高めるためにも公共のTVプログラムなどで手話が保障されることを目指しているということです。

「南アフリカの手話」といえば、ご存知の方も多いのではないかと思いますが、ネルソンマンデラ元大統領の追悼式のスピーチの際の「デタラメ手話通訳」のニュースが世界的に有名になりました。追悼式で4時間にわたり、大統領の隣に立って手話通訳士が表出していた手話が、完全にデタラメなものであったという事件です。これは世界中から大きなバッシングを受けましたが、法定では南アフリカの手話が言語として認められていないということから、公的な言語としての規定がないため、この罪が裁けないという結果になったと報じられています。

手話の言語としての法的な承認は、ろう者のアイデンティティを認め、社会参加を促し、インクルーシブな社会を築くという上で必要なことではありますが、それだけでなく、法的に承認されることによって、上記のような明らかな侮蔑的な行為があったときに、法の元で公正に裁くことができるということを表します。

福祉的なイメージのトピックのように語られる分野ではありますが、倫理的なことだけではなく、あくまでも人権や言語の項目として、国による手話言語の承認についての問題が議論されることを期待しています。また、南アフリカのように国家が先導してこのような取り組みを行う国が増えてくることを願っています。

関連.参考記事:

  1. How 2 Sign Language Interpreters Became Unlikely Pandemic Stars - Link
  2. Mandela memorial interpreter asks forgiveness, calls himself champion – Link
  3. 手話言語条例マップ - Link
  4. The Legal Recognition of Sign Languages by Country - Link

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