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本日は南アフリカから教育分野で注目を浴びる学生起業家のスタートアップに関する記事をご紹介します。教育格差の広がりによる非識字率の割合が問題視されている南アフリカで、子どもの識字教育を支援する新しいコンテンツが注目を集めているようです。

今週も面白記事は毎日更新予定です。ぜひお楽しみください。


記事:南アフリカ:学生起業家のデジタルライブラリが子どもたちの識字教育を助ける!

South Africa: Student Entrepreneur’s Digital Library Helps Children to Read

記事リンク:https://allafrica.com/stories/202009210951.html

内容と背景:

本日は南アフリカの教育分野で注目を浴びている学生スタートアップ企業に関する記事をご紹介します。

南アフリカは、世界で最も経済格差の大きい国の1つと言われています。世界銀行の2018年のデータによると、国内資産の71%が上位10%の世帯に集中してるというデータが出ています。この記事でも言及されている通り、教育でも格差が広がっており、識字率に至ってはグレード4(9歳〜10歳)の生徒のうち、78%の生徒が文字を読むことができていないという現状があります。

現在の南アフリカの識字教育では、小学校1〜2年生時にアルファベット表記の部族語書籍で読み書きを習得し、3年生から英語教育の開始、4年生から全ての教科を英語で教えるという工程になっています。(9つの現地公用語は、文字を持たない口承言語であるため、アパルトヘイト時代に強制的にアルファベット化されました。)

今回の記事は、こういった社会課題を解決するために台頭してきたケープタウン大学(UCT)の学生チームのスタートアップビジネスについて書かれています。2020年の大学間起業家コンテストに参加したケープタウン大学(UCT)の学生チームは、南アフリカの11の公用語で書かれた読み聞かせの子ども向けオーディオブックで構成される独自のデジタルライブラリ(TAQA)を開発しました。

母国語をしっかりと把握していれば、第二言語をはるかに早く学ぶことができるという研究結果を根拠に、TAQAは、子供たちが母国語で読む能力を向上させることを目的としています。

この事業はすでに、非営利団体Nal’ibaliと提携して、南アフリカの7か国語で制作された一連のオーディオブックポッドキャストを提供しているということです。

開発チームのリーダーは、この記事の中で、今後は政府や他の組織と提携して、あらゆる社会経済的背景の子供たちがプラットフォームに簡単にアクセスできるようにし、読書の文化を奨励し、構築したいと述べています。

プラットフォームが完全に機能するようになると、ユーザーはTAQAアプリをダウンロードし、ライブラリにアクセスするための月額サブスクリプション料金を支払うことができるようになるということです。

彼らは次の学生起業家の全国大会に駒を進めることになるそうです。

アフリカでは多くのビジネスコンテストやハッカソンが催されていますが、これらは単にスタートアップとしてアフリカのビジネスを応援するだけではなく、このコンテストによって内在する課題が公の目に止まる形で顕在化されることも目的として掲げられている場合が多くあります。

実際にこのビジネスモデルが注目されることによって、南アフリカの公用語の数と非識字率の関係や課題について、今まで以上にアフリカ外にもクローズアップされたのではないかと思います。

現地の状況をよく知る若者の課題解決へのアイディアとその発信力、またこれからの活躍に期待しています。

関連・参考記事

  1. 焦点:南ア社会の根深い教育格差、新型コロナで浮き彫りに – Link
  2. South Africa: UCT Student Entrepreneurs Head to National – Link
  3. 南アフリカ共和国の教育事情について (SAPESI Japan) – Link

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