題:ウガンダ:コカ・コーラと3つのスタートアップ企業がカンパラのプラスチック問題に取り組む

英題:UGANDA: Coca-Cola and 3 start-ups join forces against plastic waste in Kampala

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キーワード:アフリカ プラスチックゴミ問題 リサイクル 

こんにちは!Pick-Up!アフリカをご覧いただきありがとうございます。

本日は、先週に引き続きアフリカのゴミ問題についての記事をピックアップしました。

特にプラスチックゴミ問題に焦点を当て、外国資本の企業がこの問題に対して行っている取り組みをご紹介していきます。

アフリカのプラスチックゴミ問題

こちらのレポートでは、2020年時点で世界全体のプラスチック消費量は4億トンにも登り、そのうちアフリカは全体の4%にあたる1600万トンを消費していたことが示されています。このように現状ではアフリカの消費量は世界と比べて多くありませんが、今後経済の成長に伴ってそれが著しく増加すると考えられています。実際に同レポートでは、2015年から2060年にかけてアフリカでのプラスチック消費が375%増加するとの予測がなされています。

こうした状況がある一方で、アフリカのプラスチックゴミ処理能力には問題があります。実際に先週のこちらの記事ではアフリカにおけるゴミ全体の回収率は55%に留まるということをお伝えしましたが、これはプラスチックに関しても同様であり、道路や川、また海などに多くのプラスチックゴミが捨てられている状況があります。

また回収のみならず分別、処理の能力も低く(先週の記事)、そのためゴミリサイクルの能力もまだまだ発達していません。具体的にこちらの記事では、EUでは2018年時点でプラスチックゴミのうち41.5%がリサイクルされましたが、アフリカではその値が12%にとどまることが示されており、リサイクルがごみ量の減少にあまり貢献していない状況があります。

このような処理の問題によって多くのプラスチックゴミが海に流れだし、海洋汚染の原因となっています。具体的にこちらの記事では、アフリカ諸国のうちエジプト、ナイジェリア、南アフリカがプラスチックゴミによる海洋汚染量の世界ランキングで順に7位、9位、11位にランクインしており、生態系に大きな影響を与えてしまっています。

プラごみ処理能力向上に向けたコカ・コーラの取り組み

アフリカにおけるプラスチックゴミ処理機能の不足がこうした世界規模の問題の要因となっている事を受けて、近年外国資本の民間企業がこの分野での活躍を見せてきています。

その中でも特に世界でも有数の清涼飲料製造会社であるコカ・コーラビバレッジは2018年にWorld Without Wasteキャンペーンを開始して以降、アフリカの様々な企業と提携してプラスチックゴミ処理、リサイクル能力の向上に精力的に取り組んでいます(参考記事)。

今回ピックアップした記事では、その中でも最近の取り組みがご紹介されています。具体的に記事では、コカ・コーラアフリカがウガンダの3つのスタートアップ(Yo-Waste,  Ecoplastile and Asante Waste Management)と協力関係を結んだことが紹介されています。

この協力関係によってプラスチックゴミを回収する3つのスタートアップとリサイクルを行うコカ・コーラの関連企業の間でゴミのサプライチェーンを形成し、効率的にリサイクルを行うことが目指されています。また、回収センターの増設や1000以上のインフォーマルな地元のプラスチック回収人たちとの協力により、回収量自体を底上げすることも同時に目標とされています。

そしてこちらの記事では、コカ・コーラアフリカがナミビアのNammibia Polimar Recyclers(NPR)とMOUを結び、プラスチック加工工場の建設に着手したことが紹介されています。この工場ではプラスチックのリサイクルを行うための分別と加工が行われる予定ですが、これによって現状月200トンのリサイクルを行うNPRの処理能力が2倍にまで向上すると考えられています。

こうした形で、コカ・コーラはアフリカのプラスチックゴミ問題の改善に大きく貢献しています。

アフリカ、プラスチックゴミ処理分野の今後

今回はコカ・コーラの例を出してこの分野での外国資本の関わりを中心にご紹介しましたが、アフリカのスタートアップも近年は様々な取り組みを行っています。実際にこちらの記事ではケニアのスタートアップであるGjenge Makersが砂とプラスチックゴミを加工して安く、軽くて丈夫な建築材を製造、販売していることが紹介されています。またこちらの記事では、南アフリカの起業家であるHudson Diphofa氏がプラスチックゴミをリサイクルして家具や遊具を作る取り組みを行っていると述べられています。

このようにアフリカのスタートアップによる改善の動きが活発化してきていることから、プラスチックゴミ処理の状況に対する問題意識がアフリカ内部からも高まってきている状況が読み取れるのではないかと思います。それを踏まえると、今後さらにこの分野で先進国の技術の介入が求められる状況が増える可能性も考えられます。

日本のプラスチックリサイクル率は25%と先進国の中では低いですが、熱処理も含めるとプラスチックゴミの有効利用率は85%にものぼるとされており、その管理システムには目覚ましいものがあると思います(参考記事)。こうした日本のシステムの導入が今後アフリカのプラスチックゴミ問題の改善に貢献するかもしれませんね。

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関連記事:

1.アフリカのゴミ問題とその解消に向けた国際的な取り組み(ゴミ問題シリーズ1)【Pick-Up! アフリカ Vol. 47:2022年6月30日配信】-Link

2.ゴミを資源に!ルワンダのゴミ処理に関する取り組み【Pick-Up! アフリカ Vol. 7:2022年2月14日配信】-Link

参考記事:

1.Plastic Pollution in Africa-Link

2.アフリカのゴミ問題とその解消に向けた国際的な取り組み(ゴミ問題シリーズ1)【Pick-Up! アフリカ Vol. 47:2022年6月30日配信】-Link

3.How can the plastic waste crises be solved in Africa?-Link

4.Coca-Cola Africa Is Investing in a World Without Waste-Link

5.Coca-Cola Beverages Africa partners with Namibia Polymer Recyclers to establish PET flaking plant-Link

6.South African Entrepreneur Transforms Plastic Waste into Playgrounds-Link

7.Kenyan Startup Founder Nzambi Matee Recycles Plastic To Make Bricks That Are Stronger Than Concrete-Link

8.プラスチックのリサイクルの種類は?現状と企業の取り組み事例も解説-Link


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