こんにちは!PIck-Up!アフリカです。

アジェンダ2063に関して記事にしていくアジェンダ2063シリーズ!

第一回は、物流と貿易から、アフリカの高速鉄道の開発に関する記事をご紹介します。

アジェンダの概要はこちらから↓


元記事: 「Is Africa’s ambitious railway project running late?」

https://www.dw.com/en/africa-is-the-continents-ambitious-railway-project-running-late/a-63268830

現在、アフリカにある鉄道は約75,000キロであるとされています。この数字は中国国内だけの高速鉄道の合計距離よりも少ないとされています。また、アメリカには250,000キロの鉄道があることも考慮すると、アフリカにはあまり鉄道が建設されていないと言えるでしょう。

アフリカ全体の開発を進めるための長期計画である、アジェンダ2063の「15の旗艦プロジェクト」の中には、「アフリカ統合高速鉄道ネットワーク」という項目があります。最低でも12,000キロメートルの新しい線路を建設することで、アフリカの国境を越えたモノとヒトとの移動を容易にすることが構想されています。現在は最初の段階として、2033年までに、主要都市・地域をつなげ、アフリカを横断する環状道路を作ることが目指されています。

今回ピックアップした記事では、「アフリカ統合高速鉄道ネットワーク」の内容とその進捗具合、進めるにあたっての課題等が指摘されています。

第一段階としては、19箇所を全体で16,970kmの距離で結ぶ鉄道を作ることを目標としており、最終的には、さらに62箇所を74,000kmもの距離の鉄道で結ぶことが目指されています。タンザニアのルエスサラーム港からルワンダの首都キガリの区間、また、ウガンダのカンパラからブルンジのブジュンブラといった区間は優先的に建設されることが取り決められています。

しかし、実際には様々な障害により、鉄道建設は進んでおらず、2030年までに当初の予定の60%〜70%が完了していればいい方だとされています。

様々な障害のうち一つは、鉄道建設を広域で進めるための資金が多くの国で不足していることが指摘されています。これまで同様のプロジェクトの多くが中国の資金提供により賄われてきたことから、その融資がアフリカの国々の対外債務を増大させ、国家予算を圧迫していると指摘する声もあります。

記事では、ザンビアが鉄道開発をするにあたって資金が足りておらず、その資金調達に難航していることが書かれています。資金調達が困難になっている理由として、資金調達を行う時に見せるべきプロジェクトの経済的魅力性を示す必要があり、その視点からザンビアを見た際に、必ずしもザンビアがビジネス的にそのような魅力を提供的ないのではないかとも書かれています。

また、鉄道建設よりも国内の政治的な問題を解決することが優先されることがあるとのことです。

資金を調達する際の障害として、アフリカの鉄道の用途の変化があげられます。以前、植民地時代には、アフリカにおける鉄道が旅客用ではなく、ヨーロッパなどに原材料を出荷するために機能していたとのことです。しかし今日では、アフリカ大陸内での貿易やヒトの移動にも需要が拡大していきました。

そんな状況下でも、以下の様なプロジェクトが現時点で進められています。

ガーナ:タコラディ港とクマシを結ぶ340kmの鉄道を建設予定

ナイジェリア:2022年の第四半期または2023年に商業的に運転を開始予定

チュニジアーリビア間:時速約250kmで走る鉄道の建設予定

エジプト:紅海と地中海を結ぶ全長 1,800 km の鉄道が2023年に建設予定

また、アフリカにはすでに、日本の新幹線と同じ程度の速さで走ることができる高速鉄道があります。モロッコにおいて、2018年に開業された「アルボラク」と呼ばれる高速列車が、フランスの多大なる資金援助により2760億円かけて建設されました。

しかし、この鉄道は建設した後に課題が残りました。モロッコは、失業率が高い上に、学校・病院・きれいな水へのアクセスが難しいとされています。そのため、多くのモロッコの人々は経済的にも地理的にも高速列車を利用することが難しい状況にあります。

鉄道を建設するのに使用した費用は25,000個分の学校と等しいとBBCでは指摘されており、その分のお金を教育に使うべきだったのではないかと主張する人もいます。そのため、この鉄道建設を「国民の意見ではなく、国王によって独断に決められた」と考える人もいます。

ただ、アフリカ大陸内のすべての高速列車建設がアフリカ連合(AU)の「アフリカ統合高速鉄道ネットワーク」によって建設が進められているわけではなく、自国の利益のために鉄道建設を進めている国もあるとのことです。

こちらの記事では、南アフリカが自国のモノやヒトの移動を活性化させるために都市同士を結ぶ高速列車を2050年までに建設する計画について紹介されています。これは、アフリカ域内の高速鉄道の活性化を目指すというよりは、南アフリカ国内の利益を狙っているように見えます。元記事では、国内用に作られた鉄道が、今後アフリカの他の国に接続するかもしれないとしています。

南アフリカの鉄道計画では、以前のアフリカの鉄道用途同様、速く大量に輸送することが期待されています。しかし、現在旅客用で使われている南アフリカ旅客鉄道公社では需要を満たなくなった場合には、旅客用や通勤用としても今回の高速鉄道を利用することが検討されているとのことです。

アフリカでの鉄道建設は、建設する前の資金調達から建設後の人々の利用状況まで、さまざまな課題を抱えていることがわかります。資金調達という観点では、中国やその他の国とのパートナーシップにも注目が集まります。今後の天開に期待が集まります。

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