本日は、アフリカのファッション業界の話題について、ロンドンのV&Aミュージアムの新たな展示についてリリースされた記事をピックアップしました!

アフリカファッションのプレゼンス、機運、そしてオリジナリティ追求の必要性について述べています。

ご紹介した記事も合わせてぜひご覧ください!


ロンドン:V&Aミュージアム、2022年にアフリカのファッション展を計画

V&A Museum plans African fashion exhibition for 2022

記事リンク:https://fashionunited.uk/news/culture/v-a-museum-plans-african-fashion-exhibition-for-2022/2021012053069

内容と背景:

ロンドンのV&Aミュージアムは、2022年に開催される主要なファッション展示会として、「現代アフリカのファッション ー 魅力的な創造性、創意工夫、そして止められない世界的な影響 ー」を開催することを発表しました。

V&Aミュージアムは、ロンドンに位置し、ファッションや現代美術、各国の古美術、工芸、デザインなど世界中から収集されたものが集まる博物館です。そのコレクション数は約500万点で、140室以上の部屋と13kmに及ぶ見学コースが特徴的な大規模な博物館として、人気を博しています。

伝統的なドレスなどの他にも、ディオールやアレキサンダーマックイーンのように現代のファッション業界を牽引する著名なデザインの最新コレクションも見ることができます。

本日は、このV&Aミュージアムで「現代アフリカファッション」の企画展が行われることについてリリースされた記事をご紹介します。

この展示会では、アフリカで活躍する新世代の画期的なデザイナー、スタイリスト、ファッション写真家のクローズアップを目指しており、現代のクチュール、プレタポルテ、オーダーメイドなどを紹介するようです。

2022年6月にオープンする予定の展示会は「spark a renegotiation of the geography of fashion」をテーマにし、象徴的な20世紀半ばと影響力のある現代アフリカから選出された250以上のオブジェクトを展示する内容になっています。また、その多くが初めて展示されるものとなっているということです。

アフリカファッションは、ロンドンで2011年から開催されているアフリカ ファッションウィーク(AFWL)などをはじめとして、世界的なファッション業界でもますますプレゼンスを発揮しています。

例えば、「ルイヴィトン」など著名なブランドを持つ大手アパレル企業による「LVMHヤング ファッション デザイナー プライズ」の2019年には、南アフリカのヨハネスブルグを拠点にウィメンズウエアを手掛ける「テベ・マググ(THEBE MAGUGU)」が、アフリカからは初の受賞デザイナーとして見事グランプリを受賞したことが、多くの注目を集めました。

また、2000年以降、「ルイヴィトン」や、「ディオール」など外資系ラグジュアリーブランドもどんどんアフリカに進出を遂げています。

Euromonitor Internationsによると、サハラ以南のアフリカのアパレルとフットウェアを合わせた市場は、310億米ドルほどの価値があると推定されています。しかし、国内の輸出網の脆弱性や西洋から流れてくる安価な古着などの影響により、その市場拡大が思うように進んでいないという側面があることも確かです。

そこで、例えばルワンダでは、政府が縫製工場を設立し、繊維産業とファッション産業を後押しているといいます。他のアフリカ大陸もルワンダ政府のこの取り組みを習うべきであると述べている記事もみられました(3)。

アフリカファッション業界の機運の高まり、優秀なデザイナーの台頭など、アフリカのファッション業界は、充分にポテンシャルを持っていることが理解できます。そこで、アフリカ各国はより高度な技術を持った人々を育てたり、政府がその価値に目を向け、より多くの投資を行ったりする必要があるのかもしれません。

一方で、以前参加したアフリカファッションのトークセッションでは、現地のファッション業界の人達の意見の中に、世界でアフリカファッションが注目されていることに対して、ある種の警笛を鳴らしているということを耳にしたこともありました。

それは、アフリカファッションの伝統的なスタイルやアフリカ布が、「アフリカのもの」として認知されるのではなく、製品を輩出した「ブランドのアイディア」として注目されるのではないかということです。それによって、購買者が「購入した製品」と「アフリカ」を繋げることを妨げているのではないかという議論もあります。そこで、「アフリカ発」の製品を世の中に輩出することで、製品の「アフリカ感」や、その裏にある文化背景などを発信できるようになっていきたいという動きが多方面でも起こってきています。

また、同トークセッションでは、自分たちの文化や伝統は一過性のものではなく、「アフリカのスタイル」という新たな定番のジャンルとして確立する価値があると議論されていました。

原材料の輸出などはするものの、完成品や、加工された状態で輸出する機会が少ないことは、ファッション業界も含め、アフリカで散見できる課題であると考えられます。アフリカの産業がより拡大していくためにも、アフリカ発信の産業や製品を新たなジャンルとして確立することが、いかに大切であるかということを実感します。

関連・参考記事:

  1. African-made luxury fashion is making a comeback – Link
  2. 2019年「LVMHプライズ」は、南アフリカ出身の26歳に栄冠! 「アンリアレイジ」は惜しくも受賞ならず – Link
  3. Its time to Invest in the African Fashion Industry – Link
  4. アフリカの政治家にとって、ファッションは単なる服装以上のものを意味する?!【Pick-Up! アフリカ Vol. 4 (投稿:2020年10月8日)】- Link

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