記事:ディアスポラガンビアの若者が元移民などを対象としたプロジェクトを立ち上げる

Diaspora Gambian youth to launch project targeting ex-migrants, others

記事リンク:https://thepoint.gm/africa/gambia/national-news/diaspora-gambian-youth-to-launch-project-targeting-ex-migrants-others

内容と背景:

本日は、アフリカの難民と若者の雇用というトピックについて、新たな取り組みを行うガンビアのスタートアップについて書かれた記事をご紹介します。

ガンビア難民、ヨーロッパからの強制送還の背景

はじめに、アフリカの多くの難民が強いられている現状と、その背景について、ガンビアではヤヒヤ・ジャメ前大統領下での抑圧的な政治のために、多くの国民が亡命をしたと言われています。

しかし、関連記事(1)によると、2014年から2017年の間にヨーロッパに亡命した約40,000人のガンビア人のうち、難民として登録することができた人はほとんどいなかったと示されています。

その後、ヨーロッパの多くの国では増え続ける移民に対し、国へ強制送還するという措置が取られました。これにより、現在ドイツでは推定10,000人以上のガンビア人が国へ強制送還される可能性があると言われています。

難民帰還の問題に対応するスタートアップとは?

そこで、今回ピックアップした記事では、この難民帰還の問題に対応するためにガンビアの若き起業家が行っている取り組みについて紹介されています。

ガンビア系の若いカナダ人であるMuhammadouDrammeh氏は、ヨーロッパと北アメリカから強制送還されたガンビア人を訓練し、彼らのエンパワメントを高めるプロジェクトを立ち上げることを計画しています。

具体的には、ガンビアのMandinaba と Talokotoという場所に「ステイプット教育と若者のエンパワーメントセンター」と呼ばれる第三国定住センターを設立し、技能訓練のための専門学校と、ガンビアの若者に対して農業、農産物加工、アグリビジネス、農民フィールドスクールとして機能するモデル農場の運営が行われます。

強制帰還した若者の苦悩

彼はこの記事で、生き残って最終的に帰国した若者の一部は、今や心理的に大きな傷を抱えていると問題視しています。例えば、ヨーロッパに亡命した難民のうち多くは、リビアで立ち往生し、そこで最悪の場合は捕らえられ、投獄されたりと、残忍な扱いをうけるケースがあります。また、ヨーロッパへの入国に成功した若者も最終的に国外追放され、強制送還となっているということで、彼らの置かれている状況がいかに困難な状況であるかということが理解できます。

また、ガンビアでは若者の失業率は約40%にも及ぶとされています。ヨーロッパから帰還したとしても、仕事に必要なスキルを習得し、就職に結びつけることは非常に難しいことであるということが推察できます。

ちなみに、ヨーロッパなどに亡命したガンビア難民の多くは、祖国の家族に仕送りをしていると言います。例えば、Arnold Bergstraesser Institut(ABI)が昨年11月に発表した調査によると、特に不法移民を含むディアスポラからの送金は、ガンビアのGDPの約15%を占めていると指摘されているようです。

また、関連する記事では、亡命に際して親族にお金を借りてヨーロッパに移住したにも関わらず、無一文で国に引き戻されたと話す人々の多くには、国に帰ってきても家族に顔向けができず、家に戻ることができない人々が多くいることが多く示されていました。

難民の移住に関するトピックは各国政府、国連機関、受入れ国の意向などあらゆる問題が混在していることが分かります。今回の記事では、アフリカに帰還した難民に対するアプローチとして、職業トレーニング機会の提供を行うスタートアップについて紹介された記事でした。

帰還した難民に対する他の国での取り組みを探したところ、国連では何かしらの取り組みがなされているものの、民間企業や市民が、具体的な支援策を講じているようなケースは少ないのではないかと感じました。

今回のガンビアのケースのように、この若い起業家の思いが多くの人に届き、まずは難民の問題が顕在化することを願っています。

関連・参考記事:

  1. Warnings over Gambian migrant returns as democratic transition wobbles – Link
  2. The return of migrants from Europe is causing problems for The Gambia – Link


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