本日は、アフリカのEラーニングに関して書かれた記事を2つピックアップしました。インターネットアクセスの制限によるデジタルデバイドに関する記事、障害のある学生のオンライン学習で直面する課題について書かれた記事となっています。


アフリカ:各国はデジタルデバイドにどう対応するか

記事:Eラーニングはデジタルデバイドで立ち往生している

E-learning is getting stuck in the digital divide

記事リンク:https://www.universityworldnews.com/post.php?story=20210707124818759

内容と背景:

初めに、アフリカのEラーニングについて各国の大学の現状と課題の向き合い方が書かれた記事をピックアップしてご紹介します。

新型コロナウイルスのパンデミックの影響を受けて、世界各国でオンライン学習の重要度は充分に認識されるようになりました。パンデミックの開始から1年以上が経過し、アフリカでもオンラインと対面式の両方を利用するハイブリット形式の教育も進んできているようです。

しかし、この記事ではサハラ以南のアフリカの国々では、学生の82%がインターネットにアクセスできないという状況にあり、学生間のデジタルデバイドが加速しているということが示されています。

そこでこの記事では、「アフリカ各国の大学の現状」「学生のデジタルデバイドにどのように対応しているのか」ということについて、7月5日に開催されたアフリカ大学協会(AAU)の総会で話された内容が下記の通り書かれていました。

カメルーン:政府は国内でのEラーニングを促進するために、大学生に配布する50万台のラップトップを調達。

タンザニア:タンザニアではこの機会を逆手にとって、オープンユニバーシティー(通信制大学)の入学者数が60%も上昇したという報告があった。40か国以上の学生に高等教育へのアクセスを開放し、その学生のほとんどがサハラ以南のアフリカから受講する学生とのこと。

ナイジェリア:大学間の協働イニシアチブにより、オンライン教育と学習のための品質保証ツールガイドを開発。

その他、総会の中でアフリカ大学協会は「インターネットアクセスの低料金化」が必要不可欠であるとの見解を示していました。そのためにはアフリカ政府が多額の投資をしなければならならず、同時にアフリカの大学でEラーニングをサポートするために必要な情報通信技術リソースを導入するにも、強力な予算が必要であるということも述べられていました。

関連・参考記事:

  1. Covid-19 boosts Africa’s e-learning market – Link
  2. ケニアの教育系スタートアップ、放課後活動もオンラインで提供?【Pick-Up! アフリカ Vol. 160:2021年5月10日配信】- Link
  3. ルワンダ:オンライン学習と読み書き学習の継続【Pick-Up! アフリカ Vol. 107:2021年2月15日配信】- Link


南ア:オンライン学習によって障害学生が直面する課題

記事:オンライン学習は障害のある学生にとって難しい場合がある、どのように支援するか

Online learning can be hard for students with disabilities: how to help

記事リンク:https://theconversation.com/online-learning-can-be-hard-for-students-with-disabilities-how-to-help-158650

内容と背景:

次は、大学の閉鎖に伴って、オンラインでの学習が執り行われることにより、障害のある学生(以下、障害学生)が直面している課題について書かれた南アフリカの記事をご紹介します。

新型コロナウイルスのパンデミックにより、各国の大学では緊急にオンライン学習に切り替えるなどの特別な対応を強いられています。記事ではこの変遷の過程で、障害学生の一部はこの対応から除外されてしまっているという事実を投げかけています。

南アフリカの障害学生10名にインタビュー調査を行ったところ、「スタッフが自分たちのニーズを重要視してくれていない」ということや、「オンライン授業により、印刷した資料が手に入らず資料を読むことができない」など様々な課題を抱えていることが明らかになりました。

その他にも、「試験紙の点字変換などのサービスを提供できない」「文字が書かれたテキストを点字に訳したものを図書館から借りることができなくなる」など、視覚障害のある学生の学習の機会が損出されているということが示されていました。

記事では今後の方向性として、教員養成カリキュラムの中に多様な学習者のニーズを理解するための内容に変更する必要があると言及しています。そこで、教師は学習のためのユニバーサルデザイン(Universal Design for Learning (UDL)をカリキュラムに導入し、多様な学習者に対応できるような教師を育成する必要があるということが示されています。

関連・参考記事:

  1. 学習障害、アフリカの場合は?【Pick-Up! アフリカ Vol. 189:2021年7月2日配信】- Link
  2. Universal Design for Learning (UDL): A teacher’s guide – Link


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