世界第8位の国、TikTokとパートナーシップを結ぶ

The eighth natural wonder of the world is getting a partnership with TikTok

記事リンク:

https://qz.com/africa/2053115/kenya-partners-with-tiktok-for-the-wildebeest-crossing/

内容と背景:

続くコロナ禍の渡航制限や各都市でのロックダウンにより、観光産業は大きな打撃を受けています。
そこで本日は、ケニアの観光産業におけるマーケティングについて書かれた記事をピックアップしました。

ケニア政府が観光産業への顧客の流入を目指すために、伝統的なマーケティング戦略を再構築し、ビデオプラットフォームであるTikTokとのパートナーシップを締結する旨を発表したということです。

TikTokの公式サイトでの情報によると(関連記事1)、ケニア観光庁・IFAW(International Fund for Animal Welfare)・コンサベーションインターナショナルの3団体が協同して、8月にTikTok上にヌーの大移動のライブ配信が行われたということが書かれています。
若いZ世代と言われる人々がこのライブ配信を通して、生物多様性や気候変動について考えるきっかけになるだろうということが述べられていました。

今回ご紹介する記事では、このTikTokの話題の他に、アフリカの観光産業についての概要がトピックの大部分を占めていました。

この記事によると、最新の国連世界観光機関は、アフリカに到着する外国人観光客の数が1月以降81%も減少したということが示されています。関連記事2 の記事によると、アフリカ大陸全体での観光産業のGDPへの貢献は約49.2%低下して83億ドルとなり、約720万人を失業に追い込んでいるという内容が示されていました。

観光産業は屈強に立たされている状況ではありますが、この記事の中でケニアの観光野生生物内閣官房長官は、今後のポストコロナ時代の観光業界における持続的な回復のためには、よりラグジュアリーな観光に焦点を当てることが重要であるということを述べています。

そこで今回ケニアでは、「Greatest Safari on Earth:地球上最大のサファリ」と題し、旅行会社のロアアフリカと航空会社であるエミレーツが共同でツアーを主催することが提案されたということです。
この企画では、観光客はケニアでヌーの大移動を体験し、ルワンダでゴリラを見て、ジンバブエのビクトリアフォールズを訪れ、ボツワナのオカバンゴ湿地を体験するというプランが計画されているということです。

ちなみに、New World Wealth in the Africa Wealth Report 2021によると、アフリカのTOPラグジュアリー観光地の中には、ケニアのマサイマラ、ボツワナのオカバンゴ湿地、ルワンダのヴィルンガ山地のゴリラサファリがランクインされているということで、この企画の目的地はどこもラグジュアリーな分類としてプレゼンスを示している観光地であるということが分かります。

余談にはなりますが、かく言うこの記事を書いている私自身は以前、ルワンダのゴリラツアーに参加したことがあります。ルワンダのゴリラツアー関しては、ラグジュアリーなツアーとして高単価で成立する理由が理解できると感じました。

例えば、野生のゴリラが生息するジャングルに足を踏み入れる前には、経験豊富なレンジャーから事前にしっかりとブリーフィングを受けます。「ゴリラと目を合わせてはいけない、」や、「ゴリラがむねを叩くような動作をした時には最大の威嚇を意味しているため、人間はできる限り上体を下げて絶対に抵抗はしないこと」、などたくさんの注意事項を共有されました。

実際にジャングルに入るときはチームで行動し、2.3名のポーターが帯同し、前後左右の安全を守ってくれています。レンジャーは無線で連絡を取り合いながら、ゴリラの家族がいる場所を特定します。ジャングルの藪をなたで切り分けながら歩くレンジャーにツアー客はついて行き、ジャングルで生活するゴリラの家族をそっと観察しました。
自然界で生息するゴリラを観察する経験や、ジャングルに分け入る経験は他では得られないものであると感じます。そのために危険と隣り合わせともいえるアクティビティを無事に成し遂げるための安全管理には、多くのコストがかかるのも当然ではないかと感じました。
少し記事の紹介からは外れましたが、このように高単価でオリジナリティのあるツアーがポストコロナ時代には、観光産業の中で台頭してくるのかもしれません。

アフリカ各国は独自の文化や潤沢な自然を生かして、唯一無二の観光地として世界の観光産業に返り咲くことを期待しています。

関連・参考記事:

  1. Have you ‘Herd’ yet? Kenya’s Great Migration is LIVE on TikTok! – Link
  2. How to revive African tourism after the COVID-19 pandemic – Link
  3. Kenya Tourism Board – Link 
  4. アフリカの観光業とコロナの戦い!【面白記事 Vol. 52: 2020年6月5日配信】- Link


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