こんばんは。

本日もPick-Up! アフリカをご覧いただきありがとうございます。

本日は、アフリカの科学技術研究における課題について書かれた記事をピックアップしました。

アフリカの科学技術の発展には資金面だけではない様々な課題があるようです。具体的な課題に目を向け、その動向について言及している記事になっています。

ぜひ関連記事も併せてご覧ください!


記事:世界はアフリカの科学者の貢献を必要としている

The world needs the contribution of African scientists

記事リンク:https://www.universityworldnews.com/post.php?story=20201015080006769

アフリカは世界の疾病負荷の約20%を担っているとされているものの、その科学的成果は世界のシェアの1%未満にすぎません。これはアフリカ大陸内に優れた科学者・研究者が少ないという事実に起因しています。

本日ご紹介する記事では、アフリカの科学技術研究分野に目を向け、その現状の課題点と今後の可能性について説明しています。

はじめにこの記事では、アフリカの病気と公衆衛生の研究は、アフリカ人自身の死亡率と罹患率を改善するだけでなく、世界中のいたるところに住むアフリカ出身の人々、そして実際には世界のすべての人々に影響を与えるために重要であると述べています 。アフリカ人は世界で最も古く、最も多様なゲノムを表していて、全人口、70億人のホモサピエンスはすべて、アフリカに集合的かつ共通の起源を持っていると言及されています。

現在アフリカには世界に誇れる非営利の研究所であるAfrican Academy of Sciences(アフリカ科学アカデミー)と、the African Union Development Agency (AUDA-NEPAD)のパートナーシップのもと2015年に設立された、the Alliance for Accelerating Excellence in Science in Africa (AESA)があります。

この研究所では、アフリカ諸国における主要な科学インフラストラクチャ、人材、トレーニング、および教育への投資が行われてきました。

その一方で、アフリカの科学者育成にはまだ課題が残っているということも事実です。

この記事では、現状のアフリカ大陸内での科学技術研究の壁についていくつかの項目を言及しています。一つは「科学の植民地化に関する問題」、もう一つは、「研究論文の出版上の問題」です。

この科学技術研究分野における脱植民地化問題は現在でも議論が続いているようです。

関連記事による考察に目を通したところ、2009年の調査では、中央アフリカの研究論文の約80%が、地域外に拠点を置く共同研究者によって作成されたものであったということです。ルワンダを除いて、アフリカ諸国は主に以前の植民者と協力していました。そこで、西洋の人々がアフリカ地域の研究のトピックの舵取りをし、地元の科学者が西洋で追求されているような、広い範囲のトピックを追求することを奨励するのではなく、差し迫った地域の健康関連の問題、特に感染症や熱帯病に関する研究を優先したということです。さらに、別の研究によると、先進国に拠点を置く科学者の60%から70%が、開発途上国の共同研究者を論文の共著者として認めていなかったということもあるようです。現代でもこの師弟関係のようなあり方が問題視され、科学の脱植民地化について議論が続いているということです。(関連記事1. 参照)

もう一つは、この記事で言及されている研究論文出版上の問題です。

アフリカの研究者は西洋の研究者には知られていない機関や研究所から来ることが多いため、査読プロセスに偏りがあり、それがオープンアクセスを公開する上での障壁となっているということです。また、言語と文体の障壁により、質の高い研究がレビューに送られる前に遅延することがあり、最悪の場合、優れた研究が完全に公開されなくなる可能性があります。さらに、開発途上国の潜在的な研究者を標的にすることが多い出版社による盗作被害も問題になっているようです。

このように、この記事やアフリカの科学技術研究に関連する記事に書かれている内容を読んでみると、アフリカの科学技術発展課題の一つには先進国のアフリカへの関わり方にも一因があるように感じられました。アフリカ連合の国々はすべて、それぞれのGDPの1%を研究開発に充てることを目標としているように、アフリカ大陸の国々が独自で科学技術に投資し、研究者の価値を認めて育成することも大切です。しかし、科学技術研究が発展している国は、アフリカに対してどのように関わっていくべきなのか、現在議論がされているこの部分に注目をして、アフリカの今後の科学技術発展へのプロセスについて引き続きみていきたいと思いました。

内容と背景:

関連・参考記事:

  1. Decolonise science – time to end another imperial era – Link
  2. Cancer Scientists Have Ignored African DNA in the Search for Cures – Link
  3. ルワンダ:WHOから称賛を受ける(他、結核ワクチンの開発に関する話題)【Pick-Up! アフリカ Vol. 25 (投稿:2020年11月2日) – Link
  4. ダイバーシティ研究環境実現イニシアティブ – Link

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