皆さん、こんにちは!

昨日水曜日のスタートアップ環境に関する記事を共有します。

近年、アフリカといえばスタートアップ、イノベーションというキーワードが上がってきましたが、実はまだまだ環境的には改善の余地があります。

その中で、イタリアの例に倣い、アフリカではチュニジアとセネガルで2018年と2019年にそれぞれスタートアップ法を制定されました。チュニジアでは早速成果が出ており、それに続く形で、今年はガーナやルワンダ、ケニア、DRCなどでも同様にスタートアップ法を制定しようとする動きが怒っています。

今日の記事ではそのスタートアップ法にどんなことが期待されているのかなどが共有されています。

ぜひ楽しんでください!


スタートアップ法はアフリカにおける政策イノベーションの新しい形

英題:Startup Acts are the next form of policy innovation in Africa

記事リンク:https://www.atlanticcouncil.org/blogs/africasource/startup-acts-are-the-next-form-of-policy-innovation-in-africa/

内容と背景:

これまでアフリカのスタートアップ界隈の事情に関してお伝えしてきましたが、今日は年末ということもありますので、少しまとめ的な記事をお届けします。

これまで、スタートアップ関係では、資金調達、特にVCとの関係性の変化から見える新たな関係性(デゥーディリジェンスの手順の変化など)やCVC、そして国際協力機関(日本ではJICA)の社会課題を解決するインパクトのある取り組みへのサポートの強化、そしてシリコンバレーの企業のピッチイベントやリサーチセンター、アクセラレーションセンターの設立を通したアントレプレナーの育成への取り組みや優秀な人材の確保などという民間からの取り組みと、ルワンダやケニアでのスタートアップ法の制定に向けたステークホルダーなどとの話し合いの開始、そしてケニアからはICT企業に対する、企業のオーナーシップの30%をケニア国籍の人が持たなければいけないことなど、さまざまな面から捉えてきました。

今回の記事では、少しここ最近の振り返りをしつつ、スタートアップ方がもたらし得る影響力を書いた記事を共有します。

さて、記事では先に、コロナ環境下でもスタートアップ企業の成長を中心にテック系の課題解決において躍進があったものの、この25年間で初めての経済成長の後退を経験すると予測されています(マイナス2.1%から、最大マイナス5.1%)。しかし記事では、さらに、昨年(2019年)にはスタートアップ業界への投資額が過去最大を記録したことを引き合いに出し、今年はコロナの影響もありながらも、昨年同時期と比較し、投資額が8%増加しているとも話しています。特にその裏には、コロナ環境下で政府が推奨したオンラインソリューションの採用が大きく、ここ最近では、FinTech系の企業が大きな投資を得ていることも共有されています。

スタートアップ環境に関しては、アメリカや中国、イスラエル、スウェーデン、そしてシンガポールの場合と比較し、少し違った成長をたどっているアフリカのスタートアップ市場に関して触れ、これらの国々ではこの分野に政府が大掛かりな投資を行なった過去があるのと比較し、アフリカではそこに当てることのできる資金が少ないこと、そしてこの分野で活躍するスタートアップに共通するのが彼らの活動する国市場の大きさに依存してしまっていることを指摘しています。(アフリカの人口を見た時、エジプト、ケニア、ナイジェリアが最も人口の多い国の中に出てくるが、彼らは同時にスタートアップなどの分野でも南アフリカを加えて主要4カ国として知られている)

その中で、イタリアで2012年にスタートアップ法が制定されたのを皮切りに、アフリカでもチュニジアが2018年に、そしてセネガルが2019年に同法を制定したことで、スタートアップ法の制定によって経済規模の小さな国でも若手の成長できる環境を作り出そうとする動きがさらに広がっていると書かれています。今年はすでにルワンダやガーナ、そしてDRCなどもその手続きに入っていますが、これまでその流れには入ってこなかったケニアやエチオピアなどアフリカのスタートアップ界隈でより活発な国々も同法の制定に動いていると共有しています。

その大きな理由として、スタートアップやイノベーションとなった時、制度という側面から見た時、はっきりとした指針がないことや、政府に若者が入っていない例を指摘し、これらの言葉や業界の流れを理解していない政治家が制度やレギュレーションを作ることで、若者や起業家の求めるものとは違ったことが行われてしまっていることを指摘し、政治家と起業家との間の信頼関係を形成することが最初のステップとして取り組まれる必要のあることで、その中で新たな枠組みとなるスタートアップ法の制定そしてその動きの中で関係してくる起業家やスタートアップ関係者を含めることが必要になってくるとしています。

そして、チュニジアとセネガルのスタートアップ法に触れ、チュニジアではスタートアップ法制定してから2019年にはその成果として165のスタートアップの登記があり、24のコワーキングスペース、1850万ドルの資金が調達されたことなど、実際に結果が出ていることを共有しています。特に大きな成果としては、スタートアップの成長しやすい環境を作ったことで、これがさらに波及し多くの国々で制定されることで、そもそものビジネス環境の向上(アフリカではMSMEs、そしてインフォーマルセクターが中心なこともあり、彼らを支えるシステムが必要)や、雇用機会の創出など、アフリカの国々が抱える課題の解決にも繋がるのではないかとの期待も共有されています。

スタートアップや起業家の育成だけでなく、その周りにある雇用などの社会課題、ビジネス環境の整備などへの波及効果も期待されているだけに、2020年で法令制定に向けて動き出した国々で2021年にどのような進展があるのか期待したいものです。

引き続き追っていきます。

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関連記事:

  1. 「アフリカのスタートアップが成長するモデルは?【Pick-Up! アフリカ Vol. 15 (投稿:2020年10月21日)】」Link
  2. 「スタートアップ法制定、ケニアも!【Pick-Up! アフリカ Vol. 3 (投稿:2020年10月7日)】」Link
  3. 「スタートアップ企業と投資家の関係《アフリカのスタートアップへの投資の現状と傾向 其の6》【面白記事Vol.148(投稿:2020年9月30日)】」Link
  4. 「ルワンダ政府Startup Act制定に向け動き出し!他、スタートアップの成長しやすい環境作り【面白記事 Vol. 142 投稿(2020年9月23日)】」Link
  5. 「規制局とテクノロジー&イノベーションの良い関係性って?《テクノロジー・イノベーションと政策・規制の関係からみる – 其の2》【面白記事 Vol. 124(2020年9月2日配信)】」Link

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