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本日は気候変動への対処や生物多様性の維持に向けた取り組みとして、世界銀行が主にサヘル地域に位置するアフリカ11カ国を対象に、2025年までの5年間で計50億ドルを投資する新投資計画を発表したという最新ニュースをご紹介しています。

気候変動に関しては先日16日土曜日にも関連する記事を紹介していますので、ぜひ合わせてお読みください。


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記事:「世界銀行がサヘル地域の11カ国に対し、2025年までに50億ドルを投資する見込み」

「World Bank to invest $5 billion in 11 African countries」

記事リンク:

https://www.reuters.com/article/us-world-bank-africa/world-bank-to-invest-5-billion-in-11-african-countries-idUSKBN29G2CG

内容と背景:

本日は気候変動への対処や生物多様性の維持に向けた取り組みとして世界銀行の最新の発表をご紹介いたします。

先週1月11日月曜日にフランスと国連の共催で開催された気候変動への対処と生物多様性の維持に焦点を当てた国際会議One Planet Summitにて、世界銀行は荒廃した景観の回復、農業生産性の向上、また生計の向上を目指し、アフリカ大陸の計11カ国を対象に2025年までの5年間で50億ドル以上の投資を行っていくことを明らかにしました。

発表によると、アフリカ大陸の中でもサハラ砂漠南縁部に広がる半乾燥地帯であるサヘル地域やアフリカ大陸北東部に位置するアフリカの角と呼ばれる地域が対象となり、対象国にはブルキナファソ、チャド、ジブチ、エチオピア、エリトリア、マリ、モーリタニア、ニジェール、ナイジェリア、セネガル、そしてスーダンが含まれるようです。

5年間で50億ドルにも及ぶ資金は、農業、水、コミュニティ開発、食料の安全保障、インフラ、景観回復、また再生可能エネルギーといったセクターでの取り組みに対して投じられる予定となっており、持続可能で回復力のある景観維持を目指す世界銀行のPROGREENファンドにもその内訳として1.450万ドルの資金が追加されるようです。

世界銀行グループのデイビッド・マルパス総裁は今回発表された投資計画に関して、2025年までに生物多様性の損失や気候変動の影響に対処することで対象地域の人々の生計向上に役立つだろうと述べています。

アフリカ大陸の中でも特にサヘル地域は砂漠化と土地劣化に対して最も貧弱な地域の一つであり、気温の上昇は世界平均の約1,5倍の速さで進むだろうと予想されています。マルパス氏は現在この地域の農地の80%が荒廃しており、約3,000万人が食料不足に陥っていると述べ、景観回復や農業生産性の向上に向けた投資がこれらの傾向を緩和するのに重要であることを強調しています。

上述したように半乾燥地帯に位置し、歴史的に砂漠化に悩まされてきたサヘル地域では、土地の荒廃や土壌の劣化が原因で作物や家畜の生産が落ち込み、人々の間の貧困や食料不足が度々問題となってきました。そんななか、昨今のコロナウィルスの発生が地域内での貧困レベルをさらに悪化させているとのデータも出ています。

今回ピックアップした記事によると、サヘル地域ではコロナウィルスの影響により極度の貧困率が数十年ぶりに増加し、昨年2020年には1.5ポイントの上昇を記録したと予想されています。これはサヘル地域で極度の貧困レベルに当たる人が123万人も上昇したことを意味しており、特に気候変動の影響を強く受けるサヘル地域の人々の生計向上は喫緊の課題になってきていると言えます。

気候変動への対処や生物多様性の維持は一国に限った課題ではなく、世界が一体となって取り組まなければならない課題であるだけに、資金力やネットワークのある国際機関がその解決にむけた取り組みを主導するのは重要な動きと言えます。関連記事には世界銀行が景観回復を目指し世界的に実施しているPROGREENプロジェクトの概要を紹介している記事を載せていますので、ぜひ合わせてご覧ください。

関連記事:

  1. 「PROGREEN: The Global Partnership for Sustainable and Resilient Landscapes」Link
  2. アフリカの気候変動への取り組みは?【Pick-Up! アフリカ Vol. 82:2021年1月16日配信】Link
  3. 環境系の取り組みもアフリカではビジネスチャンス!?【面白記事 Vol. 82:2020年7月11日】Link
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