★目次★
こんにちは!Pick-Up!アフリカのAyumiです。
近年、アフリカ各地で若年層を中心としたデモ(抗議運動)が相次いでいます。本記事では、カメルーン、マダガスカル、セネガル、タンザニア、ケニア、モロッコの6カ国を比較し、共通構造と相違点、今後の展望を、筆者の視点から整理します。
比較した6カ国

①セネガル

②ケニア

③モロッコ

④マダガスカル

⑤タンザニア

⑥カメルーン

① アフリカ6カ国のデモ比較一覧
| 国 | 主な時期 | 背景 | 主体 | 主要求 | 特徴 | 結果 |
| セネガル | 2023年6月 | 経済的困窮高い失業率 | 若者・野党支持層 | 選挙延期反対野党指導者の釈放 | SNSを通じた動員政府のデモ弾圧憲法機関の介入 | 選挙を実施し、政権交代→ |
| ケニア | 2024年6月〜8月 | 経済的困窮物価上昇 | 若者(Z世代) | 増税法案反対警察への責任追求・弾圧姿勢の改革現大統領の退陣 | SNSを通じた動員・資金調達政府のデモ鎮圧 | 財政法案撤回部分的な警察の責任追求 |
| モロッコ | 2025年9月〜10月 | 経済的困窮高い失業率社会的不平等 | 若者(Z世代) | 医療・教育制度改革汚職や腐敗の改善 | 匿名性の高いSNSを通じた動員政府のデモ鎮圧 | 部分的な政策改善 |
| マダガスカル | 2025年9末 | 経済格差前大統領の独裁体制 | 若者(Z世代)軍の一部 | インフラ改善大統領の辞任 | SNSを通じた動員軍がデモ支援・権力掌握 | 政権崩壊暫定軍政の樹立 |
| タンザニア | 2025年10月 | 与党の汚職野党党首の投獄、選挙資格剥奪 | 若者(Z世代) | 野党党首の釈放公平な選挙の実施 | SNSを通じた動員一部は暴徒化政府のデモ鎮圧 | 現職の再選・強権的なデモ抑圧 |
| カメルーン | 2025年10月〜11月 | 長年の独裁体制と政治腐敗経済的不平等 | 若者野党支持層 | 公正な選挙現大統領の退陣 | SNSを通じた動員政府のデモ鎮圧 | 体制維持 |
国を超えた共通点
1. 主体は「若年層」
6カ国すべてでZ世代・(都市部) 若者が中心に行われました。
- ・高失業率
- ・生活費高騰
- ・将来不安
- ・政治的閉塞感
人口構造的に若年層比率が高いことが背景の一つとして挙げられるとされています。
2. SNSによる動員構造
- ・X(旧Twitter)
- ・Discord
- ・TikTok
政府による通信遮断、デモ主催側が使うプラットフォームの移行も共通傾向にあるようです。
デジタル空間が「組織の代替」となっていると考えられます。
3. 経済的不満と政治的不信の結合
単なる経済的な困難ではなく、
- ・不透明な選挙
- ・腐敗・汚職
- ・当局による厳しい締めつけ
- ・権力集中
などが複合的に絡んでいたようです。
4. 国家の強硬対応
- ・催涙ガス
- ・実弾発砲
- ・インターネット遮断や情報操作
- ・夜間外出禁止
- ・デモ参加者の拘束・起訴
など、権力や暴力を伴う鎮圧が顕著に見られたことが、各種報道から明らかになっています。
国ごとの相違点
各国のデモの結果を見ると、政治制度の強靭さによって、デモを平和的な形で吸収できたかどうかが左右されているように見えます。
制度の中で不満がある程度処理されてデモが収束した国もありましたが、政治制度の弱さにより当局が力による弾圧に頼らざるを得なかった国や、デモの抑え込みに失敗して政権の失脚に帰結した国もありました。
| 類型 | 国 | 結果 |
| (司法) 制度が機能 | セネガル | 憲法評議会が選挙延期を違憲判断し、選挙実施へと繋がった(デモの成功)。 |
| 制度が比較的機能 | ケニア/モロッコ | 政権を維持しつつも、法案の撤回や政策の改善によりデモを吸収。 |
| 制度ではなく力による鎮圧 | カメルーン/タンザニア | 政府は力による抑え込みを図り、デモの後も強権的な政権は維持。 |
| 脆弱な制度 | マダガスカル | 政府は力による抑え込みを図るも、軍部が権力を掌握し独裁政権を打倒。 |
これからのアフリカのデモで注目すべき点(筆者の主観)
1. デジタル統制と回避の攻防
SNSを通じてデモを動員するケースが一般化し、政府もそれに応じる形でインターネットの遮断を強化した国が数カ国ありました。
政府による情報統制を回避するため、若者はVPNの使用(タンザニア)や、匿名性の高いプラットフォームへの移行(モロッコ)も見られます。
★参考記事★

今後のデモにおいては、一層「情報戦」の側面が重要となってくると考えられます。
2. 経済要因の持続性
デモの背景には、政治的不満(政治的な腐敗や権力集中など、アフリカで典型的に見られてきたもの)に加え、
- ・失業率の高さ
- ・不十分な社会サービス
- 深刻な経済格差
など、短期で解消することが困難な経済問題もあるようです。
各国政府が国民生活の改善に向き合うことができるかも、今後の論点となりそうです。
3. デモの「非イデオロギー化」
従来の政党動員(民主化などのイデオロギーに基づいた連帯)ではなく、
- ・無党派若者の連帯
- ・ネットワーク型連帯
- ・単発テーマ型動員
が主流化してきたように思われます。
まとめ
近年デモが起こったアフリカ6カ国の比較を通して、以下のことがわかりました。
- ★共通点:経済的・政治的不満の混合、政治の若者主体、情報戦の激化、政府の力による鎮圧姿勢
- ★相違点:政治制度の強靭さの違いと、それによる結果の違い
- ★展望:デジタル空間の戦略と、デモの背景となる根本的な社会問題解決の重要性が増す。
今後もアフリカのデモに注目していきたいと思います。

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