こんにちは!Pick-Up!アフリカです。観光や古代文明などで有名なエジプトは、地理・文化的にアフリカの仲間であるイメージを持たれる方は少ないかもしれません。

サブサハラアフリカ諸国とはまた違う色を持つエジプトは、人生で一度はぜひ訪れて欲しい素敵な国です。

今回は、エジプトの基本的な情報や生活事情、経済状況や最近の都市開発計画などをご紹介します!

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エジプトの基本情報

<エジプトの地図>

<基本情報>

国名エジプト・アラブ共和国(Arab Republic of Egypt)
面積約100万平方キロメートル(日本の約2.7倍)
首都カイロ
人口1億1,453万人(中東で最多)(出所:2023年世界銀行)
民族主にアラブ人(その他、少数のヌビア人、アルメニア人、ギリシャ人等)
言語アラビア語、都市部では英語も通用
宗教イスラム教スンニ派(約90%)、キリスト教(約10%。そのうち約90%がコプト派)※参考
時差-6時間

※これらの情報は外務省の国別基礎データから抜粋、修正を加えたものになります。

<エジプトの地理・気候>

アフリカ大陸の北東端に位置するエジプトは、地中海、紅海に面し、リビアとスーダンと国境を接しています。

なんと国土の95%が砂漠で、北部海岸地方(地中海性気候)を除いて砂漠性気候だそうです。

夏季(5月〜10月)には砂漠地帯では気温が40℃を超えることもあるそうです(参考:在エジプト日本国大使館のエジプト基礎情報〜外観)。

しかし冬の12月〜2月には日中は15〜25℃、夜間は10℃と1日の寒暖差が激しくなります

実際、筆者が2024年の3月下旬に薄着(半袖と軽い上着)で行った際、夜が寒すぎて空港泊がとても辛い一夜になった記憶があります。

エジプトを訪れる際は、行く時期や1日の寒暖差を考慮し、柔軟に温度調整ができる服装を選ぶことをおすすめします

首都・カイロ参考

エジプトの首都はカイロ(Cairo)で、エジプトの北東部、世界最大級の三角州・ナイル川デルタの南端に位置しています。

「カイロ」とはアラビア語で「勝利者」という意味で、969年にチュニジアに興ったファーティマ朝がエジプトを占領した際に、将軍ジャウハルがカイロ(勝利の都市)を造ったことが名前の由来とされています。

歴史的にカイロはアラブ世界およびイスラム世界の文化の中心地でした。有名なアズハル大学には、イスラム世界からの留学生が絶えず、グローバルな都市であったことが伺えます。

現在、カイロは古代文明の3大ピラミッドやイスラム建築のモスクなど多様な遺産が残っている他、新たに大エジプト博物館などもできており、観光都市として有名です。

観光については後編で詳しくご紹介しますので、お楽しみに!

インフラ・生活事情

<電気>

エジプトは2016年に電気へのアクセスが100%に到達しました(参考:ケニアは2023年時点で76.2%、南アフリカ共和国は2023年時点で87.7%)(World Bank)。

1人あたりのエネルギー消費量は1.517MWh/人です(参考:日本は7.665MWh/人、南アフリカ共和国は3.398MWh/人)。

エジプトの発電量は、アフリカ大陸全体の2位を占めており(1位は南アフリカ共和国)、天然ガスによる火力発電が主な電源になっています(75.8%)(International Energy Agency)。

エジプト政府は火力発電に依存している現状から脱却するために、2030年までに再生可能エネルギー由来の発電設備容量を42%まで増強するとともに、電力セクターの温室効果ガス排出量を37%削減するという目標を掲げています(国際協力銀行)。

<インターネット普及率>

世界銀行によると、エジプトのインターネット普及率(個人のインターネット使用者率)は2025年6月時点で73%です(参考:日本は87%、ベトナムは78%、ケニアは35%)。

<水道インフラと水不足>

エジプトは上下水道のインフラが老朽化しており、汚染のリスクがあるため水道水をそのまま飲むことはオススメできません外務省)。

国土の95%を砂漠が占めるエジプトでは、年間を通して降水量が非常に少なく、「エジプトはナイルの賜物」と言われる通り、水資源をナイル川に頼ってきました。

1971年に建設されたアスワンハイダムによって、毎夏にナイル川で洪水が起こる際にダム湖に貯水することが可能になり、年間を通して水資源にアクセスできるようになりました。

国として水の安全保障を掲げ、長期的な政策を持っているエジプトですが、近年はナイル川上流に位置するエチオピアが今年7月に建設を完了した新しいダム、グレート・エチオピアン・ルネサンスダム(GERD)の問題などをめぐり、緊張関係が続いていると言われています(日本水土総合研究所)。

<首都・カイロの建物は老朽化>

筆者がカイロを旅した際にとても気になったのが、首都・カイロ中心地の建物の老朽化です。下の写真のように、壊れそうな住宅が目立ちました。

こういった都市インフラの老朽化が目立つエジプトで新たな取り組みが始まっており、下の章で解説していきます。

経済状況と最近のニュース

<エジプトの経済状況>

IMFが2025年4月に発表したGDPランキングによると、エジプトの名目GDPは世界43位の3,473億4200万ドルです。アフリカの中では40位の南アフリカ共和国に次ぐ規模になります(GLOBAL NOTE)。

エジプトの1人当たり名目GDPは、2025年時点で3,570米ドル(世界135位)です(参考)。

※参考:日本は32,498米ドル(世界38位)、南アフリカ共和国は6,332米ドル(世界109位)。

エジプトで国際貧困ライン(1日3ドル未満で暮らす人)を下回っている人口は、2021年時点で1.37%です。しかし、国の定める貧困ラインを下回る人口は、2019年時点で29.7%になるそうです(世界銀行)。

カイロの新行政首都

首都のカイロでは人口増加に伴う渋滞と大気汚染や、生活インフラの老朽化が問題になっており、政府は2016年からカイロの中心地から50キロほど離れた砂漠で「新行政首都」の開発を開始しました。(産経新聞

現在、政府機関の移転は完了しており、アフリカで最も高い建造物・Iconic Towerやアフリカで2番目に大きなスタジアムなども建設されました

カイロから新行政首都を結ぶ無人モノレールといった交通インフラなども着々と準備が進んでいるようです。(参考

この新行政首都の総面積はシンガポールの国土に相当する大きさでしたが、2024年には面積を2倍にするとの方針を打ち出しました(JETRO)。

<医療都市の建設プロジェクト

上記の新行政首都では、国家規模のメディカルシティ計画があり、医療観光の誘致も狙ったエジプト最大規模の医療複合施設を建設する計画だそうです。

この複合施設は約96.6ヘクタール(東京ドーム約21個分)の大きさが想定されており、病床4,200床、18の専門医療機関が建設される予定です(Top 50 Women Forum)。
この計画には、中国が中心的な役割を果たしており、中国の巨大建設企業 CSCEC(China State Construction Engineering Corporation) はエジプト政府とMoUを締結し、建設に貢献しているようです(参考)。

2025年7月時点では、建設の資金調達として10億ドルの融資を確保するために、エジプト政府が中国の金融機関と協議しているとのことです(参考)。

おわりに

今回の前編では、エジプトの基本情報や生活の実態、経済ニュースについてご紹介しました。いかがでしたでしょうか?

後編では、観光や治安、交通手段などエジプト渡航者のためのお役立ち情報や、文化などの側面もご紹介する予定です。

お楽しみに!


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