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こんにちは。Pick-Up!アフリカです。
25年10月12日、アフリカ大陸の南東にある島国のマダガスカルで、アンドリー・ラジョエリナ大統領が国外逃亡したという報道がありました(Yahooニュース)。
<マダガスカルの地図>
デモと軍のクーデターの動向
マダガスカルでは、25年9月25日からZ世代(1990年代後半〜2010年代初頭に生まれた世代)を中心に、反政府デモが起こっていました。
デモの原因として、インフラの欠如(断水や停電など)、政府の腐敗、高等教育へのアクセスの難しさ、貧困(国民の75%を占める)など、行政に対する不満が国民の間に広がっていたそうです。
マダガスカルの軍精鋭部隊CAPSATは、軍兵や憲兵隊などで構成される委員会を組織し、速やかに文民政府を設置する方針を表明しました。
憲法と最高憲法裁判所の権限は停止されており、2年以内に国民投票を実施するとのことです(AP通信)。
なぜ世界中でデモのシンボルにアニメ「ワンピース」が使われるのか?
今回のマダガスカルにおけるデモに限らず、世界中のZ世代による抵抗運動で、日本のアニメ「ONE PIECE」の海賊旗が象徴的に使われているのをご存知でしょうか?
この旗は、インドネシア、フィリピン、ネパールなどアジア地域の抵抗運動で使われ始め、そこからマダガスカル、モロッコ、ローマ、パリなど世界中に広がりました。

「ONE PIECE」は40言語に翻訳されており、1990年代後半〜2010年代初頭に生まれた世界中のZ世代にとって馴染みのあるアニメですが、だた単に馴染み深いがために使われているわけではありません。
France24の記事によると、「ONE PIECE」の物語は、Z世代の掲げる思想を体現しているからこそ、自分たちを鼓舞する象徴として使われているとのことです。
マダガスカルの抵抗運動に参加した医学生のファリ(仮名)は、次のように説明しています。(一部抜粋、意訳あり)
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「ONE PIECE」は、若い主人公が腐敗した支配階級、つまり縁故主義がはびこる抑圧的な政府と戦うという物語になっています。
アニメには、エリート層や政府への批判が散りばめられています。
物語が追うのは、悪党のポジションである海賊。しかし読み進めるうちに、真のいじめっ子は海軍や政府だということが分かります。彼らは人々を助ける善人であるべき存在なのに、実際には腐敗し、自らの利益のみを追求している。真の善人は、民衆のために政府の腐敗したエリート層と戦う海賊たちなのです。
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モロッコにおける抵抗運動「GenZ 212」に参加した若者・ユネス(仮名)も、以下のように述べています。
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『ワンピース』には普遍的なテーマが込められているため、この世代にとって共通言語となっています。主人公のルフィは、まさに抑圧された者たちの守護者を体現しており、その姿はまさに、他者の権利を守るため、他者のために戦うために街頭へ出る抗議者たちと同じなんです。
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このように、Z世代の抵抗運動家たちは、「ONE PIECE」の主人公ルフィと自身を重ね合わせ、海賊旗を振っているようです。
おわりに
今回は、世界中でアニメ「ONE PIECE」の旗が反政府抵抗運動のシンボルとして使われている背景を解説しました。
2010年代の抵抗運動(「アラブの春」、「ウォール街を占拠せよ」など)では、映画「Vフォー・ヴェンデッタ」のガイ・フォークス・マスクが反政府・反権力運動の象徴として使われました。
このように、年代によって象徴は変わっていくものと思われます。次世代のデモではどのようなものが使われるのか、注目していきたいところです。
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