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スキンケアに用いられる植物に富む南アフリカ

South Africa is rich in plants used for skincare: rural women helped us document some

記事リンク:

South Africa is rich in plants used for skincare: rural women helped us document some (theconversation.com)

内容と背景:

化粧品市場は世界規模で着実な成長を遂げています。Allied Market Researchによると、2019年時点の世界の化粧品市場は3800億ドル相当でしたが、2021年から2027年までの期間で5.3%の年平均成長率を記録し、2027年には4635億ドル相当にまで市場規模が拡大されるという予測がされています。

この化粧品業界への関心の高まりはアフリカ地域にも顕著にあらわれています。2018年、中東地域とアフリカ地域を合わせた化粧品市場は270億ドルに達しており、そのうち南アフリカのみで45億ドルも占めていたことが市場調査から明らかになりました。今後期待されているアフリカにおける人口増加や、中流階級の増加、経済発展、女性の権利向上に伴い、化粧品業界はアフリカにおいてもますます伸びていくと想定されています。

増えていく需要に応え、そして激化する競争を勝ち抜くために、最近ではネット販売の加速や、SDGsを考慮した環境にやさしい製品つくり、一人一人の悩みに合ったスキンケアを提供するAI技術の開発が多くの企業で行われています。

そのように時代の流れを汲んだ新たな試みがとられる一方で、アフリカの特に農村部では、伝統的な植物を用いた化粧品や薬品が現在でも人々の間で人気となっています。

植物は古くから香りづけや美化や治癒などのスキンケアのために用いられてきています。南アフリカでは2700万人もの人々が現在もそのような植物の伝統的な薬用利用を生活の一部に取り入んでおり、薬用に用いられる植物は3000種類以上もあるようです。南アフリカに固有である90種類以上の植物は、その商業利用のポテンシャルが評価され期待されています。国内の薬用植物への高いニーズからその経済市場は大きく、国内経済規模は29億ランド(およそ1億7000万ドル)にものぼるとされています。

しかし、南アフリカの機能性化粧品や自然派化粧品に関する知識や慣習は、それほど多くの人には知られていません。そこで、今回ご紹介する記事では、南アフリカのLimpopo州のVhembe地区という、生物多様性に富み伝統的な薬用利用がされる植物も多く存在しているところで、薬用植物に関する知識を持っている女性たちに対して植物の薬用使用についての調査を行った結果が説明されています。

調査の結果、この地域では49の植物が薬用に用いられ、多くは調合薬として使用されていることがわかりました。その中には、出血を止め、傷の治りを早くするなどの効果を持つとされるグアイアクム・アングスティフォリウムやヒマシ油などが含まれています。使用が認められた49種類のうち、半数以上の植物が、その用途をすることができるものだと初めて記録されたものだったそうです。

記事では、そのような土地の人たちだけが知っている薬用植物の商業利用の可能性について示されています。

例えば、調査からの分析結果によると、農村部の女性が植物から化粧品を製造するのに1ランドを投資するごとに、0.28ランドの追加報酬を実現できることがわかりました。原料費のコストが抑えられるため、付加価値をつけることができればさらなる収入をのぞむことができるでしょう。

こうしたビジネスチャンスがみられる一方で、1つの課題が取り上げられています。それは、バイオスペクティングに関するものです。南アフリカには、天然資源の持続可能な利用、生物多様性、伝統的知識、知的財産権の保護を目的とした法律と規制があります。そのため、公平な利益配分と生物資源の持続可能な利用と農村経済への投資強化をすべて満たすために、これらの法や規制を遵守する必要があると指摘されています。

伝統的な薬に関連し、以前Pick-Up! アフリカでは、コロナウイルスへの万能薬として製造されたマダガスカルの伝統的な薬草飲料についての話題をお届けしました。この薬草飲料の原料となっているArtemesia Annua(日本名:クソニンジン)という植物は、中国医学では解熱のために用いられており、マラリア治療のために1970年代にマダガスカルに輸入されたことが使用の始まりだといわれています。だがその後、この薬草飲料を使用したとしてもコロナウイルス感染症が治癒するわけではないということがNIPRD(国立医薬品研究開発研究所)によって正式に発表され、その効果が国際的に否定されることとなりました。この例は、伝統的に用いられていた薬が商業化されたものの、その薬が科学的観点から国際社会に認められることのなかった事例となっています。科学的根拠を拠り所としない伝統的な薬を、科学的根拠を重視するその他の地域で用いることの困難さが明るみになり、とても興味深いトピックだと思います。こちらの記事も、あわせてご覧ください。

関連・参考記事

  1. Cosmetic Packaging Market worth USD 64.61 billion by 2027, registering a CAGR of 5.47% – Report by Market Research Future (MRFR) – Link
  2. African Beauty Market: Africa’s Booming Beauty And Cosmetics Industry – Link
  3. Cosmetics Market – Link
  4. マダガスカル、コロナ特効薬から見えてくるアフリカ諸国の医療実情について。(動画あり)【面白記事 Vol. 53: 2020年6月8日配信】 – Link
  5. 【続報:マダガスカルのコロナ特効薬、効き目なしと発表。面白記事 Vol. 89: 2020年7月20日配信】 – Link

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