★目次★
こんにちは!Pick-Up!アフリカです。
今回は、西アフリカに位置する国「コートジボワール共和国」について紹介します。
どんな国シリーズではアフリカ大陸内の様々な国を紹介しています!
まだご覧になっていない方は、ぜひあわせてご覧ください!
コートジボワールってどこにあるの?
コートジボワール共和国(以下、コートジボワール)は、西アフリカに位置する国で、東にガーナ、西にギニア、南は大西洋に面し、北にブルキナファソとマリという4カ国に囲まれています。
国の南部が海に面していることから、かつて象牙の貿易が盛んに行われており、英語では「Ivory Coast(アイボリーコースト)」と呼ばれています。
コートジボワールの基本情報
| 国名 | コートジボワール共和国(Republic of Côte d’Ivoire) |
| 面積 | 322,436平方キロメートル(日本の約0.9倍) |
| 首都 | ヤムスクロ(Yamoussoukro)(実質的首都機能はアビジャン) |
| 人口 | 3,193万人(2024年 世銀) |
| 民族 | 60以上の民族から構成され、東南部を中心とするアカン系(バウレ、アニ等)、西南部を中心とするクル系(ベテ、ゲレ、ティダ等)、北東部を中心とするボルタ系(セヌフォ、クランゴ、ロビ等)、北西部を中心とするマンデ系(マレンケ、ダン等)に大別される。 |
| 言語 | フランス語(公用語)、各民族語 |
| 宗教 | 伝統宗教2.2%、その他の宗教0.7%、無宗教12.6% (2021年国勢調査、コートジボワール計画・開発省) |
| 時差 | 日本より9時間遅れている |
国旗

オレンジ色は北部のサバンナ地帯、緑色は南部の森林地帯、白色は国民の協調と団結を表わします。
同時に、オレンジ色は繁栄を、緑色は未来への希望を象徴しています。(参考記事)
首都
コートジボワールの首都はヤムスクロです。
1983年、独立後初代大統領ウフェ=ボワニ氏の出身地であることから、アビジャンから遷都されました。
しかし、現在も政府機関や企業の多くはアビジャンに集中しており、実質的な首都機能を担っているのはアビジャンです。日本から訪れる際に利用するであろうコートジボワール最大の空港・フェリックス・ウフエ・ボワニ国際空港もアビジャンに位置しています。
参考:
フェリックス・ウフエ・ボワニ国際空港、どんな空港?就航都市、フライト情報など、利用者ガイド | FlyTeam(フライチーム)
コートジボワールの首都はヤムスクロ!歴史や成り立ちなどを解説 | NEWT(ニュート)
人口
コートジボワールの人口は3,193万人(2024年)で、人口密度は1平方キロメートルあたり約99人と、アフリカ全体の平均(約40人/km²)を大きく上回っています。
2024年の日本の人口密度が330人/㎢であったことと比較すると、1/3以下であることが分かります。(参考記事)

国連事務局経済社会局人口部が発表したデータによりますと、コートジボワールの人口は1950年の約 269万人から2023年の約 3078万人へと10倍以上に増加したことが明らかになっています。今後も人口は増加傾向にあり、2030年には約 3628万人、2050年には約 5524万人、2100年には約1億人に達すると予測されています。

上記のグラフからわかる通り、コートジボワールは若者が多く、高齢者が非常に少ない国です。
0歳~14歳が36.1%、15~64歳が60.9%、65歳以上は3%となっています。
出生率(1年間で1,000人あたり何人子供が生まれるか)のデータによると、コートジボワールは27.5人と世界第35位に位置しており、日本の6.9人と比べると非常に高いことがわかります。
平均寿命は63.2歳のため、65歳以上の人口が極端に少なくなっています。この背景の1つに乳児死亡率(年間の出生1000当たりの生後1年未満の死亡数)の高さがあげられており、出生1000当たり52.5人が亡くなっています。日本が出生1000当たり1.9名であることと比較すると、非常に高い数値であることがわかります。
また、人口の多くは海沿いの南部に集中しています。国内の経済活動の約80%がアビジャンに集まっているため、雇用機会が豊富で、特にアビジャンと首都のヤムスクロに人口が集中する傾向があります。
参考:
Cote d’Ivoire – The World Factbook
Côte d’Ivoire Economic Outlook: The Economy is Still Dynamic, but not Inclusive
気候
コートジボワールは、南部と北部で気候が大きく異なります。南部の沿岸部は高温多湿の熱帯気候で、一年を通して蒸し暑く、雨も多いのが特徴です。一方、北部に行くにつれて乾燥したサバンナ気候となり、遠く北の地域では半乾燥気候になります。
季節は大きく3つ。
・乾季(11月〜3月):比較的涼しく過ごしやすい時期
・暑く乾燥した時期(3月〜5月):一年で最も気温が高くなる季節
・雨季(6月〜10月):スコールのような強い雨が降ることが多い時期
地域によって気温や降水量に差がありますが、年間を通して温暖な気候で、南国らしい自然を感じられます。
参考:
Cote d’Ivoire – The World Factbook
言語
コートジボワールの公用語はフランス語ですが、約60個の言語が共存し、使用されているとのことです。公用語がフランス語なのは、1960年までフランスの植民地であったことに由来します。
フランス語の次に多く使用されている言語はジュラ語であり、西アフリカで広く話されている言語の一つで、商人が使う言語として古くから使用されてきました。
参考:
Côte d’Ivoire Languages, Literacy, & Maps (CI) | Ethnologue Free
ジュラ語とは? 意味をやさしく解説 – サードペディア百科事典
宗教
コートジボワールでは、多様な宗教が信仰されています。イスラム教やキリスト教といった国際的に広く信仰されている宗教のほか、各民族に根付いた土着の宗教も存在します。
2021年時点では、イスラム教徒が約42.5%、キリスト教徒が約39.8%を占めており、国民の大多数をこの二つの宗教が占めています。その他の人々は、民族ごとの伝統的な宗教を信仰していることが多いとのことです。
憲法では宗教の自由が保障されていますが、イスラム教徒とキリスト教徒の間で事件が発生することもあります。これは、過去の内戦や宗教の政治的利用が背景にあるとされています。
2002年から2011年にかけて続いた内戦では、主にイスラム教徒の多い北部勢力と、キリスト教徒の多い南部勢力が対立しました。この内戦は宗教同士の戦いではなかったものの、宗教的・地域的な分断が深まり、現在も一部ではイスラム教や伝統宗教に対する差別が残っているといわれています。
参考:
米国国務省レポート コートジボワール 各国の宗教の自由に関するレポート 2007 民衆主義・人権
2023 Report on International Religious Freedom: Côte d’Ivoire
観光
コートジボワールでは、美しい宗教的建物や植民地時代の歴史を感じられる街並みなど、文化に触れられる観光地がたくさんあります。
1. アビジャン(Abidjan)
・聖ポール大聖堂(St. Paul’s Cathedral)

ユニークな形の大聖堂でアビジャン観光の代表地。
・グランドモスク(La Grande Mosquée du Plateau)
青色のドームが特徴的なモスクで、観光地としてだけではなく地元の方々のお祈りの場としても使われています。イスラム教徒が多いことから、1996年に建設が開始されましたが、資金不足のため1999年に建設が中止され、現在でも完成には至っていません。
2. ヤムスクロ(Yamoussoukro)
・平和の聖母聖堂(Basilica of Our Lady of Peace)
面積3万平方メートル、高さ158メートルの非常に大きな宗教的建築物です。1983年に建てられた比較的新しい建物で、ローマのサンピエトロ大聖堂に似た美しい建物です。その面積と大きさは大聖堂の中で世界最大を誇り、1989年にはギネス記録に認定されています。
3.コモエ国立公園(ComoeNational Park)
コートジボワールの北東部にある面積11,500平方kmの西アフリカ最大の国立公園。世界遺産にも認定されています。
(2025年現在北、東部は渡航禁止区域となっています。渡航の際には外務省のHPから最新情報をご確認ください。)
4.グラン・バッサム歴史都市(Grand-Bassam)
フランス植民地時代に築かれた歴史的な町並みが残る地域。2012年にはUnesco世界文化遺産に認定されています。
5.マンの滝(Cascade de Man)
コートジボワールの西部に位置するマンという地域にある滝。地元の人々も多く集まるスポットで、山の中で自然をたっぷり楽しむことができます。
この他にも、ギニア湾の美しいビーチや現地の生活を感じられるローカルマーケットなど見どころはたくさん!訪れた際にはぜひ、コートジボワールの文化・自然・歴史をお楽しみください。
参考:
Basilica of Our Lady of Peace – Wikipedia
【2025年最新】コートジボワールの世界遺産まとめと訪問のコツ | NEWT(ニュート)
2025年 コートジボワールで絶対外さないおすすめ観光スポットトップ10
コートジボワールの大自然と歴史をまるごと楽しむ9つの観光スポット
コートジボワールの秘境!大自然に包まれたマンの絶景を探る|感動体験レポ – 地球人
歴史
現在の国土には古くからアカン系、マンデ系、クル系などの様々な民族が定住していました。王国15世紀頃から象牙を求めるヨーロッパの商人たちが押し寄せてきました。
19世紀後半になると、フランスが西アフリカ一帯に進出し、1893年にコートジボワールは正式にフランス領となりました。植民地時代にはカカオやコーヒーの農園開発が進み、これが後に同国の主要産業へと発展していきます。
第二次世界大戦後、独立を求める動きが強まり、1960年にフランスから独立。独立後はフェリックス・ウフェ=ボワニ初代大統領が長期政権を担い、「西アフリカの安定国家」として比較的安定した経済成長を実現しました。
しかし2000年代に入ると、政治的対立や民族間の緊張が高まり、2002年には北部と南部に分かれる内戦が発生。その後、和平に向けた努力が続いたものの、2010年の大統領選挙をめぐって再び深刻な対立が起こり、2011年にようやく終結しました。
2010年代後半以降は政治的安定を取り戻し、経済成長が続いています。現在ではアフリカでも有数の経済成長国となり、農業・インフラ開発・都市化を中心に発展を続けています。
参考:
コートジボワール共和国について | コープデリグループのサステナビリティサイト
History of Côte d’Ivoire | Events, People, Dates, Maps, & Facts | Britannica
スポーツ
コートジボワールといえばサッカーで名前を知っている方も多いのではないでしょうか。
サッカー大国のコートジボワールは、世界で活躍する選手を多く輩出しており、2026年のW杯出場を決めています。
プレミアリーグの得点王にもなったディディエ・ドログバ選手は、コートジボワールのアビジャン出身です。幼い頃からフランスに移住していたものの、母国であるコートジボワール代表として活躍し続けました。
コートジボワールの有名選手に関してはこちらの記事で詳しく説明しています!
参考:
Ivory Coast Makes History: Returns to the World Cup After 12 Years Away | beIN SPORTS
治安
外務省の海外安全ホームページによると、2025年11月13日現在、西部と北部の一部は危険レベル2「不要不急の渡航中止」、北部は危険レベル3「渡航中止勧告」となっており、それ以外の大部分は危険レベル1「十分注意」に指定されています。
マリ及びブルキナファソでの武装集団の活動により、治安の悪化が進んでおり、コモエ国立公園を含む北部は非常に危険となっています。また、武装集団の南下が進んでおり、レベル3以外の地域でもテロに巻き込まれる可能性があるため、現地の最新情報を常にチェックするなど、十分な注意が必要です。
南部では、比較的治安は安定していますが、強盗や窃盗といった一般犯罪が多く報告されているため十分注意が必要です。
渡航の際は、自身の持ち物管理を徹底し、夜間の単独行動を避けるとともに、現地住民から危険地域の情報を得るなど、慎重な安全対策を講じることが重要です。
参考:
親日性
日本は、1960年8月7日の独立と同時に同国を承認し、1964年に在コートジボワール大使館が開館、1969年に在日大使館が開館しています。
日本はコートジボワールを西アフリカにおける重要国の一つとして認識しており、コートジボワールの要人も親日性を示しているなど、両国の関係は良好です。
参考:
経済
コートジボワールのGDPは2024年時点で865.4億米ドルとされ、アフリカ全体で第9位、西アフリカでは第2位に位置しています。国として経済成長に力を入れており、新型コロナウイルスの影響を受けた2020年を除けば、毎年およそ6%以上の成長率を維持しています。
GDPの約20%を占める基幹産業は農業で、国民の約50%が農業に従事しています。中でもカカオは最も重要な作物で、輸出品目として常に上位に入る主要産業です。
また、1993年にバオバブ石油・ガス鉱区で原油生産が始まって以降、油・ガス関連産業も発展しており、近年では鉱物燃料や石油製品がカカオと並ぶ主要輸出品となっています。
参考:
インフラ
水について
コートジボワールの飲料水へのアクセスは、2022年時点で都市部が86.2%であるのに対し、地方部は58%と大きな地域差があります。南部には比較的豊富な水資源がある一方、北部では水へのアクセスが限られている地域も多いと言われています。
人口増加や経済成長に伴って水需要は拡大していますが、水資源は減少傾向にあります。主な原因としては、気候変動による水量の減少や、人為的な水質汚染が挙げられています。
なお、水道水は飲用には適していないため、滞在時にはミネラルウォーターを購入することをおすすめします。
電気について
コートジボワールの電化率は約87%とアフリカ大陸内では比較的高いと言われています。
同国政府は、地方を中心とした電力インフラの整備のために大規模な投資を行っており、2025年までに人口500人以上のすべての地域を電化する計画とのことです。一方、ロシアのウクライナ侵攻などの影響から発電コストの高騰が相次いでおり、2024年1月1日からすべての電気使用契約者に対して一律10%の値上げを行うなど電力価格の高騰により、市民の生活を圧迫しているとのことです。
通貨について
コートジボワールではユーロと固定レートで連動する単一通貨CFAフラン(セーファーフラン)が使用されています。CFAフランに関しては、同じく西アフリカの国であるベナンを紹介する記事で詳しく解説しているので、そちらをご覧ください。
参考:
Water / Côte d’Ivoire | Interactive Country Fiches
1月1日から電気料金を一律10%値上げ(コートジボワール) | ビジネス短信 ―ジェトロの海外ニュース
終わりに
いかがでしたでしょうか。どんな国シリーズでは、アフリカ大陸内各国の情報をまとめています。国の情報をまとめて知りたい方はぜひご覧ください!
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