水曜日→「テクノロジー」、「イノベーション」、「スタートアップ」。 土曜日→「ビジネス環境」、「地域経済」。 それぞれを取り巻く環境に関連する記事を担当。 Twitter: @samuelima18

みなさん、こんにちは。

これまでは探してきた面白そうな記事を共有する際に、背景を少し説明したり、過去の記事との繋がりを少し説明したりと言った程度でしたが、これからはコラムのようなもの書いていこうと思います。

取り扱う内容はそれぞれその週のまとめだったり、あるいは運営側の普段の会話の中で出てきたことなどになると思います。ただ、読んでいただいている皆さんが「実際どうなの?」とか、「どんなつながりがあるの?」など普段知りたい、疑問に思っていることに少しでも答えられるものにできればと思います。

こちらのシリーズも是非楽しんでください。

さて、最初は「アフリカ」と題し、普段日本に住んでいて一つの国のように扱われがちな、54カ国、沢山の民族、言語が混在する「アフリカ大陸」の統一への動きに関して書きたいと思います。


AfCFTAと略される、Africa Continental Free Trade Agreement、日本語では、アフリカ大陸自由貿易圏と言われる、大陸内にある各国や地域経済圏などでの経済活動をアフリカ大陸に拡げ、これまで、アジア、アメリカ、ヨーロッパなど様々な地域に頼ってきた経済活動(特に物流、製造)で、受け取る側としてのアフリカでなく、発信するアフリカになっていこうという動きがその中心にあります。

ヨーロッパ内での貿易は全貿易の63.4%、アジアでは55.1%(JETROより参照)と、それぞれ全貿易の半分以上を大陸内で行っています。対してアフリカ大陸では記事によって結構その割合は違うのですが、10〜20%と考えられます。農業従事者の割合や郊外あるいは過疎地域に住む国民の割合が60%以上を占め、また貧困層が現在大多数を占め、これから中所得階級の割合の増加に従って経済規模が成長することが予測されるアフリカ大陸は、大陸外の企業・諸国にとっても美味しいマーケットですが、大陸内でビジネスを行っている方々にとっても同様に美味しいマーケットです。アフリカ大陸自由貿易圏下では、12億人の経済圏隣ため、2022年までにこの低い大陸内貿易の割合が52%になるのではと予測されています。

このアフリカを一つのマーケットとして考えるという動きは実は、アフリカ連合設立前にアフリカ大陸内であった、それまでの西洋への依存の度合いを低くし、発展のためにアフリカ諸国内での協力関係や、統一に向けて働いていくことを主な活動目的としていたOrganization of African Union(OAU:アフリカ統一機構)の持っていたアイデアの中にもあったのです。これが1960年代でした。そして、1991年に採択され、1994年に発行されたアブジャ条約の中に2019年までに統一経済圏を作ることや、2028年までに統一通かを作ることなどが盛り込まれていたところにまで遡るのです。そして2003年のアフリカ連合の設立から、さらにこのアイディアは加速し、2018年3月にキガリで行われたアフリカ連合の首脳会合で、アフリカ大陸自由貿易圏、キガリ宣言、そして人の移動の自由に関する議定書の3つの合意文書それぞれに44か国、47か国、30か国が調印したところで大きく動きはじめたと言えます。その際に、アフリカ大陸自由貿易圏に関しては、調印のさらに先に、22か国の承認を必要としており、その承認なしには実際の施行ができないようになっていました。そして、必要となる22か国の承認が2019年5月に取り付けられたため、実際の施行に今移っており、今年の1月には委員会も設立され、彼らを中心に今様々な調整が行われている状態です。今年の7月にはこれまで多くの合意に至ったものが実際にインプリメンとされる予定でしたが、コロナの影響もあり、延期されています。最近では、コロナの影響を受けている今だからこそ実際に始めるべきではないのか?という声なども多いというのが現状です。

人の移動の自由なども入っているように、イメージとしてはEUのような仕組みになることが大きな目標になるのではないでしょうか?実際に共通のパスポートの発行に向けての動きもありますし、東西アフリカでは、それぞれ統一通貨に向けた動きも見られています。何度も延期になるなど先が見えないところもありますが、大陸が広すぎる分、小地域に分け、それをアフリカ全体に広めるという動きをとっている感じでしょうか。

そして、今回発表された「AfCFTA YEAR ZERO REPORT」レポートでは、それぞれの国がどこまで準備ができているのか、大陸としてどこまで準備できているのか、そして今後の展開などを書いており、これからのアフリカ大陸の動向を知るという意味でも楽しく読めるのではないかと思います。

アフリカ大陸としては、コミットメントは44.48%、準備率49.15%と、コロナの影響もあるのか両方とも引くいい数字を記録しており、コロナ対策中心の動きが終わった後にフルスロットルで全ての国が取り組めるのか心配なところはあります。また、アフリカ最大の経済大国である、南アフリカやナイジェリアの参加に関しても心配なところはありましたが、こちらに関しては、ナイジェリア国内で大きな議論になっているようで、今後の展開がどうなるのかも一つの注目点です(南アフリカも当初は消極的でしたが、2019年2月に承認済み)。

国として、どれほどコミットしているのか、そして実際に法整備などをどこまでアフリカ大陸自由貿易圏に合わせてきているのか、そして、貿易インフラの状況をランク付しており、それらの偏り(TOP10に東西南北中央アフリカのそれぞれの国入り方)から、アフリカの情勢が見えてきます。

こちらのページでも引き続きアフリカ大陸自由貿易圏に関しての情報もたびたび皆さんにお伝えできればと思います。最近では特に面白記事v.14、24、35、38などでも取り扱っていますので、是非合わせて読んでみてください。そしてこちらにもいくつか面白そうな記事を載せますので、合わせてお楽しみください。

冒頭にも書いたように、「アフリカ」は面積的にも広く、民族や文化面ではとても多様な大陸として、多くの類似点がありながらも、一つのところでの成功がもう一つの国での成功を約束してくれるわけではなかったです。これはもちろんこれからも同じかもしれませんが、アフリカ大陸自由貿易圏が実際に動きはじめ、それぞれの政府が、民間部門がそれに沿った動きをすることで、一つの柱ができるのではないでしょうか。

そうなることで、ビジネス面では、それぞれの国の間での関税や法的なところでの違いによって2度足をふまされることが減り、アフリカビジネスを行う人たちにとっては良い環境が生まれるのではないかと思っています。

また、文化的にも共通項ができることで、多様性にもさらに磨きがかかるのではないでしょうか?今はなんとなく行われていることでも、より意識的に取り組まれるというか、人のものとの関係性の構築がよりはっきりと、そして今よりもさらに内容肉厚な形でアフリカの文化がアフリカ外にも発信され、精度、インパクトの高いものが私たちの元に届けられるのではないかと期待しています。

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  2. 「African Continental Free Trade Area – Questions & Answers」Link
  3. 「Figures of the week: With AfCFTA officially in force, Africa is now the largest free trade area」Link
  4. 「総論:アフリカ大陸自由貿易圏(AfCFTA)設立協定が発効、運用開始に向けて前進」Link
  5. 「African Continental Free Trade Area (AfCFTA) Legal Texts and Policy Documents」Link
  6. 「AfCFTA YEAR ZERO REPORT」Link


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