題:カタールW杯開幕!|スマートフォンが導く、アフリカスポーツ産業の未来

訳 : 寄稿|アフリカは新たなスポーツOTT市場へ、モバイルデバイスがカギを握る

英題:‘Opinion | Africa is the new frontier for sports OTT and mobile is the gateway

記事リンク:https://www.sportspromedia.com/opinions/sports-ott-mobile-streaming-africa-mnos-pm-connect/   

キーワード:スポーツ ストリーミング配信 スマートフォン OTT

こんばんは!Pick-up!アフリカです。いつも記事をご覧いただき、ありがとうございます。

さて本日は、アフリカのスポーツとスマートフォンに関連した、スポーツの中継配信ビジネスについてのニュースをお届けします。

本記事の編集時点で、現在世界ではサッカーのワールドカップがカタールで開催されており、連日ワールドカップの話題が世間を賑わせております。アフリカの国々では、グループステージ終了時点でセネガル、モロッコの2か国がベスト16に進出しているほか、モロッコ、チュニジア、カメルーンがそれぞれ優勝候補のベルギー、フランス、ブラジルチームを打ち負かすなど、世界に大きな驚きを与えています。

今回のような世界大会での躍進や、世界的な有名チームでのアフリカ出身選手の活躍もあいまって、近年アフリカ各国では、プロスポーツ熱がかなり高まっているようです。

またアフリカのスポーツ産業はこのような各スポーツの競技レベルの向上に加え、スマートフォンの普及によって、新たなステージへと移行しつつあるようです。

近年のアフリカにおけるスマートフォンの普及拡大は、インターネット・通信産業のみならず、農業分野医療分野と融合することでイノベーションを創出し、お互いの市場に良い相乗効果を与えています。

これはスポーツ・エンタメ産業においても同様で、以前私たちのこちらの記事でご紹介したように、AfCFTAの成立により、今後これまで以上にこれらのコンテンツの消費が盛んになっていくことが予想されています。

さて、このような社会的な背景を踏まえて、本記事ではスポーツ中継に代表されるスポーツのストリーミング配信市場の大きな可能性についてご紹介します。

引用元の記事では、アフリカのOTT(over the top)市場、いわゆるインターネットを経由したスポーツ中継や映画などのストリーミング配信ビジネスが注目を集めていると紹介されています。

スポーツ産業とOTT市場は非常に相性が良く、元記事の掲載元メディアが作成したこちらのレポートによると、世界のスポーツ産業におけるOTT市場の市場価値は2024年までに850億ドルに昇ると試算されています。

では、アフリカ各国のスポーツOTT市場は今後どのように伸びていくと予想されているのでしょうか?

アフリカでは現在、急速な勢いでモバイルデバイスの利用が拡大しています。GSMAが今年発表したレポートによると、2022年時点でサブサハラアフリカの総人口の約40%がスマートフォンなどのモバイルデバイスを所持、2025年までには全人口の50%にスマートフォンが普及すると見られています。この数字は、人口にしておよそ6億1300万人約1540億ドルの市場価値に相当しており、その規模の大きさが伺えます。

また通信回線の質についても、さらなる改善が見込まれています。2022年現在では3G回線の利用者が全体の50%以上を占めているものの、2022年をピークとして3G回線の利用者数は減少を開始、2025年までには利用者の3分の1以上が4G回線へアクセス可能となり、4100万人が5G回線を利用していることが推定されています。

アフリカのOTT市場に大きな期待が寄せられる主要因の一つとして、TVの普及率をモバイルデバイスの普及率が上回っていることが挙げられるでしょう。引用元記事によると、アフリカの各世帯におけるTVの普及率は50%を下回っており、この数字はモバイルデバイスのそれを大きく下回っています。こちらのレポートによると、TVの有料放送(衛星放送など)のサブスクリプション登録者は2027年までに約4500万人に到達すると予想されるのに対し、OTTのサブスクリプション登録者は2025年までに6億1300万人に昇ると見られています。

一方でこの白熱するアフリカスポーツOTT市場において、現在ボトルネックとなっているのが、金融システムへのアクセスの低さです。

こちらの記事によると、アフリカ全土で市民のクレジットカード所有率は5%を下回っており、アフリカ諸国で最も銀行が多い南アフリカですらも、その数字は15%程度であると記されています。このような状況下で如何にして潜在的な消費者の元にストリーミングサービスを提供するか、またマネタイズしていくのかという点がこの先のこの市場におけるキーファクターとなります。

そこで近年多く用いられているのが、携帯電話料金の支払い体系を利用した方法です。

日本での携帯料金の支払いは銀行口座からの引き落としが一般的であるのに対し、アフリカでは、プリペイド式のSIMカードの購入が広く浸透しています。

記事によると、アフリカにおいて近年スマートフォンなどのモバイルデバイスは、市場での電子決済やdirect carrier billing(DCB) と呼ばれるオンライン決済に多く用いられています。この方法は、消費者がSIMカードを購入する際に、通信量に追加してストリーミングサービスのサブスクリプションの料金や、SIMカード内にチャージされる電子通貨のチャージ代金を支払います。

この支払方法では、クレジットカードや銀行口座との紐づけを必要としないため、誰でも簡単にインターネットコンテンツにアクセスすることが可能であるほか、高い安全性が確保されています。

それらの利点に加えて、消費者はその月々、あるいは週ごと・日ごとに支払いを調節することが簡単にできるため、その時の経済状況に合わせて支払いを調節できるという点もアフリカの人々にとっては大きなメリットであると言えます。

現時点のアフリカにおいて、このようなモバイル機器を使ったストリーミング配信サービスの流通はまだ始まったばかりですが、すでにNBAが試合中継のストリーミング配信をアフリカで開始するなど、アフリカにおいてスポーツ中継が一般的になるまでそう長くはかからないでしょう。

近年目覚ましい経済発展を続けているアフリカ各国ですが、スポーツの世界においてもその中心に躍り出る時が近いのかもしれません。

Pick-Up!アフリカでは、これからもアフリカのスポーツ産業、デジタル産業をはじめとして、新たなビジネスニュースが入り次第、記事にしてお届けいたします。

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