記事リンク:

https://www.voanews.com/a/cameroon-begins-mass-covid-19-tests-to-encourage-football-turnout-/6399014.html

英題:Cameroon Begins Mass COVID-19 Tests to Encourage Football Turnout

題:カメルーンがサッカーの観光客数の増加を目的に大規模なワクチンテストを導入

内容と背景:

こんにちは!Pick-Up!アフリカをご覧いただきありがとうございます。

本日は、カメルーンで開催されたAFCONにおけるコロナ対策についての記事をご紹介します。

AFCON(アフリカネイションズカップ)は、アフリカサッカー連盟(CAF)が2年に1度主催する、ナショナルチームによるサッカーの大陸選手権大会です。本大会はカメルーンを開催国として2022年1月8日から2月6日まで行われ、アフリカ大陸の24か国が参加しました。

今大会ではオミクロン株の流行にも関わらず、観客をスタジアムに入れる判断が取られたために感染拡大の可能性がありましたが、カメルーンは観客に対して厳しいコロナ措置を取ることで、そのリスクを最小限にするとともに、ワクチンを国民に普及させることを目指しました。

具体的には、カメルーン政府がCAFとの規定により、スタジアムで観戦する観客に対して、観戦前の72時間以内に受けたPCR検査の陰性結果、または24時間以内に受けた迅速抗原検査の陰性結果と2回のワクチン接種証明書の提出を義務付けました。12月31日の時点で、カメルーンで一回以上ワクチンを受けたことがある人口の割合は3.06%である(参考資料1)ことを鑑みるとこの措置は厳しい物だと言えますが、試合に来る人々に対してワクチン接種を強制できるため、カメルーン国内でのワクチン普及率の向上に繋がることが期待されていました。

しかしながら、現実にはこうした措置やワクチンに対する不信感のために、多くの人々がスタジアムに訪れることはありませんでした。実際に今回の記事では1月9日の試合において、6万人が収容できるドゥアラのスタジアムには15000人のみが集まり、2万人収容できる他のスタジアムでは3000人しか集まらなかったことが紹介されています。

この状況への対策として、政府は上記の観戦条件を満たした人にスタジアムまでの運賃を提供したり、学校やオフィスを早退する権利を与え、観客とワクチン接種の増加を促進しようと試みました。

しかしながら、同時期にAFCONの失敗を目論む反政府グループがスタジアム付近で軍事活動を活発化させたために、新しい制度が導入されたにも関わらず観客が減る結果となってしまいました。実際にこの時期の試合で2万人収容のスタジアムに300人しか集まらなかったことが紹介されているように、大幅な観戦者数の低下が見られました。

また、この一連の流れの中でAFCONはワクチン接種率の向上に大きく貢献することはなく、実際に先ほどのデータでは、12月31日から2月4日にかけて、カメルーンでのワクチン接種率は0.02%しか上昇していないことが伝えられています。

このように、AFCONでのコロナウイルス感染のリスクは抑えることが出来た一方で、カメルーン政府にとってのもう一つの目標であったコロナワクチンの普及はほとんど達成することが出来なかったようです。また他の地域でもAFCONに乗じたワクチン接種の取り組みが行われており、こちらの記事では、コートジボワールがAFCONを観戦しに行く国民に対してワクチン接種を徹底したことが紹介されていますが、開催地のカメルーンにおいて接種率上昇の効果があまりなかったことを鑑みると、その効力には疑問が残るところです。

またこの件について新しい情報が入りましたら、Pick-Up!アフリカでお伝えさせていただきます。

参考記事、資料:

1.Our World in Data-Coronavirus (COVID-19) Vaccinations-Link

2.How Cameroon is making the Africa Cup of Nations COVID-safe-Link

3.Authorities in Ivory Coast use AFCON to boost vaccination-Link

4.アフリカ諸国が直面するワクチン供給の課題とは【Pick-Up! アフリカ Vol. 194:2021年7月12日配信】-Link


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