元記事

こんにちは!Pick-Up! アフリカです。本日は、外交シリーズの第2弾、中国とアフリカの関係性についてお届けします。

中国とアフリカの関係といえば、天然資源の貿易・投資、莫大な債務などのイメージが湧くのではないでしょうか。実は最近、中国は進出分野の多様化に力を入れています。

その一つに、アフリカからより多くの農産物を輸入する動きが見られます。今回はその現状、背景についてご紹介します。

第一弾も合わせてご覧ください↓↓

中国のアフリカからの食品輸入の現状

元記事によると、アフリカ大陸から上海港に輸送された食品は、今年1〜2月だけで5万トン=1億米ドル相当であったとのことです。主な品目は、アボカド・カシューナッツ・ゴマ・チリペッパー・フルーツです。例えば、ゴマの輸入量は昨年の同時期と比べ4.3倍になっているそうです。

実は、中国はアフリカにとって2番目の農作物の輸出先になっているのです(一位はEU)。データで見ると、2017年〜2021年の5年間において、アフリカからの農産物輸入額は毎年約11%の成長率で伸びているそうです。(参考記事

中国が農業分野にフォーカスし始めた背景

天然資源やインフラなどに力を入れてきた中国は、なぜ農業分野に目を向けるようになったのでしょうか?

主な理由として、以下の4つがあります。

・西欧諸国から言われ続けてきた、「中国はアフリカの資源ばかり輸入している」という批判に応えるため

・ハードインフラだけに投資することが今や通用しなくなったため

・アフリカは世界の耕作可能な地の60%を占めており、食料安全保障にとって大きなポテンシャルがあるものの、農業の機械化や十分な投資が行われていない現状があるため

・農業へ力を入れることはアフリカ・中国の双方にとってwin-winであるため(貧困削減を目指すアフリカ・耕作可能な地が減少している中国の双方にとって食糧安全保障に繋がる・アフリカの経済成長が見込めるため)

農業分野における中国・アフリカ間の取り組み

中国・アフリカ協力フォーラム(FOCAC)

中国とアフリカの協力関係や進出分野における方針は、3年に一回開催される中国・アフリカ協力フォーラム(FOCAC)で方向づけられます。そしてこのFOCACでは、2015年から農産物貿易が重視されました。

特に2018年のFOCACでは、アフリカの14カ国と25品目を対象とした貿易を開始しました。そして一番直近の2021年に開催された第8回FOCACでは、さらに以下の内容が追加されました。

・アフリカの農作物輸入の際にグリーンレーン(現物審査を省略することで迅速に輸入品を届けられる制度)を設置すること

・関税のさらなる削減を行うこと

・2025年までに輸入額を3000億ドルにすること

こちらの過去記事でも、2021年のFOCACについてご紹介していますのでぜひご覧ください。

関税の撤廃

近年、中国は後発開発途上国との関税撤廃を始めました。

2022年にはアフリカの12カ国(ルワンダ、タンザニア、ブルキナファソ、ジブチなど)に対して、2023年2月には新たに3カ国(ブルンジ、エチオピア、ニジェール)に対して、98%の関税を撤廃しました。(参考記事①参考記事②

対象の品目にはココアパウダー、ナッツ、オリーブオイルなどの農産物も含まれています。今後中国は全ての後発開発途上国との貿易に関する関税の撤廃を目指し、段階的に行っていくようです。

共同研究・人材育成

中国アフリカ間の農業協力の中でも、訓練・研究・技術面が強調されています。

中国は農業専門家をアフリカの国々に派遣したり、ATDCs(agricultural technology demonstration centers)と呼ばれる機関をアフリカに設置したりしています。

ATDCsでは、サブサハラアフリカの食料自給率を上げるため、中国の企業・農業関連機関によって中国の技術や栽培方法が共有されています。

中国の人材育成に関してはこちらの記事で詳しくご紹介していますので、ぜひご覧下さい。

まとめ

今回は、中国とアフリカの関係性において近年注目されている農業分野に関して見てみました。アフリカとの農業面の関係が今後どのように変化するのでしょうか。

今後、アフリカ外交シリーズでは、世界の国々とアフリカの分野ごとの関わりや、アフリカをめぐる大国関係など、様々なトピックについてご紹介していく予定です。第三弾もお楽しみに!!

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