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こんにちは!Pick-Up! アフリカです。

豊富な鉱物資源で知られるアフリカですが、原油にも恵まれています。中東情勢の悪化によって原油の安定供給への関心が高まるなか、アフリカは中東への依存を減らす供給源になれるのでしょうか?

今回は、原油の埋蔵量・生産量ランキングと、主要産油国の事情から、その可能性と課題を見ていきます。

原油価格推移のグラフ

不安定になっている原油価格推移

アフリカの鉱物資源について詳しくはこちら。

アフリカの原油埋蔵量ランキング

まず、アフリカにはどれほどの原油があるのでしょうか。

以下は、OPEC(石油輸出機構)が公表しているレポートを参考に作成した2024年末時点の「確認原油埋蔵量」のランキングです。これは、現在の技術や経済条件のもとで回収できると合理的に見込まれる量で、地下にある原油の総量とは異なります。

順位国確認原油埋蔵量(億バレル)
1リビア483.63
2ナイジェリア372.8
3アルジェリア122
4スーダン・南スーダン50
5エジプト33
6アンゴラ25.5
7ガボン20
8コンゴ共和国18.11
9赤道ギニア11
アフリカの原油埋蔵量ランキング
出典:OPEC『Annual Statistical Bulletin 2025』表3.1

※スーダン・南スーダンは、出典の区分に合わせた2カ国の合算値です。

アフリカでは、リビアとナイジェリアの埋蔵量が突出しています。一方、世界有数の石油大国であるサウジアラビアと比べると、両国とも規模に大きな差があります。

以下は原油埋蔵量が多いアフリカ諸国のマップです。

原油埋蔵量が多いアフリカ諸国のマップ

地図を見ると、リビアやアルジェリアなどの北アフリカに加え、ナイジェリアからアンゴラにかけて、大西洋側にも原油埋蔵量の多い国が並んでいます。内陸のスーダン・南スーダンも、その一角を占めています。

アフリカの原油生産量ランキング

次に、実際にどの国が原油を多く生産しているのかを見ていきます。以下は、2024年の1日当たりの平均生産量です。

順位国原油生産量(万バレル/日)
1ナイジェリア134.5
2リビア113.6
3アンゴラ112.5
4アルジェリア90.7
5エジプト45
6コンゴ共和国26
7ガボン22.4
8ガーナ13.2
9チャド11.1
10南スーダン7.6
アフリカの原油生産量ランキング
出典:OPEC『Annual Statistical Bulletin 2025』表3.5

生産量ではナイジェリアが1位で、リビアとアンゴラが続きます。埋蔵量のランキングに比べ、上位3カ国の差が小さいことが分かります。ただし、生産量でもサウジアラビアとは大きな開きがあります。

以下は原油生産量が多いアフリカ諸国のマップです。

原油生産量が多いアフリカ諸国のマップ

主要な生産国の分布は、埋蔵量の多い国とおおむね重なります。
ここからは、上位国の事情を詳しく見ていきましょう。

埋蔵量1位のリビア、政治不安が生産の壁に

約480億バレルと、アフリカ最大の確認原油埋蔵量を持つリビア。EIAによれば、2024年初時点でアフリカ全体の約41%を占めていました。原油は軽質で硫黄分の少ないものが多く、精製しやすい点も強みです。(参照:EIA, Country Analysis Brief: Libya)

しかし、上のランキングでは生産量は2位です。生産を制約してきた要因の一つが、政治的不安による操業の中断です。

2011年のカダフィ政権崩壊後、政治勢力が分裂し、油田や輸出港などが政治闘争の道具となってきました。2026年9月にも、国営石油会社NOCは、抗議活動による施設閉鎖で日量約13万バレルの生産損失が生じたと発表しています。(参照:Reuters, Libya NOC chief says production not greatly affected after protests hit oil facilities)

豊富な資源を安定供給につなげるには、油田や輸出施設を継続して動かせる環境が欠かせません。

生産量1位のナイジェリア、アフリカ最大のIPOが始動

原油生産量でアフリカ1位のナイジェリアですが、長年、国営製油所の低稼働が続き、ガソリンやディーゼルなどの石油製品を輸入に頼ってきました。原油を採掘できても、そのまま自動車などの燃料として使えるわけではなく、精製する設備が必要だからです。

この状況を変えつつあるのが、2024年に商業運転を開始したアフリカ最大の製油所である「ダンゴテ製油所」です。

EIAによれば、ナイジェリアの石油製品輸出量は、2023年の日量約4.6万バレルから、2024年には約14.6万バレルへと3倍以上に増えました。(参照:EIA, Country Analysis Brief: Nigeria)

建設中のダンゴテ製油所の様子
建設中のダンゴテ製油所の様子
Photo: GodwinPaya / Wikimedia Commons / CC BY-SA 4.0

さらに2026年9月には、運営会社が約16億ドルの調達を目指すアフリカ最大規模の新規株式公開(IPO)の募集を開始しました。

ダンゴテ・グループ創業者のアリコ・ダンゴテ氏
ダンゴテ・グループ創業者のアリコ・ダンゴテ氏
Photo: World Economic Forum / Wikimedia Commons / CC BY-SA 2.0

国内で原油を石油製品に加工し、自国や海外に供給できることは大きな変化です。原油の生産大国から、石油製品の供給拠点へと発展できるか注目です。

生産量3位のアンゴラ、生産を支える設備投資が課題

原油生産量ランキング3位のアンゴラ。埋蔵量は6位ですが、生産量ではリビアに迫っています。

アンゴラ沖の石油生産設備「Kizomba A」
アンゴラ沖の石油生産設備「Kizomba A」(2007年撮影)
Photo: Depepel / Wikimedia Commons / CC BY-SA 4.0

一方、EIAによれば、既存油田の生産能力の低下や開発投資の不足によって、生産は長期的に減少してきました。新たな油田の開発も進んでいますが、生産を維持するにも継続的な投資が必要です。主要な産油国であっても、すぐに供給を増やせるとは限りません。
(参照:EIA, Country Analysis Brief: Angola)

終わりに

アフリカの原油は、中東への依存を減らす供給源の一つとして期待できます。ただし、豊富な埋蔵量がそのまま安定供給につながるわけではありません。政治の安定、精製設備の整備、継続的な開発投資など、各国が資源を生かすための取り組みにも注目です。