日本ルワンダビジネスコミュニティ(JRBC)運営メンバーの1人です。Pick-Up!アフリカでは主に、アフリカの文化、医療保健衛生、ジェンダーなどを担当します!

「責任ある企業行動」がどのようにしてアフリカの農業分野を発達させるか

Africa: How Responsible Business Boosts the Agriculture Sector

記事リンク:

https://allafrica.com/stories/202105040869.html

内容と背景:

本日は、アフリカの農業分野をどのように発達させるかについて、ビジネスの観点から説明した記事をご紹介します。

「責任ある企業行動(=responsible business conduct)」は、今や世界的なトレンドになっています。FAOは農業分野におけるそれを先導し、2016年にはOECD(:Organisation for Economic Co-operation and Development )と共同で「OECD-FAO Guidance for Responsible Agricultural Supply Chains」を作成し、農業分野におけるリスク回避と発展を主導しています。

農業分野における責任ある企業行動では、児童労働の撲滅、農業従事者の公平賃金、農家と加工業者の公平収入などが目指され、これらを達成するためには適切なビジネスアプローチが不可欠であるといいます。

このガイダンスのなかでFAOとOECDは、アフリカにおいてもデューデリジェンス(Due Diligence)の実行サプライチェーンの課題を解決することが農業ビジネスを押し上げ、さらには労働の権利や動物の福祉、土地所有権利、環境保全、食料安全保障などの発展に繋がる可能性があると強調しています。

デューデリジェンスとは、企業などに要求される当然に実施すべき注意義務および努力のことで、前述したOECDの活動指針によると、サプライチェーンを透明化し、原材料の由来に人権侵害などの問題の有無を確認、問題が確認された時には是正する活動であるということが示されています。

この記事では、農業分野の70%以上で児童労働がなされていること、温室効果ガスの最大25%が農業関連事業によって排出されていること、きれいな水の70%以上が農業に使われていること、2019年には7億5000万人ほどが食糧危機に苦しんだことが農業分野の課題としてあげられ、特にこれらの児童労働と環境保全と食糧安全保障にフォーカスをあててデューデリジェンスの運用とそれによる社会問題の解決とビジネスの発展について記されていました。

今日では、デューデリジェンスの実施は企業にとって非常に重要な要素になっています。

それを示す事象として、次の事柄があげられます。

国際環境NGOであるグリーンピース・インターナショナルによると、花王は2014年にアジアの消費財メーカー企業として初めて「森林破壊ゼロ」方針を導入し、インドネシアの森林の保護活動を開始しました。このことから、花王が早い時期から環境に配慮した製品作りを行っていたことがうかがえます。ですが、この花王による「森林破壊ゼロ」方針には、いくつかの改善すべき点が見られ、そのためにグリーンピースのグローバル企業のパーム油調達方針ランキング「タイガー・チャレンジ」の2014年版では、「森にやさしい企業」のタイトルを獲得することができませんでした。ここでは、改善すべき点として、「森林破壊」や「人権侵害」の定義が明らかにされていなかったこと、またそれらが発生した場合の解決法が明記されていなかったことがグリーンピースによって示されています。

また、P&G(プロクター・アンド・ギャンブル)は、トラやオランウータンの生息地の破壊や泥炭地の破壊など、動物や自然環境に悪影響を与えているインドネシアの生産者から製品の原料となるパーム油やパーム油由来製品を購入していたとして、同様に「タイガー・チャレンジ」にて「森にやさしい企業」のタイトルを獲得を逃したそうです。

このように、事業の内容に細心の注意を払い、デューデリジェンスを事業に取り入れることは、企業のブランドやそれに伴う収益にも影響を与えるため、ビジネスには不可欠であると言えます。

ちなみに今回ご紹介した記事では、農業分野での環境デューデリジェンスの説明で、環境課題の解決策の1例として、デューデリジェンスを導入し、衛星技術と地理的情報システムの分析によって土地を観察することで、環境への意識を高め、森林破壊への取り組みを強化する事例が紹介されていました。

近年ではSDGs達成のための行動が国家レベル、企業レベル、個人レベルで求められています。そのような潮流の中で、サプライチェーンを透明化し、環境破壊などの問題の有無を確認し是正するといったデューデリジェンスの重要性はより一層高まっていきそうです。このような動きがアフリカでも広まっていくことが期待されます。

関連・参考記事:

  1. デュー・ディリジェンス – 電子情報技術産業協会 – Link
  2. P&G、花王「森にやさしくない企業」に―――グローバル企業のパーム油調達方針ランキング発表 – Link
  3. おしい! 花王、世界トップクラスの“森にやさしい企業”入り逃す – Link
  4. 食料の安全保障維持に向けたアフリカ諸国政府とイスラエル企業らの連携【Pick-Up! アフリカ Vol. 2: 2020年10月6日配信】- Link
  5. 児童労働:ビジネスと人権〜コンゴ民主共和国の鉱山の課題【Pick-Up! アフリカ Vol. 10 (投稿:2020年10月15日)】- Link
  6. 環境系の取り組みもアフリカではビジネスチャンス!?【面白記事 Vol. 82(2020年7月11日配信)】 – Link

ご相談・お問い合わせ

アフリカ・ルワンダへのビジネス進出をご検討の際は、当サイトの運営に関わっているレックスバート・コミュニケーションズ株式会社までご相談・お問い合わせください。


コメントを残す