題:Roto TanksとOgilvy Africaがレソ教育を始める

英題:Roto Tanks and Ogilvy Africa launch ‘Lesso Lessons’

記事リンク:https://www.mediaupdate.co.za/publicity/151600/roto-tanks-and-ogilvy-africa-launch-lesso-lessons

内容と背景:

こんにちは!Pick-Up!アフリカをご覧いただきありがとうございます。

本日は、子どもの栄養失調の問題を改善するためにケニアで開始された育児教育の取り組みについてご紹介します。

こちらの記事によると、2017年の時点でサブサハラアフリカで栄養失調による成長障害を持つ子どもの数は約5000万人にも上り、割合では子どものうち約30%がその状態にあるとも言われています。

この主な原因としては、フードロスやインフラの欠如、貧困により子どもが充分な食料を得られないことが挙げられますが、その他にも、今回の記事では、親が子どもに栄養を与える方法に問題があるとされています。

実際にこちらの記事では、子どもに与える食事の習慣が栄養失調に繋がる可能性が述べられています。記事では、栄養の考え方がまだあまり浸透していないアフリカにおいて、栄養が偏った食べ物や炭水化物ばかりを子どもに与えることがあり、それによって栄養失調に陥る場合があると述べられています。

このように適切な栄養が子どもに与えられていない状況がある中で、今回の記事では、アフリカ布を使って親に子どもの栄養管理について教育を行うプロジェクトが開始されたことが紹介されています。

記事では、アフリカで水タンクの販売を行うRoto Tanksと、広告会社のOgilvy Africaが協力して開始された、「Lesso Lessons」と呼ばれるこのプロジェクトでは、レソと呼ばれる布を用いて0から2歳の子どもの母親に対して教育を行ってると述べられています。

レソとは、東アフリカで伝統的に使われている布であり、主に母親が作業をする際、子どもを背負うために用いられます。一般的にはレソには愛や希望を表す言葉や絵が描かれる場合が多いのですが、今回のプロジェクトでは、レソに正しい栄養の知識を示す言葉や絵を描き、それを母親たちに配布することで、彼女たちにその知識を定着させることを目標としています。例えば、食べ物の絵を描いたレソを配布することで、子どもの成長段階に応じて適切な食事の知識を広めています(参考記事3)。

このように、このプロジェクトではレソが栄養教育の教科書として用いられているわけですが、この活動にレソを用いた理由として、記事では2つのことが挙げられています。1つ目は、レソがケニアの子どもを持つ母親達に広く利用されているということです。この布は、母親が作業をする際、子どもを背負うために用いられているため、子育ての中で目にする機会が多く、それに栄養の知識を記載することで知識が定着すると考えられています。

2つ目は、レソがコミュニティーに伝わる言い伝えや歴史を継承するために、何世代にも受け継がれる場合があるという事です。つまりは、レソによる教育が次の世代にも引き継がれる可能性があるということであり、その永続的な学習効果にも期待が寄せられています。

このように、ケニアの生活の中で長期的に広く利用されるレソを用いることで、効率的な栄養教育がなされると考えられています。また、記事によると、Lesso Lessonsは、今後ケニアや東アフリカ各地に活動を展開し、100万枚以上のレソを母親たちに配布しようと計画しているため、その活動の広まりにも期待ができます。

記事では、ケニアにおいても26%以上の子どもが栄養失調の問題に直面しているとされていますが、この活動を通して、徐々にこの問題が解決されていくことが期待されます。

これまでにもPick-Up!アフリカでは、子どものヘルスケアに関する記事をご紹介してきました。下に関連記事をまとめたので、ぜひご覧ください!

参考記事:

1.Strategic plan to reduce malnutrition in Africa adopted by WHO Member States-Link

2.Don’t force-feed your child, Africa’s experts warn-Link

3.GENERAL NEWSLesso lessons provide nutritional information to women-Link

4.An Organization Designs ‘Lessos’ To Educate Women On Nutrition-Link

関連記事:

1.[更新] アフリカで亡くなる子どもを減らすためにーエリトリアの小児ヘルスケアの取り組み【Pick-Up! アフリカ Vol. 3:2022年1月24日配信】-Link

2.アフリカの子ども福祉に関する話題(養子縁組・コロナ下での保護に関して)【面白記事 Vol. 125: 2020年9月3日配信】-Link

3.カカオの生産における児童労働の問題【Pick-Up! アフリカ Vol. 10:2022年2月24日配信】-Link


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