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南アフリカ学生連合、全国的な閉鎖抗議を中止

Proposed national shutdown protests called off after Nzimande reallocates R7bn to NSFAS

記事リンク:https://www.sowetanlive.co.za/news/south-africa/2021-03-31-proposed-national-shutdown-protests-called-off-after-nzimande-reallocates-r7bn-to-nsfas/

南アフリカでは、大学の学費の無償化を掲げて、学生が主要な大学でバリケードを作り、大学を封鎖する抗議活動が行われていました。

本日はその運動について、最新の内容を伝える記事をピックアップしました。

南アフリカでは3月中旬から、国内各地の大学で学生による抗議運動が起こっていました。

2016年あたりからも度々抗議運動は行われていたようですが、今回は主に学生ローンなどに関連する学費の問題と講義内容の植民地化に関する内容が主な争点となっていたようです。

例えば、南アフリカの大学では学費が支払えない学生に対しての支援が希薄であり、前年度の延滞金を清算する前に大学側が学生を除籍扱いにするなど、学費が問題になり、大学で学べない学生が多くいたことが問題視されていました。

実際に、南アフリカの大学は、国の経済を考慮すると世界基準でも優れていると評価されています。一方で、メルボルン大学の調査結果によると、特に貧しい学生や、「ミッシングミドル」と呼ばれる支援の手が回らないカテゴリに位置する学生に対しては、非常に排他的であると説明されていました。(1)

そこで、学生団体を中心に、大学の前で100名を超える学生が列をなし行進する他、大学の前に座り込むなどの抗議活動が行なわれていました。施設を壊したり、人に危害を加えることなどはせずにあくまでも大学の経営陣と対話の機会を設けるということを目的に行われていたようです。

そこで今回ピックアップした記事によると、高等教育訓練大臣のブレイド・ンジマンデ氏がR7bnを全国学生財政援助スキーム(NSFAS)に再割り当てを行なったため、南アフリカ学生連合は、全国的な閉鎖抗議を中止したということが報じられています。

これにより南アフリカ国内の多くの大学が、学費を滞納していた学生に対して再度登録を認めた他、26校のうち22校の大学が学生の除籍を一時停止することに同意したということが示されています。

以前、ご紹介したこちらの記事(南ア:多くの学生を大学教育にアクセスさせるための新たな提案【Pick-Up! アフリカ Vol. 49(投稿:2020年11月30日)】)では、南アフリカの大学進学率の低迷に関して、政府がより多くの若者を大学に入学させるための新しい提案として、高等教育訓練局を筆頭に大学・高等専門学校・その他の教育機関を相互に連携させることを目的とした新しい「アーティキュレーションポリシー」 の検討について書かれた記事をご紹介していました。

この取り組みは、TVET(技術職業訓練トレーニング機関)から大学に直接進学するプロセスを奨励するという内容でした。大学の進学率の向上をはかるだけでなく、TVET校を卒業した学生が、高い技術を習得した上で、さらにその知識をアカデミックな場面で活かす機会が少ないという問題についても解決する制度となっています。

南アフリカは以前から新たな政策を作り、高等教育機関にアクセスする学生を増やそうと努力してきたようです。しかし、今回の学生による抗議やデモにより、学生の貧困にまつわる課題に対して具体的な対策をとることが急務であると認識されたように感じました。

新型コロナウイルスの蔓延により、日本でも学生の貧困は重要な社会課題として認識されています。南アフリカでも同様に、この課題に対してアプローチされ始めたということが理解できる記事でした。

ちなみに、2016年にBBCが報じた記事(2)によると、南アフリカの大学の学費の無償化は、政府がおおよそR70bnの助成を行えば、可能になり得ると報じていました。

しかしその後、今日に至るまでの間で補助金は毎年補填されているものの、関連記事(4)のレポートによると2019年現在で政府からの拠出額がR42bnにとどまっています。これまでの増額がR5b程度であることが同記事内のグラフから見られるものの、今回ご紹介している記事の中で政府が補填する金額として定時されているR7bnを加えても、上で提案されている政府からの補填の必要な金額に達していないことを考えると、まだ課題が解決されていないのが見受けられます。

こちらの記事にも書かれているように、政府から大学への補助金は増えているものの、それ以上に国内の学生の数の増加、そして学費の増加などの割合と、実際の政府からの補助金の増加の割合が同じ歩調で増えていないことから、補助金だけでは賄い切れていないという実情が問題の背景となっているのが見受けられます。

関連・参考記事:

  1. How much it costs to study at the top universities in the world vs South Africa – Link
  2. Why are South African students protesting? – Link
  3. Will South Africa’s Tertiary Fees Crisis Ever Be Solved? – Link
  4. Universities depend more on government for funding – Link
  5. Students barricade universities in Johannesburg and Gqeberha – Link
  6. 南ア:多くの学生を大学教育にアクセスさせるための新たな提案【Pick-Up! アフリカ Vol. 49(投稿:2020年11月30日)】- Link
  7. アフリカ初、インターンシッププラットフォームの立ち上げ!他、教育に関する話題【面白記事 Vol. 104: 2020年8月10日配信】 – Link


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