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KFCがケニアに参入したとき

When KFC came to Kenya

記事リンク

https://newint.org/immersive/2021/06/08/when-kfc-came-kenya-fjf

コロナによっておうち時間が増えている今、ファーストフード店のテイクアウトを利用される方もいらっしゃるのではないでしょうか。本日は、ファーストフードとアフリカの健康に関する記事をご紹介します。ぜひ最後までご覧ください!


今回ご紹介する記事では、ケンタッキー・フライド・チキン(以下KFC)を始めとするファストフード企業のアフリカ諸国への流入が、現地の人々の食文化を激変させ、肥満や体重過多や栄養不足などの健康問題に拍車をかけていることが記されています。

アフリカ諸国におけるKFCなどのファストフード企業の拡大は、可処分所得をもつ中流階級の増加によるものだと説明されています。企業による大々的な宣伝の効果や、地元の料理を生かしたメニュー開発努力、ファストフードが高階級のシンボルになっていることなどにより、ファストフード店はアフリカの人びとの人気を集めています。

肥満化の原因に関して、文中では遺伝や市民の都市化に伴う自動車利用による運動量の低下にも触れられていますが、それよりも、ファストフード店の多くでは、低栄養で、糖分や塩分や脂肪分が過剰に含まれ、カロリーも通常よりも高いような食べ物が提供され、そのような食べ物が身近になり、摂取する回数が増えることで肥満や体重過多や栄養不足などの健康問題の蔓延につながった、という点が記事では強調されて説明されています。そして、WHOによる「不健康な食べ物や飲み物のマーケティングが世界の南半球での体重過多や肥満の増加の大きな要因である」という指摘と、「1990年から2014年の間に体重過多または肥満の子どもの数が540万人から1060万人へと増加した」という結果を引用し、その主張を強めています。

特にケニアでは低中所得国のなかで肥満の増加が著しくなっています。ケニアで行われた調査では、18~69歳の成人の約28%が体重過多または肥満であり、性別の割合では、女性の38%、男性の17.5%がそれに該当するという結果が明らかになりました。男性よりも女性の方が肥満化の傾向が強く、2008年からの6年間で女性の肥満率は7%から10%に増加したというデータもあります。

このような食生活の変化の結果、ケニアではNCDs(Non-Communicable Diseases=非感染性疾患)が年々増加し、2016年には脳卒中、心臓病、高血圧、がん、慢性呼吸器疾患などの病気は入院患者数の50%以上を、病院での死亡原因の55%を占めるまでになりました。もともと野菜や豆類やトウモロコシなどを日常的に摂取してきた人々にとって、このような病気は初めての経験であるといいます。

ですが、一方で、飢餓や栄養不足は依然大きな課題となっています。2019年にGlobal Hunger Indexによって行われた調査では、ケニアの3人に1人は慢性的な食糧不足に苦しみ、同じく3人に1人が健康な生活を送るための最低食事量を満たしていない現状が明るみに出ました。こうして、ケニアは近年「NCDs」と「飢餓」の二重負担に悩まされ、対策が急がれています。

対策に向けた取り組みとして、記事の中では政府による活動が取り上げられています。例えば、ケニアの農業省に属する農業栄養局は保健省と協力して食品成分表やレシピ本などを共同で発行しています。また、食糧のケールやホウレンソウなどの種が含まれる「キッチンガーデンキット」を100万世帯に配布することも計画しています。これには食生活の改善に加え、食糧安全保障を向上させる狙いもあります。

以上、記事の内容をご紹介しましたが、こちらの記事からは、ファーストフード企業のアフリカ進出とその流行がアフリカの人びとの肥満や体重過多や栄養不足などの主要な原因であるという姿勢を読み取ることができます。確かに、以前よりも糖分や塩分や脂肪分を多く摂取するようになったことは、肥満や体重過多や栄養不足などの健康問題を引き出すひとつの要因として考えることができる点です。しかし、ファーストフードと食文化の変化というのは、肥満や体重過多や栄養不足などの原因のあくまで1部分であると推測します。

英語の元記事の中でもWHOのレポートを引用して伝えているように、肥満というのは実に複雑な問題であり、性別や年齢、生活環境、文化などの様々な要素が絡まり合って引き起こされるものです。そのため、食生活の変化という点ばかりに着目せず、様々な側面に焦点をあてる必要があるでしょう。

特に近年の急激な発展とそれに伴う生活の変化がめざましくみられるアフリカ地域では、それまで自らの身体を駆使して行っていたことを機械が取って代わるようになり、それにより運動量が低下したということは、もっと考慮に入れるべき点だと考えます。

また、食事や栄養や健康に関する教育の不足も要因として考えられることができる点です。食と健康についての正しい知識があれば、頻度や量を考慮してファーストフードを口にすることができるようになるでしょう。

最後に、アフリカで肥満や体重過多や栄養不足などの健康問題への対策のために活動しているMalabo Montpellier Panelという組織をご紹介します。この組織は、アフリカの食料安全保障の向上を目指す農業専門家のグループで、アフリカ諸国の政策に影響を与えることによって肥満の原因となっている文化的・地理的な問題を解決しようとしています。この組織の成果のひとつに、「マラボ宣言」に署名したことがあげられます。この宣言では、人々に仕事を提供し農業を行うことで、2025年までに貧困率を半減させることを目指しています。こうした事業は、雇用の創出を通じて経済を促進し、同時に、新鮮な野菜へのアクセスを改善することで、健康的な食生活を実現させることにもつながります。

肥満は、直接的・間接的に他の様々な病気に発展する可能性がある、世界的な課題です。近年の食事の質と安全性への関心の高まりとICT技術の発展が、アフリカ諸国の「健康」にどの様な変化をもたらすか、今後も着目していきます。

関連・参考記事

  1. アフリカ大陸、ヘルスケア分野の持続可能性指数を発表【Pick-Up! アフリカ Vol. 134:2021年3月22日配信】 – Link
  2. 2021年のアフリカテックの注目は?【Pick-Up! アフリカ Vol. 109:2021年2月17日配信】 – Link
  3. アフリカでのAI・テクノロジーによる医療革命【面白記事 Vol. 140: 2020年9月21日配信】 – Link
  4. Obesity and overweight (WHO) – Link
  5. Reducing Obesity in African Countries – Link

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