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ケニアの農家、アプリでCOVID-19と気候変動を乗り越える

Kenyan farmers tap apps to ride out COVID-19 and climate storm

記事リンク:

Kenyan farmers tap apps to ride out COVID-19 and climate storm (trust.org)

本日は、アフリカでの農業におけるテクノロジーの使用に関するトピックをお届けします。

これまでにも数々ご紹介していますように、気候変動は様々な観点からアフリカに深刻な影響を及ぼしています。健康への影響としては、気温が上昇し降水量が増えることで、虫たちの生息により適した環境がつくられ、デング熱やマラリアや黄熱病などの、動物媒介性疾病の伝染が広まります。また、気候の変化により、それまで病気が見られなかった地域にも新しい病気が発生することもあります。

気候変動は水不足、洪水、干ばつなど、農業に甚大な影響を与える事象をももたらします。Pick-Up! アフリカで人気を博しているサバクトビバッタの大量発生も、異常気象によって引き起こされています。農業分野に従事する人々の数が多く、GDPが農業によって支えられることが多いアフリカ諸国では、農業への悪影響は国家の経済状況にも大きな負担をかけることになります。The African Climate Policy Centre(=アフリカ気候政策センター)は、世界の気温が1℃~4℃上昇した場合、アフリカ大陸のGDPは2.25%~12.12%減少すると予測しています。

このような気候変動や異常気象によって農作物の収穫量が減少していますが、さらにCOVID-19のパンデミックとそれによるロックダウンや外出禁止令が、農家たちの生産物の需要と供給へのアクセスを妨げています。

そのようななか、今回ご紹介する記事では、ケニアの農家たちがDigiFarmというアプリを用いることでその不便さを乗り越えている様子が取り上げられていました。

このDigiFarmというアプリは、農家たちの農業物資気象情報融資へのアクセスを容易にすることで、農家たちを支援しています。事業自体は2017年に始まりましたが、およそ140万人いるユーザーの多くはパンデミック後に使用を開始しています。

以下、DigiFarmの機能をご紹介していきます。

まず、農家たちは必要な肥料や植物の種などをアプリを通じて注文することができます。注文後、商品が地元の倉庫に集荷されると農家にSNSで通知がいくようになっています。倉庫は地区によっては数多く存在し、近くの倉庫に配達された場合はすぐに受け取ることができます。アプリで注文することで、ストアクレジットや割引を受けることもできるそうです。この機能は、特にパンデミック下では外に出る必要をなくし、またそれによって市場に行くまでの交通費や時間を節約することを可能にします。

また、DigiFarmは過去の気象情報や今後の天気予報のほか、作物のロスを減らすためのヒントを提供することで、農家が不安定で不規則な気候に備えることができるよう支援しています。天気予測の情報を入手することで、例えば、雨量が少ないという情報が入ってきたら、雨が少なくても育つ豆などを植えるようにするなど、農業の計画が立てやすくなります。また、地域の農家たちが同時に気象情報を手に入れ、一斉に植え始めることができるようになることで、作物の病気のコントロールや意思決定が行われやすくなり、地域のつながりが強くなることも期待されています。

もう1つの革新的な機能として、保険制度や融資の制度があります。天気予報によって事前に対策を講じることができても、予期しない作物ロスに見舞われることもあります。そのような場合に備え、DigiFarm はM-Pesaを通した保険やローンの制度を取り入れています。この制度を活用することで、農家たちは他の作物を栽培するなど、新しい試みを取り入れることができます。

このような取り組みを通じて実際に生計を増やし、子どもを学校に通わせることができるようになった農家家庭もあるようです。

ケニア政府の発表によると、国内にはおよそ450万人の小農家がおり、その合計の収穫高が国内食糧の60%以上をまかなっています。このことから小農家を支援することがいかに大切か推し測ることができます。そしてそのなかでアグリテックが小農家にとってますます重要なものとなってきています。アグリテックには、インターネットへのアクセス環境が整っていなければ利用できないなどの課題はありますが、Netherlands-based Technical Centre for Agricultural and Rural Cooperation(オランダ農業・農村協力技術センター)が4月に公表した報告書によると、アフリカのデジタル農業サービス分野において、ここ3年で農家の新規顧客が毎年45%ずつ増加し、アグリテック産業がアフリカで急速な成長を遂げているようです。これからアフリカの農業分野がテクノロジーを用いて、気候変動に負けず、環境にも配慮しながらどのような発展を遂げていくか、大いに期待していきたいです。

参考・関連記事:

  1. Climate Change Is an Increasing Threat to Africa – Link
  2. アフリカの農業セクターを脅かすバッタの大群と深刻な干ばつ【面白記事 Vol. 87: 2020年7月17日配信】 – Link
  3. 東アフリカで再びバッタが大量発生か【Pick-Up! アフリカ Vol. 50:2020年12月1日配信】 – Link
  4. サバクトビバッタの大量発生:最新の発生・対策状況は?【Pick-Up! アフリカ Vol. 129:2021年3月16日配信】 – Link
  5. コロナ禍のアフリカの気候変動問題【Pick-Up! アフリカ Vol. 151:2021年4月16日配信】 – Link
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