題:リモート教育ブーム:注目すべき南アフリカのEdtechスタートアップ3社

英題:The remote learning boom: 3 South African Edtech start-ups to watch and draw inspiration from

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こんにちは!Pick-Up!アフリカをご覧いただきありがとうございます。

本日は、以前のPIck-Up!アフリカの記事(アフリカの教育業界×ICTに関する話題ルワンダICT教育の取り組み、現状・成果・課題は?)に関連して、南アフリカのICT教育業界についての記事をピックアップしました。

内容と背景:

南アフリカ:成長するICT教育産業

ICT教育とは、情報通信技術(Information and Communication Technology)を利用した教育のことを指します。日本ではZoomを用いたオンライン授業やデジタル教材といった形で普及しつつあります。

今回の記事では、コロナウイルスによるロックダウンや対面授業の制限によってこのICT教育の需要がアフリカでも高まり、この分野の産業が著しく成長していることが示されています。具体的には、2018年から2020年の間でアフリカの通信教育産業の市場規模が7億ドルから15億ドルまで増加しており、こうした市場の拡大を受けて今後2021年からの5年間ではこの産業のGDPが36.5%成長すると推測されています(参考記事1, 2)。

その中でも特に大きな活躍を見せているのが南アフリカです。実際にこちらのサイトではICT教育産業に関わるアフリカ企業の資本金ランキングが提示されていますが、トップ10の企業のうち5社が南アフリカの企業であることが示されています。また、この分野のスタートアップ企業の数も拡大しており、現在南アフリカでは300近くの企業が存在していると今回の記事で紹介されています。

今後注目のスタートアップ3社

このように南アフリカがアフリカのICT教育産業を牽引していることを踏まえて、今回は、記事で示されている南アフリカの注目すべきスタートアップ企業3社をご紹介していきます。

1.Khula Africa Innovation Projects

こちらの企業は、Smartpoziというデジタルプラットフォームを運営し、Pozi(家)で受けられるオンライン学習を提供しています。具体的には、このプラットフォーム上でオンライン講師と生徒をマッチングさせ、家庭教師のような形で生物や数学、英語やアフリカーンス語などの科目別マンツーマン指導を行っています。コロナ禍で学校の授業が制限される中需要が高まり、家で受けられるという利便性から今も成長を続けているビジネスです(参考記事4)。

2.Go1

こちらの企業もデジタルプラットフォームを通してICT教育の提供を行っていますが、社会人向けにオンデマンド教材を配信するという点でSmartpoziとは大きく異なっています。具体的には、企業家やクリエイター、政府などに向けた10万以上のコンテンツを17の言語で配信しており、スキルアップを目指す社会人のみならず、教育や研修のコストを減らしたい企業や団体にも利用されています(参考記事5)。

このプラットフォームの利用者は現在350万人を越えており、2021年にはこの企業の評価額が10億ドルを越え、南アフリカのテック企業で初めてのユニコーン企業となりました。さらに、先ほどご紹介した資本金ランキングでは1位を獲得するなど、著しい成長を見せています。

3.FoondaMate

こちらの企業は、Whatsappと呼ばれる無料メッセンジャーアプリ内で、生徒のメッセージに応じて過去のテストや答えの提供、質問への回答を即座に行うAIチャットボットを運営しています。10以上の言語に対応し、その利便性から40万人以上に利用されているようですが、こちらの記事では、この企業が200万ドルの投資を受け、さらなる50万人にこのサービスを拡大する予定であることが紹介されています。

南アフリカ:ICT産業の課題と今後

このように南アフリカでのICT産業は成長の一途を辿っていますが、今後の長期的な市場拡大のためにはまだ課題が残っています。

それは家庭でのインターネットの普及です。こちらの記事では、南アフリカのインターネット普及率は68%であるのに対し、家庭にインターネットが開通している世帯は17.3%で、農村部ではその値は1.7%に留まることが示されています。GO1やSmartpoziのようなオンライン学習がさらに普及していくためにはこうした状況の改善が必要だと考えられます。

しかしながら、スマートフォン普及率が90%を超えていることや、上記の企業の近年の成長度を踏まえると、やはりアフリカの中では南アフリカが最も有力な市場であり続けることが予想できます(参考記事8)。こちらの資料によると、moodleや2Uといった海外のICT教育関連企業も南アフリカに進出してきているようなので、日本の企業にも充分にビジネス進出のチャンスがあるのではないかと思います。今後の動向に期待したいです。

以前の関連した記事を下にまとめました。ぜひご覧ください!

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関連記事:

1.アフリカの教育業界×ICTに関する話題【面白記事 Vol. 59: 2020年6月15日配信】-Link

2.ルワンダICT教育の取り組み、現状・成果・課題は?【Pick-Up! アフリカ Vol. 128:2021年3月15日配信】-Link

参考記事:

1.Africa E-Learning Market Outlook-Link

2.E-learning marketplace revolution takes off in Africa-Link

3.EdTech Startups in Africa-Link

4.New edutech platform launches for SA teachers and students-Link

5.eLearning Platform Go1 Becomes South Africa’s First ‘Unicorn’-Link

6.South Africa’s edtech FoondaMate eyes speedy takeoff after $2M funding-Link

7.Internet access – Survey reveals South African connectivity statistics-Link

8.SA’s smartphone penetration surpasses 90%-Link

9.南アフリカ共和国 教育(EdTech)産業 調査-Link


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