題:南アフリカのEV普及に大幅な後押し

英題:Big boost for electric vehicles in South Africa

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キーワード:南アフリカ 自動車産業 電気自動車

こんにちは!Pick-Up!アフリカをご覧いただきありがとうございます。

本日は、南アフリカの自動車産業についての記事をピックアップしました。

記事では、環境への配慮という点から近年注目が集まる新エネルギー自動車(電気自動車、PHEV、燃料電池自動車、クリーンディーゼル自動車)生産の拡大に向けた南アフリカの動きについて紹介されています。

南アフリカにおけるNEV生産向上の取り組み

具体的に記事では、南アフリカにおける新エネルギー車(NEV)の生産を加速させるために政府が次世代のエンジニア向けオンライン学習プラットフォームの運営を開始したことが紹介されています。

記事によると、Yakh’iFutureと呼ばれるこのプラットフォームでは南アフリカの工学系の学生や職業訓練校生に対する技術教育を通し、新エネルギー車(NEV)やその部品製造のノウハウを身に着けた技術者の育成が行われているようです。具体的には、動画や画像を用いたオンライン学習により電気自動車の駆動システムである「電動ドライブトレイン」や他の主要な自動車部品の製造に関する能力開発が行われていると記事では述べられています。

またこのプラットフォームでは、学生の就職をサポートする取り組みも実施されていると記事では記されています。具体的には、就活情報の掲示や動画を用いたキャリアガイダンスにより、就活生が南アフリカの自動車業界に就職するチャンスを増やしていると記事では述べられています。こうした一連の人材育成、発掘を通し、将来的に南アフリカにおけるNEVの生産量を増加していくことが目指されています。

NEV生産拡大に取り組む背景

政府がこうしたNEV生産拡大の取り組みを行う背景としては、ヨーロッパにおいてNEVへのシフトが急速に行われていることが挙げられます。

具体的には、地球温暖化対策としてイギリスは2030年、EUは2035年までに国内で販売される自動車を全面的にNEV化することを目標としており、その流れの中で2030年にはヨーロッパで販売される自動車のうち40%が電気自動車になるという見通しが立っています(参考記事)。南アフリカにとってヨーロッパは自国の自動車関連輸出利益の60%を占める重要な取引相手であるため、ヨーロッパでのNEV販売の流れに同調して取引を今後も維持することを目的にその生産強化を図っていると記事で述べられています。

他の取り組みとNEV生産の今後

今回ご紹介したYakh’iFuture以外にも、近年は南アフリカにおけるNEV生産拡大のための様々な取り組みが行われ始めています。

そのうちの1つとして、政府によるNEV生産のサポートフレームワーク形成の取り組みが挙げられます。具体的に、政府は特定のクリーンエネルギー車の部品に対する関税の減少や、NEVバリューチェーンに対する投資等の政策によってNEV生産をサポートすることを目指しています。まだ原案が作成された段階ですが、この政策の実現によりNEV生産のための物流がスムーズになることが期待されています。(参考記事)。

また、南アフリカでのNEV生産拡大は国外の関心も集めており、近年は国外のアクターによる取り組みも見られています。具体的に、アメリカのフォード社は南アフリカでのPHEV(プラグインハイブリッド車)の生産を目指し、自社が持つハウテンの工場に約9億ドルの投資を行ったとこちらの記事では述べられています(参考記事)。また、今回の記事ではイギリス政府が南アフリカにNEV車生産拡大のため、180万ドルの資金提供を行ったことが紹介されています。

南アフリカにおける自動車産業の現状を見てみると、NEV車の生産がまだまだ未発達であることが分かります。具体的に、2019年において南アフリカではアフリカでもトップレベルの61万台の自動車生産が行われましたが(参考記事)、その中で新エネルギー車の生産は少なくとも1万台以下であったとこちらの資料では示されています。その一方で、上記のように労働者のスキルアップ、物流の改善、設備投資、資金提供といった多方面の取り組みが行われ始めており、これらを受けて今後南アフリカでは急速にNEV生産が向上していくのではないかと考えられます。今後の業界の動きに注目していきたいです。

Pick-Up!アフリカでは、以前にもアフリカにおける自動車生産についてお伝えしてきました。ぜひこちらからご覧ください!

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