こんにちは!Pick-Up! アフリカです。本日は、2023年10月から衝突が激化している、イスラエルとガザ地区での状況について、アフリカの国々の視点をお伝えしたいと思います。

というのも、ガザ地区で起こっていることに関するニュースは日本でも頻繁に報道されていますが、アフリカ諸国がどのような反応を見せていて、国際社会でどのような流れを作っているのかは、日本のメディアからは注目されていないように見えるからです。

今回は、最近African Newsで報道されていた、南アフリカ・エジプト・ナミビア3カ国の反応を見ていきたいと思います。

最後までぜひご覧ください。

南アフリカの対応

参考記事:South Africa argues genocide case at UN top court

参考記事によると、南アフリカは1月11日、国際司法裁判所(ICJ、Internatinal Court of Justice)にて、イスラエルのガザ攻撃がジェノサイド(集団虐殺)に当たるとの主張をしたそうです。

1948年に採択された「ジェノサイド条約」(ジェノサイドの定義を明確にし、この行為を犯罪と認め、防止・処罰をすることを定めたもの)には、イスラエルも南アフリカも加盟しており、南アフリカはイスラエルのガザ攻撃がこの条約のいくつかの条項に反していると主張しています。

南アフリカは昨年11月から、国際司法裁判所にイスラエルのガザにおける軍事行動の停止を命じるよう提案していたようです。

参考記事によると、南アフリカはイスラエルの軍事行動に関して批判的な立場であり、立法府はイスラエルが停戦するまで外交的な繋がりを停止するよう呼びかけていました。

エジプトの対応

参考記事:Egypt: Chinese FM kicks off Africa tour with call for a ceasefire in Gaza  https://www.middleeastmonitor.com/20240115-egypt-china-call-for-immediate-ceasefire-in-gaza/

エジプトのシュクリ外務大臣は1月14日、アフリカ数カ国を歴訪中の中国の外相・王毅と会談し、その中でパレスチナ問題に関して高いレベルでの合意に至ったとの合同声明を出しました。

この共同声明では、以下のことが強調されているそうです。

★直ちに包括的停戦をすること

★イスラエル・ガザ双方の人質・拘留者を解放すること

★国連決議を施行すること

★パレスチナ自治政府の任務を促進するため、人道援助のメカニズムを確立すること

エジプトのシュクリ外務大臣は、紅海における緊張と航行の自由の侵害が周辺地域おける紛争拡大と悪循環の深刻化を予見させるとの懸念を表明しています。

ナミビアの対応

参考記事①:Namibia criticises German support for Israel over ICJ genocide case

参考記事②Namibia condemns Germany for defending Israel in ICJ genocide case

最後に、南部アフリカに位置するナミビアの対応を見ていきます。

ナミビアもイスラエル・ガザ紛争に対する非難の立場を明確にしているようですが、その背景には、かつてナミビアがドイツの植民地化にあった時、ドイツによって大量虐殺を経験したことがあるようです。(1904年から1908年にかけて、ドイツの入植者によってナミビアのヘレロ人・ナマクア人が7万人以上殺害され、これは20世紀における初の大量虐殺と考えられています。)

ドイツ政府は2021年、植民地時代にナミビアで行った虐殺を認め、ナミビアに対する謝罪を行いました。

しかし、国際司法裁判所で今回行われた議論では、ドイツはイスラエルに対するジェノサイド非難を「政治的道具化」だとして退け、イスラエルの軍事行動を自衛だとして支持する立場に立ちました。

そこで、ナミビアのガインコブ大統領は、このようなドイツの衝撃的な決定に対し、深い懸念を表明し、ドイツ政府がナミビアにおける過去の過ちをまだ完全に対処していないと述べました

おわりに

今回は、2024年1月に報道されたアフリカ3カ国のイスラエル・ガザ紛争に対する立場を見てみましたが、いかがでしたでしょうか。

今後もアフリカ諸国の興味深いニュースを追っていきたいと思います。次回もお楽しみに!


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