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みなさま、こんばんは。

今年1月の投稿で、ガーナでサハラ以南初となるLNGプロジェクトが今年3月末までに着工する見込みであるとご紹介しましたが、本日はプロジェクトの進捗度合いに関する続報をお伝えいたします。

ぜひ関連記事も合わせてご覧下さい。


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記事:「ガーナ:サハラ以南アフリカ初のLNG輸入国となるべく準備中」

「Ghana gears up for sub-Saharan Africa’s first LNG imports」

記事リンク:https://www.spglobal.com/platts/en/market-insights/latest-news/natural-gas/030521-ghana-gears-up-for-sub-saharan-africas-first-lng-imports

内容と背景:

LNGはコストと環境両面での利点から、これまで主なエネルギー供給源としての役割を果たしてきた石油や石炭などの化石燃料にとって代わるクリーンなエネルギーとして近年世界的に注目を集めています。人口の増加や経済の成長から今後エネルギー消費量が大幅に増加すると予想されているアフリカ大陸では、北アフリカや西アフリカ地域の国々を中心に多くのLNG輸出プロジェクトが行われています。一方でLNGの輸入に目を向けると、2015年に輸入を開始したエジプトがアフリカ唯一のLNG輸入国となっています。

そんななか1月の投稿でもご紹介しているように、現在ガーナがサハラ以南で初のLNG輸入国となるべく、今年3月末の着工を目指し、TemaLNGターミナルの整備を進めています。このプロジェクトはガーナ初のLNG輸入・貯蔵・輸送会社であるTema LNG Terminal Company (TLTC)がHelios Investment PartnersとAfrica Infrastructure Investment Managersの支援を受ける形で進められています。整備が進められているTemaLNGターミナルは専用の浮体式再ガス化船と独立したLNG貯蔵船で構成されており、年間170万トンものLNGを輸入する能力があると見込まれています。

本日ピックアップしている記事によりますと、TemaLNGターミナルを経由して輸入されたLNGは、大手石油会社Shellとガーナ国営石油会社GNPCとの長期契約に基づいて供給される予定のようです。Shellは今年2月に行った戦略プレゼンテーションのなかで、ガーナでのLNGの最初のサプライヤーになるなど、新たな市場を創出することでLNG市場のフットプリントを拡大したいと述べており、ガーナへの供給を通じて新規市場を獲得したい狙いがあると考えられます。

今年3月末までに着工し、第1四半期中に最初のLNG貨物が到着すると予想されてきたTemaLNGターミナルですが、その進捗状況に関して本日ピックアップしている記事によりますと、オフテイカーであるShellとサプライヤーであるGNPCが現在貨物到着後の供給日程を決定しているところのようです。先週3月4日(木)にはプロジェクトの担当者が、今年3月末にTemaターミナルの完全な稼働準備が整うだろうとのコメントを残しており、ターミナルが数週間以内に初のLNG貨物を受け取る予定であることに変わりはないようです。

1月の投稿でも触れていますが、現在ガーナは自国でのガス生産と西アフリカガスパイプライン(WAGP)を経由したナイジェリアからの輸入にエネルギーを依存しています。サハラ以南のアフリカ全域で考えた場合でも、WAGPの他に国境を越えるガスパイプラインはモザンビークから南アフリカまで通っているものしかなく、サハラ以南諸国は自国での生産と2つの大規模なガスパイプラインにエネルギー供給を依存している状況です。TLTCのプロジェクトマネージャーであるEdmundAgyeman-Duah氏はTemaLNGターミナルを経由した供給により、ガーナは信頼性が高く費用効果の高いガスを国内に供給することが可能になると、従来のガス供給にLNG供給が加わることに期待を示しています。

またリスクコンサルタントのPangea-Risk氏は、移行燃料としてガスを選択し、世界のLNGサプライチェーンを接続させることで、ガーナは環境に優しい未来を推進する上で先発者としての優位性を確保したと述べ、今回のプロジェクトによりガーナが世界的なクリーンエネルギーへの移行を後押しするだろうとの見解を示しています。さらに記事では、ガーナにとってLNG輸入の開始はガス火力発電セクターの開発を後押しする動きであるとの見方にも言及しています。

アフリカ天然ガス貿易投資連合(ACTING)が先月発表した報告書によると、アフリカ大陸では国内でのガス生産のさらなる収益化、発電量の増大、産業への信頼性の高い電力供給を実現するという政策推進の高まりなどにより、2040年までにガス消費量の年間成長率が約3.2%に達すると予想されています。

関連記事によると、2015年よりLNG輸入を開始しているエジプトや、赤道ギニア、アルジェリアといった北アフリカ諸国を中心とする一部の国は天然ガス供給のバリューチェーン拡大に成功しています。その一方でサハラ以南のアフリカ諸国では、将来的に増加が見込まれているガス消費に見合う供給量を確保しようと、現在もタンザニアとウガンダを結ぶものや、ナイジェリアとアルジェリアを結ぶものなど複数のガスパイプライン構築に取り組んでいます。またLNG供給に関してはガーナに続きモザンビークや南アフリカでも輸入ターミナルの整備等を含むプロジェクトが計画されています。

今月末までにプロジェクトが着工し、第1四半期中に最初のLNG貨物を受け入れることができるのか、今後の動向を注視したいところです。関連記事には現在サハラ以南地域で計画されている複数のガスパイプラインプロジェクトやLNGプロジェクトの概要を紹介している記事、またアフリカにとって移行燃料としてのLNGの必要性を解説している記事を載せています。ぜひ合わせてご覧下さい。

関連記事:

  1. 「Intra-African Gas Pipelines: Operational And Upcoming Projects」Link
  2. 「African gas pipeline projects compete with coal and LNG power」Link
  3. 「7 Major Upcoming Oil & Gas Projects In Africa」Link
  4. 「Could LNG be Africa’s breakaway opportunity from coal?」Link
  5. 「Emerging LNG And CNG Markets Drive African Industrialization」Link
  6. 「Africa’s LNG opportunity」Link
  7. 「LNG Markets Conducive to “Gas to Power” in Africa」Link
  8. ガーナでサハラ以南初となるLNGプロジェクト着工へ!【Pick-Up! アフリカ Vol. 76:2021年1月8日配信】Link
  9. アフリカの気候変動への取り組みは?【Pick-Up! アフリカ Vol. 82:2021年1月16日配信】Link
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