みなさま、こんばんは!

本日はエネルギーおよび環境関連の話題として、今年3月末までにガーナでサハラ以南のアフリカで初となるLNGプロジェクトが着工する見込みであるという最新ニュースをお届けしています!

エネルギー関連の話題としては、以前ルワンダで核科学技術センターが建設され、同国が原子力産業への注力を強化しているといった話題も紹介していますので、ぜひ関連記事に載せた過去の投稿と合わせてご覧ください!


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記事:「ガーナでサハラ以南初となるLNGプロジェクトが着工へ」

「Ghana Set for First Sub-Saharan African LNG-to-Power Project」

記事リンク:

https://www.bloomberg.com/news/articles/2021-01-07/ghana-to-open-sub-saharan-africa-s-first-lng-to-power-project

内容と背景:

本日はエネルギーおよび環境関連の話題をお伝えいたします。

本日ピックアップした記事によりますと、サハラ以南のアフリカで初となる液化天然ガス(LNG)プロジェクトがガーナで今年3月末までに着工される予定であるようです。

LNGはそのコストと環境両面での利点から、これまで世界的に主なエネルギー供給源としての役割を果たしてきた石油や石炭などの化石燃料にとって代わるクリーンなエネルギーとして近年注目を浴びており、特にアジアやラテンアメリカ地域を中心に現在も複数のLNGプロジェクトが実施されています。今回ガーナでサハラ以南のアフリカで初となるLNGプロジェクトが開始される見込みとなった背景には、より安価でクリーンな燃料を供給するハブとしての地位を確立したいガーナの狙いがあると考えられます。

3億5,000万ドル規模に及ぶこのプロジェクトは、ガーナ初のLNG輸入・貯蔵・輸送会社であるTema LNG Terminal Company (TLTC)がHelios Investment PartnersとAfrica Infrastructure Investment Managersの支援を受ける形で進められています。記事によるとTLTCは約2年前からプロジェクトの構築を開始しており、今週6日水曜日には中国の江南から浮体式LNG再ガス化ユニットを受け取ったようです。さらに最新の発表では、同社がスペインのLNG輸送関連会社Reganosa Servicios SLと、浮体式ユニットとそれに連動する6㎞に及ぶガスパイプラインの運用保守に関する契約を交わしたことが明らかになっています。

TLTCでプロジェクトマネージャーを務めるEdmund Agyeman-Duah氏の話によると、このプロジェクトでは年間170万トンもの天然ガスを供給できる見込みであり、プロジェクトが着工されれば、ガーナから主に西アフリカ地域に位置する他の周辺諸国への燃料提供が実現するようです。

ガーナの電力消費量は、先進国やサハラ以南のアフリカ地域全体で見た場合の一人当たり消費量と比較すると依然として少ないものの、経済の成長とともに近年徐々に増加しており、電力消費量が近年増加する傾向はガーナだけでなく西アフリカ諸国地域全体で見られる傾向となっています。

Songhai Advisory Group Ltd.,のアナリストであるKissy Agyeman-Togobo氏は記事のインタビューの中で、現在西アフリカ地域に位置する国々はエネルギー供給を安全性や供給量といった面で常に信頼できるとは限らない西アフリカガスパイプライン(West African Gas Pipeline)に依存しており、TLTCが構築を主導しているLNG設備が完成すれば、その依存度が減少すると述べ、プロジェクトに期待を寄せています。

人口の増加や経済の発展により今後電力消費量の増加が見込まれるアフリカ大陸では、エネルギー供給は重要なテーマと言えます。LNG発電は石炭を燃焼させて発電する場合の約半分の温室効果ガス、そして40%から50%の二酸化炭素しか排出しないと言われており、環境面での悪影響が少ないことが明らかになっています。加えて処理済みLNGは重油よりも30%から35%価格が安いとのデータも出ており、環境面だけでなく、コスト面での利点から今後さらなる活用が期待されています。

昨年7月にこちらの投稿でもご紹介しているのですが、実はアフリカで実施されているLNGプロジェクトとしては当初モザンビークの事例が注目されていました。アフリカ開発銀行を中心に20以上もの金融機関が関わり、日本政府も140億ドルの投資を行ってきた同プロジェクトですが、実は昨年4月に国内で最初のコロナウィルス発症事例が報告された場所であることや、イスラム過激派による攻撃がプロジェクト近郊で活発化していることなどから、その進捗は難航しているものとみられています。

モザンビークでも巨大なLNGプロジェクトが進行中であるものの、今回とりあげたガーナでのLNGプロジェクトがサハラ以南初の試みであると紹介されている理由としては、モザンビークでのプロジェクトが上記の理由で難航していることや、生産開始予定がモザンビークは2024年である一方、ガーナは今年2021年3月ごろとなっていることなどが挙げられます。

ガーナでのプロジェクトが今年春に着工されれば、サハラ以南のアフリカで初の動きとなるだけに、高い注目が集まっています。こちらの投稿でもモザンビークのプロジェクトと合わせてその最新の動向を追っていければと思います。

関連記事:

  1. 原子力産業への注力を示すルワンダ、その背景とは?【Pick-Up! アフリカ Vol. 26:2020年11月3日】Link
  2. ルワンダにて核科学技術センター建設へ、他エネルギー関連の話題【面白記事 Vol. 72:2020年6月29日配信】Link
  3. 日本政府も参加!モザンビークの液化天然ガス事業【面白記事 Vol. 76:2020年7月4日配信】Link
  4. 「Total reduces Mozambique LNG staff as rebels step up attacks nearby」Link
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