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Pick-Up! アフリカでは、昨年7月12月に東アフリカ地域にてサバクトビバッタが大量発生し作物を食い荒らしていることから、食糧の安全保障が脅かされているとお伝えしてきました。本日はその発生状況や対策に関して、現在の最新情報をお届けいたします。


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記事:「サバクトビバッタに関する最新情報」

Desert Locust situation update

記事リンク:

http://www.fao.org/ag/locusts/en/info/info/index.html

内容と背景:

以前の投稿でもお伝えしている通り、エチオピアやケニア、ソマリア、またスーダンなど東アフリカ地域に位置する国々では、昨年春の大雨が繁殖に理想的な環境を作り出してしまい、サバクトビバッタの大群が発生し続けています。サバクトビバッタは農作物を食い荒らす特性をもつことから、現地の農家らが甚大な被害を受けており、特に食糧の安全保障が脅かされていることが問題視されています。

実際昨年7月の投稿ではソマリアにて近年バナナ産業が復興し、バナナの対外輸出が好調であるというニュースをお伝えしましたが、今年1月の関連記事によるとそのバナナ産業もサバクトビバッタによる食い荒らし被害を受け、現在は生産が脅かされているようです。記事ではソマリア中央部で農家を営むAbdiwahab Ahmed Saney氏の言葉が紹介されており、彼はコメントの中で、サバクトビバッタはトマト、バナナ、オレンジ、またレモンの木を破壊しており、生産量の低下により深刻な損失に直面していると述べています。

昨年12月頭の時点では、エチオピアとソマリアにて幼虫状態のサバクトビバッタが群れを形成し、12月2週目にかけて再びケニア北部に飛来する可能性があるとの予測をご紹介しました。国連食糧農業機関(FAO)が「Locust watch」というサイトにて今年3月3日に更新している最新情報によると、ケニアでは北からの飛来に対し順調な統制活動が行われ、現在国の北部と中央部に存在する群れは1年前と比較するとサイズが小さく、数もはるかに少なくなっているようです。

一方で、2月最後の週に降った雨がエチオピア南部とケニア北部で群れの成熟や産卵を加速させ、今月下旬にかけて群れを大きくする可能性があるとの予測が示されています。またソマリアやスーダンでも引き続き群れが確認されているとの情報も掲載されています。今年の春は通常より降雨量が少ないと予想されており、制御活動が継続して行われていることから、今後の繁殖は制限されるとの見解が示されているものの、大量発生から1年が経った現在も根絶には至っていないことが確認できます。

これまで各国政府やFAOは主に空中からの監視やスプレー散布、また農家への認証された種子や肥料の配布などの対策を講じてきました。関連記事によると、FAOはこれまで年間2,080万人以上を養うのに十分な9億3,900万ドル相当の、310万トン以上に及ぶ穀物を保護し、150万人以上もの牧畜世帯を保護してきたようです。

加えて別の関連記事によると、政府や国際機関の他に民間企業からも対策に向けたソリューション開発の動きがみられるようになってきているようです。記事によると、ケニアのスタートアップThe Bug Picture社はサバクトビバッタを収穫し製粉したのち、たんぱく質が豊富な動物飼料と有機肥料を変えるソリューションを開発しているようです。

同社は現在スプレー散布に適さないケニア中部の居住地に生息するサバクトビバッタをターゲットにしており、ビジネスモデルとしては1kgの収穫あたり50ケニアシリング(約0.45ドル)を地元コミュニティに支払い、精製した動物飼料や有機肥料を農家などに販売するモデルを採用しているようです。

The Bug Picture社の創設者であるLaura Stanford氏は記事のインタビューの中で、コミュニティの人々がサバクトビバッタに対する見方を、農作物を食い荒らす害虫から、収穫してお金にすることができる季節の作物へと変えることができるよう、手助けしようとしていると述べています。

マッキンゼー社のレポートによると、サバクトビバッタが大量発生しているエチオピアやケニア、ソマリア、またスーダンなどの国々が位置するサブサハラアフリカと呼ばれる地域では、人口の60%が小規模農家であり、GDPの約23%が農業に由来しているとの分析が示されています。この統計からお分かりいただける通り、アフリカ大陸では農業が大きな社会的および経済的インパクトを占めているなか、サバクトビバッタによる作物の食い荒らしは農家の収入低下や食糧危機といった観点で人々の生活や経済を脅かしており、迅速な制御や駆除活動などの対応が求められると考えられます。

関連記事でもタンザニア政府が隣国のケニア政府に対応の強化を求める主張が紹介されていますが、サバクトビバッタは国から国へと飛来する特性を持っていることから、個々の国々が独自で対策を講じるのではなく、各国政府や国際機関、また民間企業など官民が連携して対応を考えていくことが重要であると言えます。

実はサバクトビバッタの大量発生は今回に限った話ではなく、これまでも降雨量が増加した年に発生が確認されています。21世紀に入ってからも2003年から2005年にかけて大量発生が確認されており、その際は降雨量の減少が続いた際に収まったと言われています。今年の春は降雨量が少ないと予想されているだけに、今後繁殖が収まり大量発生が落ち着くことを願ってやみません。

上述した「Locust watch」というFAOのサイトでは、毎月サバクトビバッタの発生状況に関して最新の情報が更新されています。サバクトビバッタの発生や制御状況を確認の際はぜひこちらのサイトをご覧ください。

関連記事:

  1. 東アフリカで再びバッタが大量発生か【Pick-Up! アフリカ Vol. 50:2020年12月1日配信】Link
  2. アフリカの農業セクターを脅かすバッタの大群と深刻な干ばつ【面白記事 Vol. 87: 2020年7月17日配信】Link
  3. エジプトで農作物輸出が好調 / ソマリアのバナナ産業復興へ【面白記事 vol. 75:2020年7月3日配信】Link
  4. 「Food and Agriculture Organization of the United Nations (FAO) aims to provide livelihood assistance to nearly 49 million people in 2021」Link
  5. 「Farmers fight back: Making animal feed from a locust plague」Link
  6. 「Govt in joint EAC locust control bid」Link
  7. 「Winning in Africa’s agricultural market」Link
  8. 「Somalia Locust Invasion: Farmers reel from crop losses after swarms destroy farmland」Link
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