★目次★
海外、とくにアフリカでは、野良犬や家畜の動物が街にいることも多く、犬や猫などの動物と接触する機会は珍しくありません。そんなときに気を付けたいのが「狂犬病」です。発症した場合の致死率はほぼ100%とされており、感染が疑われる場合はすぐに医療機関を受診する必要があります。犬だけでなく、コウモリなどを含むさまざまな動物に噛まれたり、引っかかれたり、舐められたりした場合にも感染の可能性があります。
今回は、実際に現地で動物と接触し、狂犬病の疑いがあるとされた方に当時の状況や対応をインタビューしました。
同じような状況で悩んでいる方の判断材料になれば幸いです。
狂犬病とは?
狂犬病は、ウイルスを持つ動物に噛まれたり、引っかかれたりすることで感染する病気です。発症すると致死率はほぼ100%とされていますが、感染の可能性がある段階で適切な処置とワクチン接種(曝露後ワクチン)を行えば予防することができます。
感染源は犬だけでなく、猫・猿・コウモリなどの哺乳類も含まれます。そのため、海外では動物との接触後、早めに医療機関へ相談することが重要です。
インタビュー内容
今回は、実際に海外で猫に引っかかれ、帰国後に狂犬病の疑いがあるとされた方にお話を伺いました。
まずは基本情報から
—— どこに滞在していましたか?
トルコのイスタンブールに3日間、旅行で滞在していました。
—— 事前に狂犬病ワクチンは打っていましたか?
はい、1年前くらいに事前接種をしていました。(狂犬病のワクチンの有効期限は約2年)
当時の状況は?
—— どんな状況でしたか?
トルコって街に猫がたくさんいることで有名なんです。猫好きの私からすると天国で(笑)。
到着した瞬間から帰国まで、猫を見つけては触っていました。
街を歩けば普通に猫がいて、寝ている猫を撫でたり、膝に乗せたりしていました。ほとんど野良だったと思います。
—— 実際にどう接触しましたか?
一度、引っかかれました。
猫って急に不機嫌になりますよね(笑)。引っかかれたのは一回でしたが、引っかかれそうになることは多々ありました。
出血は少しだけですぐに止まりました。よくある猫の引っかき傷という感じでした。
その直後の対応は?
—— 何か処置はしましたか?
アルコールシートで手を拭きました。
—— そのとき狂犬病は意識しましたか?
正直、全然考えていませんでした。
「粘液に触れなければ大丈夫」と勝手に思っていて、気にも留めていませんでした。
そのため現地では病院にも行きませんでした。
帰国時に異変が
—— 狂犬病ではないかと疑ったのはいつでしたか?
帰国する日に体が重くて、頭痛もひどく、飛行機が本当に地獄でした。
何か感染症だったらまずいと思って、日本の空港の検疫所の健康相談室に行きました。猫に引っかかれてから2日後です。
検疫所の健康相談室では心当たりのあることを言いました。エジプトにも行っていたので、水道水や屋台のことも含めて、心当たりのあることは全部話しました。
でも「猫に引っかかれた」と言った瞬間、職員の方が慌てたんです。
そのとき初めて、「あ、やばいかも」って思いました。
その後検疫所では、狂犬病の説明を受けて、自宅周辺で医師に相談してください、と言われ、病院の紹介状みたいなものをもらって帰宅しました。
一緒に行った友人は「撫でただけ」でしたが、
手に傷があったため、同様に注意が必要と言われていました。
—— 曝露後ワクチンはどんな感じでしたか?
帰宅したのが金曜日のお昼だったので、近くの病院に電話して医師に相談しました。
医師からは引っかかれたのなら曝露後ワクチンを受けた方が良いと言われ、すぐに来るように言われました。ですが、その日にはすでに予定があったので、帰国して3日後に1回目、2日後に2回目を接種しました。曝露後ワクチンは2回で、1回目の2日後に2回目を打つ必要があったと記憶しています。1回 3,940円(保険適用)で、1年前の事前接種は1回1万円くらいだったので、保険がきいて安く感じました。普通の筋肉注射で、痛みなどの副作用も特にありませんでした。
医師に相談した時点で37.5℃ほどの熱と頭痛があったのですが、狂犬病は症状が出るのが遅く1週間以上後に出るとのことで、この症状が狂犬病ではないことに安心していました。
ちなみに発熱と頭痛は狂犬病ではなく、インフルエンザBの症状でした。
当時の気持ち
—— 当時どんな気持ちでしたか?
呑気だった自分を恨みましたね。
狂犬病が致死率100%のことさえ知らなかったので、検疫所で説明を受けて血の気が引きました(笑)。
発熱があり、頭痛と倦怠感も酷かったので、その症状が狂犬病じゃないと言われても死ぬんだとか思っちゃいました。ただのインフルBだったんですけどね。
今だから言えること
—— 同じ状況の人へメッセージをお願いします。
海外では、基本的に動物には触らない方がいいです。
検疫所の方にも医師にも強く言われました。
トルコの猫は人懐っこいですが、それはアフリカの国でも同じことが言えます。
距離を取ることが一番の予防だと思います。
編集後記(アフリカ渡航者へ)
今回の体験はトルコでの出来事ですが、海外で動物と接触するリスクは地域を問わず存在します。
アフリカでも、
・道端で近づいてくる犬・猫
・家畜の鶏や牛、ヤギ
などと接触する機会は十分あります。
「引っかかれただけ」
「撫でただけ」
そう思っても、迷ったら必ず医療機関へ相談してください。
狂犬病の感染経路や症状については、別記事で詳しく解説しています。
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