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本日は南アフリカのヘルスケアに関連する記事をご紹介します。

毎年刊行され、今回で23本目となった南アフリカの年次ヘルスレビューの報告書の最新版が先週リリースされました。2020年度版は障害のある人々の医療に焦点を当てた内容になっているということです。

本日は約300ページにも及ぶ報告書から、いくつか興味深いトピックをピックアップしてご紹介しています。ぜひ、ご覧ください!


南アフリカ:2020年のヘルスレビュー、障害のある人々の医療に焦点を当てる

The 2020 South African Health Review focuses on healthcare for people with disabilities

記事リンク:https://www.news24.com/health24/news/public-health/the-2020-south-african-health-review-focuses-on-healthcare-for-people-with-disabilities-20210120

South African Health Review 2020 https://www.hst.org.za/publications/South%20African%20Health%20Reviews/SAHR_2020_WEB_FINAL.pdf

内容と背景:

毎年刊行されている南アフリカのヘルスケアレポートの昨年度は、ユニバーサルヘルスカバレッジ(UHC)を主なテーマとして、「誰も置き去りにしない公平で包括的な国民医療制度」の内容が20章に渡って扱われていました。

今年度の報告書では、「障害のある人々が医療サービスにアクセスする際に、直面する課題」に焦点を当てているものになっています。

障害のある人は障害のない人よりも医療ニーズが高いということが示されています。しかし、障害のある人々の多くが、様々な課題により医療にアクセスできていない状況が散見できるようです。
そこで、既存の障害に関する政策と計画を実施するためのより高いレベルの政治的リーダーシップや資金が必要になるということが結論づけられていました。

また、この報告書では、障害者が抱える課題だけではなく、障害啓発活動(PADIプロジェクト(People for Awareness of Disability Issues))などにおける、障害のある当事者の役割について言及されている章もありました。

多くの場合は、障害のない人々によって障害啓発プログラムが推進される傾向があります。しかし、南アフリカでは、当事者自らが実力を発揮し、プログラムを推進する機会が存在しているということです。

ここで報告されていた具体的な内容としては、「障害のある教員」を積極的に大学等に雇用することによって、学生たちの効果的な理解の深化繋がっているという調査結果が紹介されていました。(報告書5ページ参照)

しかし、その一方で、より適切な支援や理解を必要としている人々がたくさんいることも事実です。

今年の国際障害者デーでは、「Not all Disabilities are Visible」がテーマとして掲げられ、「見えない障害への認識と理解を広げること」が重要なトピックとして認識されています。

WHOの障害に関する世界報告書によると、世界の人口の15%、つまり10億人以上が何らかの障害を持って生活していると言われています。このうち、4億5000万人が精神的な障害があると推定されており、これらの人々の3分の2は、主に偏見、差別などために専門的な医療援助を求めることができていません。

南アフリカでも、特にうつ病の蔓延が進んでいるにもかかわらず、南アフリカのメンタルヘルスケアは十分なリソースがなく、脆弱な人々を治療せず、サポートも不十分なままにしているということがこの報告書では言及されています。

そこでこの報告書では、これらの課題に南アフリカがどのように取り組む必要があるか、を考える上で、世界各国で行われている障害者分野におけるヘルスケアのグッドプラクティスを紹介していました。

ここでその内容を一部抜粋してみます。

例えば、ウガンダで行われた「ウガンダの母子メンタルヘルスプロジェクトサービス(Maternal Mental Health Project)」では、紛争があった地域で深い心の傷をおった母親を対象として行われたプロジェクトで、プライマリヘルスケアを早い段階で提供することのできるモデルとなっています。

内容としては、メンタルヘルスのスペシャリストであるプライマリヘルスケアワーカーが、簡単なスクリーミングを通して、うつ病と診断された母親に対して、ビレッジヘルスチームにつなげ、適切なケアに斡旋するという流れになっているものです。

村の保健チームとコミュニティメンバーへのタスクシフトを通じて、プライマリヘルスケアワーカーとメンタルヘルススペシャリストの負担を軽減することにより、サービス提供とそれぞれの労働力を強化することに役立ったと分析されています。このようなグッドプラクティスから学びが得られるということが言及されていました(報告書81ページ参照)

この報告書は、約300ページにも及ぶボリュームになっていますが、アフリカのヘルスケア分野や最新の障害者分野において、濃い内容が詰まっているものになっていると感じます。

出回っている障害者関係の文献や報告書は古いものも多いので、最新の情報について知りたい場合には、良い参考になるのではないかと思いました。


関連・参考記事:

  1. International Day of People with Disabilities 2020 – Link
  2. SOUTH AFRICAN HEALTH REVIEW 2019 – Link
  3. コロナ禍でのケニア難民キャンプ、メンタルヘルスケアの課題【Pick-Up! アフリカ Vol. 7 (投稿:2020年10月12日)】- Link
  4. 南アフリカ、障害のある子ども:教育から社会へのプロセス【Pick-Up! アフリカ Vol. 37 (投稿:2020年11月16日)】 – Link
  5. 南アフリカ:障害のある人だけを雇用する世界初の字幕制作会社【面白記事 Vol. 143: 2020年9月24日配信】- Link
  6. 南アフリカ、公用語に手話の追加を検討【面白記事 Vol. 137: 2020年9月17日配信】- Link

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