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AfCFTAが施行された現在、これからの数ヶ月何を期待すべきか?

英題:AfCFTA is Now Operational: What to Expect in the First Few Months

記事リンク:https://www.theafricalogistics.com/2021/02/15/afcfta-is-now-operational-what-to-expect-in-the-first-few-months/

内容と背景:

2021年1月1日からAfCFTAは施工されたわけですが、54ヵ国中、53カ国が加盟するなど、文字通り「アフリカ大陸」自由貿易圏になったと言っていいのではないでしょうか?現在はエリトリアがまだ参加していない状態で、彼らの参加も気になるところですが、一体この2ヶ月で何がどのように行われ、参加国はどのように適応しているのでしょうか?

記事では、10年〜13年かけて、次第にこの枠組みが作られていく計画だとしています。ただ、それぞれの国の参加度合いは少し違うところにあるようです。関連記事にもある、関税に関する話題では、43カ国と、SACU(南部アフリカ関税同盟:Southern African Customs Union)、EAC(東アフリカ共同体)、CEMAC(中央アフリカ経済通貨共同体:Economic and Monetary Community of Central Africa)、ECOWAS(西アフリカ諸国経済共同体)とが関税に関する提案の提出と関税に対する取り組みへのコミットメントの表明を行なったとしています。この数字からも見えるように、まだ全ての国から、提言やそれぞれの国にとって望む形を示す提案書の提出を受けられていないだけでなく、コミットメントをも取り付けることに苦労しており、既に施行されているという状況にありながらも、このような状況であることが、AfCFTAの進捗が予定より遅れているのかが垣間見えます。

実際、昨年5月に出されたAfCFTAの施行において各国がどれくらい準備できているかというレポートでは、50%以下の準備具合と結論づけられており、もともと7月に施行予定だった同協定が6ヶ月伸ばされたこともうなずけました。しかしその期間をおいてもまだ準備できていないことは少し心配にもなってきます。

さらに記事では、AfCFTAではまず5つのセクターへの取り組みから始め、のちに残りのセクターでの取り組みの強化に移行していくと書いてあります。最初の5つのセクターとは、ビジネスサービスセクター、コミュニケーション、金融、輸送・運送、観光の分野と共有されています。さらに、サービスセクターが現在アフリカ大陸内の貿易の60%をしめていて、とても重要な役割をになっていることを示しています。そして、現在物理的なインフラがあまり整っていないアフリカにおいて、ITを介したサービスがアフリカ大陸の経済発展に大きな影響を持っていることから、この分野での取り組みを先に進める意義が大きいとしています。しかし同時に、この分野の更なる発展や、AfCFTAかでの拡大には、国境間の貿易の際にこの分野に及ぶ制限をどれだけ小さい規模にとどめることができるかにもかかっているとも続けています。

また、アフリカ大陸で多くの国々が原料の輸出に依存していることをあげ、新しい産業が育つことを待つか、あるいはこれらの物理的な製品の大陸内での自由な移動、さらには、それらの原料を加工することができるか、AfCFTAの将来を大きく占うとしています。そして、こう言った状況下では、製造業や、加工業を発展させた国々がより最初のうちは他の国よりも大きくAfCFTAによる好影響を得られるだろうとしています。

原産地規則に関しても記事では触れられており、比較的簡単に原料や原産地などを特定することができるものに関しては、スムーズに規則の適応ができるだろうとしているものの、そのような判定が簡単にできないものに関しては少し難しい交渉が待っているだろうとしています。

実際、こちらの記事でも共有していますように、「Made in Africa」の再定義は非常に重要なものになってくるでしょう。しかし、この話し合いがしっかりと行われることで、アフリカ内の貿易の障壁となってきたものを取り除くことができるだけでなく、製造業など、原料に何かしらの手を加える産業の発展にもつながることでしょう。

また、記事では各国内での政策などにも触れており、これらの政策だけでなく、今後新たに制定される政策がAfCFTAで制定しようとしている環境に沿ったもの、あるいはそれを意識したものにできるかも重要な項目になるだろうとしています。実際、非関税障壁(Non-tariff Trade Barriers:NTBs)に関しても触れられているのですが、特別な理由の元では、この条項下で設定された成立での取引を拒否することができるようになっているようです。ただ、記事ではこれこそがこの「自由貿易」を実現しようとしている取り組みの根本を妨害することになるのではないかとの見解を共有しています。

記事では最後に、全てを一振りで実現してしまうマジックはなく、これまであった国家間の関係の上に出来上がっているものであるとし、多くの事象による影響を受けるだろうと共有しています。従って、何よりも各国のこの貿易圏に実現に対する強いコミットメントが求められることは容易に想像できるでしょう。

関連記事にありますように、ガーナはAfCFTAの事務所を構えているわけですが、外務大臣によるとまだAfCFTAがもたらす恩恵を受けていないと話すと同時に、この恩恵を受けるまで待つ必要があることも認識しているようです。

また、ナイジェリアは、AfCFTAを承認しているものの、協定を活用した貿易はまだ開始していないと記事でも話されています。これは「ナイジェリア国内での議会の承認なしに、何かを施行することがでいない」という政策によるところが大きく、現在ナイジェリア国内のAfCFTAはこの状態にあることから、AfCFTAの政策に則した取引はまだ行えていないという状態のようです。

いずれにしても、現在それぞれの国が違ったAfCFTAへのアプローチをとっていることは、AfCFTAのフルインプリメンテーションと、各国の積極的な参加の姿勢を見るのも難しくなっていくことを暗示しているのかもしれません。

アフリカ各国だけでなく、世界のビジネス界も期待している取り組みなだけに皆が同じコミットメントで取り組めるようになる日が楽しみなものです。

引き続き、こちらの件に関しては追い、お届けしていきますので、お楽しみに!


関連記事:

  1. AfCFTA、中国との関係はどうなる?【Pick-Up! アフリカ Vol. 112:2021年2月21日配信】Link
  2. AfCFTA、今はどういう状況?【Pick-Up! アフリカ Vol. 100:2021年2月7日配信】Link
  3. 「Ghana not yet seeing benefit of AfCFTA due to COVID-19 – Ayorkor Botchwey」 – Link
  4. 「NOTN: Why Nigeria has not started trading under AfCFTA」Link
  5. 「Will The AfCFTA Be The Heartbeat Of The Global Economy?」 – Link
  6. 「AfCFTA Year Zero Report」Link

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