ルワンダでの環境に配慮した冷蔵庫の普及の重要性

英題:Climate friendly refrigerators need to be prioritised in Rwanda

記事リンク:https://www.esi-africa.com/industry-sectors/energy-efficiency/climate-friendly-refrigerators-need-to-be-prioritised-in-rwanda/

内容と背景:

本日はルワンダでのフロンガス排出に対する取り組みについての記事をご紹介します。

フロンガスの変遷と環境問題

これまでの研究によってオゾン層の破壊は地球に降り注ぐ紫外線量を増加させ、地球上の生物に有害な影響を与えることが証明されてきました。そのために、国際社会はその原因とされるフロンガスの減少に取り組んできました。(文末資料1

フロンガスは主に冷蔵庫やエアコンといった冷却装置に使用されてきましたが、この分野でのフロン規制により、冷却装置にはオゾン層を破壊しない「代替フロン」が使われるようになりました。

しかしながら、近年代替フロンが高い温室効果を持っていることが明らかになったためにオゾン層と地球温暖化への影響が小さい「グリーン冷媒」へのエネルギー転換が求められています。(文末資料2

同資料(文末資料2)には、この新たなエネルギー転換の重要性にも関わらず、日本では夏のエアコン使用量の増加により2019年の代替フロンの排出量は前年比5.7%、2013年比54.8%、2005年比288.9%増加したことが示されています。

また今回の記事では、アフリカのルワンダでも同様に代替フロンの使用量が増加傾向にあることが紹介されています。

記事では、ルワンダでの電力供給の拡大で冷蔵庫の使用台数が増加し、2020年には国内で97,512台の冷蔵庫が稼働していたと示されています。それによって代替フロンの排出量が増加している上に、国内で約35000台稼働している4年以上前に発売された冷蔵庫のうちのいくつかは未だにオゾン層を破壊するフロンガスを使用しているという事実も共有されています。

キガリ改正への期待

こうした状況から、モントリオール議定書のキガリ改正に注目が集まっています。

モントリオール議定書とは、オゾン層の変化により生ずる恐れのある悪影響から人の健康及び環境を保護するために、オゾン層を破壊する物質の廃絶に向けた規制措置を実施する国際的な取り決めのことを指します。この議定書は1987年に採決され、現在196か国とEUが締結しています。

キガリ改正はこのモントリオール議定書に代替フロンへの規制を盛り込んだ改正提案であり、2016年にルワンダ、キガリで開催されたたMOP28(第28回締約国会合)で採択されました。

キガリ改正は批准国を途上国第一グループ、途上国第2グループ、先進国の3つのグループに分け、先進国は2036年までに、途上国は2040年代に代替フロンの排出量を80%以上削減することを目標としました。(文末資料3

記事では、この目標を達成することによって21世紀末に0.4℃気温の上昇を抑えることができるとされており、それがパリ議定書の目標の達成や壊滅的な気候変動の回避に大きく寄与すると述べられています。

また、こうしたことから環境活動家たちはキガリ改正への加盟とその実施の重要性を訴えてきており、その影響もあって現在127か国がこれに加盟しているという事実が共有されています。

127国の中には日本やEU、中国といった影響力のある国々も存在しており(文末資料4)、その効力に期待がなされるとともに、この改正案の締結地であるルワンダの果たす役割や取り組みにも注目が集まっています。

ルワンダのフロンガス排出に対する取り組み

ルワンダは先ほど述べたような国内のフロンガスの問題に対して積極的に取り組んでおり、記事では、ルワンダがフロンガスや代替フロンから環境に優しいエネルギーにシフトしていくための投資を増加させていることが紹介されています。

またルワンダ政府は国家冷却戦略(a national cooling strategy)により、最少エネルギー性能基準(国内で販売される電気製品のエネルギーパフォーマンスの最小基準)に則ったエネルギー効率の良い電化製品の製造、販売を促すとともに、環境に配慮した、効率化されたコールドチェーンの形成を促進しているとも述べられています。

さらに、Rwanda Cooling Environment Authority(REMA)によって、旧式のエアコンや冷蔵庫をリサイクルすることで環境に優しくエネルギー効率の良い冷却装置の価格を下げる取り組みについても紹介されており、こうした取り組みから、オゾン層を破壊するフロンガスの量はルワンダ国内ですでにキガリ改正締結時と比べて54%減少したとされています。

ルワンダの取り組みは国内だけに留まらず、アフリカ全体を巻き込むような活動も行っています。

実際に記事では、ルワンダでイギリス、国連環境計画などの支援によってAfrica Centre of Exellence for Sustainable Cooling and Cold Chainという組織が設立され、この組織がアフリカ全体での研究、開発の協力関係の強化、能力育成、意識向上、技術展開を促すことでアフリカのフロンガスの問題に取り組もうとしていることが述べられています。

またこちらの記事では、この組織がフロンガスの削減の促進に留まらず、コールドチェーン網の創出によってフードロス削減や農家収入向上の実現に貢献する上に、ワクチンの低温管理を可能にし、現在世界が直面しているコロナウィルスを収束させるのに役立つとも言われています。そのために、この組織がアフリカにおいて多面的に広い影響力を持つようになることが示唆されています。

こうして、ルワンダはキガリ改正を通し、フロンガス削減への取り組みにおいてアフリカ、世界をけん引するような存在へと変貌を遂げつつあります。

今回は環境問題の中でもフロンガスに焦点を当てた記事をご紹介しましたが、ルワンダは他の環境問題にも積極的に取り組んでいます。そのことに関して、こちらの記事ではルワンダでのポストハーベストロスに対する取り組み、またこちらの記事ではルワンダの気候変動アジェンダについて紹介されていますので、ぜひご覧ください。

関連、参考記事、資料:

1.Ozone layer depletion: Cause, effects, and solutions –Link

2.代替フロンに関する状況と現行の取組について –Link

3.モントリオール議定書及びキガリ改正の概要 –Link

4.Amendment to the Montreal Protocol on Substances that Deplete the Ozone Layer –Link

5.物流方式のひとつであるコールドチェーンってどんな方法? –Link

6.ルワンダでのコールドチェーン開発:英国からの後押しを受ける【Pick-Up! アフリカ Vol. 138:2021年3月26日配信】-Link

7.ルワンダ:ポストハーベスト・ロス削減に向けた動き【Pick-Up! アフリカ Vol. 108:2021年2月16日配信】-Link

8.ルワンダ気候行動アジェンダを後押しする民間の動き【Pick-Up! アフリカ Vol. 135:2021年3月23日配信】-Link


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