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なぜアフリカの国々は衛星を宇宙に送り続けているのか?

英題:Why Africa is sending more satellites into space


記事リンク:https://edition.cnn.com/2021/09/21/business/african-satellites-spc-intl/index.html 


内容と背景:

昨年は、ルワンダの宇宙庁設立の話題をお届けしたり、ルワンダでのキューブサットローンチ大きく携わった福代先生を招いたイベントをしたりと、いくらかの話題をお届けしました。

また、こちらのコラムでは、これまでのアフリカでの宇宙や衛星技術への取り組み、今後期待されていることに関してもお届けしました。

中では、2019年時点でアフリカで衛星の発射の成功例として、12カ国から41の衛星が飛ばされていることや、今後成長可能性を秘めた産業であることを共有しました。

同時に、衛星を打ち上げることによって、インターネットへの接続をはじめとし、農業分野や観光業(動物の密猟監視など)、鉱山業、都市計画作成のための土地利用のデータ収集、災害やテロの防止などの安全面への貢献の期待がもたれているものの、これらを実現するための人材育成の分野ではまた遅れをとっていることもお届けしました。

さて、今回の記事では、もう少し現在の状況から見たアフリカの衛星技術分野の可能性をお届けします。

さて記事ではまず最初に、これまで約20年間のアフリカの衛星の歴史で、13カ国44の衛星が打ち上げられてきているが、2025年までにその数が大きく変わるとの情報が発信されています。どうやらこの期間の間に125もの衛星が打ち上げられるとのことです。そしてこれらの衛星を打ち上げる国の数も23と大幅に増えるというのです。

また、宇宙から収集されたデータがアフリカに約20億ドル相当の経済効果をもたらすとの調査結果が書かれている世界経済フォーラムのレポートを共有しています。

実はこのレポートに関しては今年はじめにこちらの記事で扱っており、その中ではこのような衛星技術の活用が見込まれる分野や、どのようにアフリカの経済発展に貢献するかなどが書かれています。特に農業分野(水の活用や収穫量の増加への貢献、保険費の削減、そして土地の有効活用による必要以上の殺虫剤の活用の防止への効果など)、鉱山業(違法な鉱山業者の取り締まりによる経済効果や、環境保全への効果など)などの分野に関しての効果が書かれています。

記事では、この分野で活躍、ソリューションを提供している企業が紹介されています。例えば、海上での船の追跡サービスを提供している南アフリカのAstrofica社が紹介されています。この会社のCTOである、Khalid Manjoo氏の衛星技術の活用がアフリカの様々な課題解決に活用できるという意見が共有されており、2022年終わりまでに衛星を複数打ち上げることを計画しているとも共有しています。彼はこれが特に政府などの規制局などの意思決定にも良い影響を及ぼすだろうとの考えが共有されています。

さらには、地上から得られるデータだけでは得られないものを衛星情報が共有することになるだろうということや、現在アフリカの政府関係者などが、必要な情報を得るのに多額の出費をしているにもかかわらず、それらのデータが古いものであることなどの課題を解決に導くだろうとの期待も共有されています。

また記事では、アフリカ大陸で283社が既に活動しており、2019年には約73億ドルもの収入が同分野でみられ、そして同社は2024年までにこれが100億ドルへと成長するというアフリカの衛星関連の情報を扱っているSpace in Africaの情報や予測も共有されています。

さらに記事では、これまで衛星の発射にかかっていた費用で、より多くの衛星が飛ばせるようになったこと、そして一台の衛星だけでなく、複数の衛星を飛ばすことによってできることが増えたとの南アフリカのDragonfly Aerospace社のCEOの意見も共有されています。同代表によると現在約3000平方メートル規模の衛星製造工場の建設が進んでおり、完成した際には年に48機の衛星の製造ができるようになるようです。同時に、アフリカでこの分野に参入しようとする企業や、活動する企業にとって、宇宙空間のような過酷な環境でどのように衛星が動くのかなどのシミュレーションができなかったことがこれまで一つの課題であったものの、多くの会社が参入し、これらを支社内で行えるようになったことが今後のこの分野の発展にも貢献するだろうとしています。同社は来年6月にアメリカから衛星を発射する予定ですとも書かれています。

最後に記事では、アメリカやヨーロッパの同分野と比較し、民間企業がNASAやEuropean Space Agency(欧州宇宙機関:ESA)に対し多額の出資などが行われているのに対し、アフリカではそうではないとし、アフリカの衛星分野での資金不足を指摘するとともに、様々な課題があるとするマサチューセッツ工科大学の衛星研究者Minoo Rathnasabapathy氏の意見が共有されています。またいくつかある課題の中に、アフリカの政治界の官僚的な手続き、特に貧困や教育、インフラ整備など投資を必要とする分野や課題に資金を回すことよりも、衛星分野に資金を回すことを優先する理由を説明することなどが難しいことがこの分野の課題の一つであるとも話しています。しかし、このような近視的な見方から、各国が衛星分野への先行投資を今することが将来的な課題の解決や持続的な発展の実現に繋がるとゆっくりと理解し始めている様子であるとも共有しています。

今回は衛星業界に関するニュースをお届けしました。まだアフリカでは若い分野ではあるものの、様々な場面で活用できることや、アフリカ各国が抱えている課題に対する解決策になり得ることから多くの政府が参入しているのがみられます。あまり頻繁に出てくる話題ではありませんが、引き続きみていきたい分野です。

これからもお届けしていきますので、お楽しみに。また、以下の関連記事もお楽しみください。


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