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みなさま、こんばんは!

本日はまず第二四半期のGDPからコロナウイルス発生後のルワンダの経済状況を読み解いている記事、またICTおよびイノベーション分野の促進を目指し、ルワンダとイスラエルがMoUを締結したという記事の2本をピックアップしています。

2記事目は以前共有させていただいた話題に少し関連するものとなっていますので、ぜひ以前の記事と合わせてお読みください!


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記事1:「ルワンダのGDP:第二四半期に12.4%減少」

「Rwanda’s GDP Declines By 12.4% in the Second Quarter」

記事リンク:

https://allafrica.com/stories/202011280006.html

内容と背景:

本日はまずルワンダの経済状況に関して、GDPの観点から解説している記事をご紹介いたします。

こちらの投稿でもたびたびお伝えしてきた通り、ルワンダ経済はコロナウイルスの発生により深刻な打撃を受けており、経済の回復を目指す政府による継続的な努力にも関わらず、様々なセクターにて需要と供給の両面で大幅な減少を記録しています。こちらの記事によると、第二四半期にあたる今年7月から9月にかけて、ルワンダの国内総生産(GDP)は、3月から始まったロックダウンが2ヶ月近く続いたことも影響し、前年同期比で12.4%減少したようです。

ルワンダの財務経済計画大臣であるUzziel Ndagijimana氏は、2020/21会計年度第一四半期の国の経済と予算の状況を発表し、第二四半期にGDPが大きく低下した要因に関して、運輸、貿易、教育、建設、輸出、ホテル、レストラン、また農業セクターにおける業績不振を挙げています。

彼によると農業セクターにおける不振は、コロナウイルスの発生だけでなく昨年気候に関連して発生した災害に起因するものであるようです。彼は通常GDPに30%以上貢献している農業セクターのGDPは、今年前年同期比で2%減少したと述べています。加えて彼はコロナウイルスの影響であると考えられる輸出セクターの不振に関して、輸出額と輸出量がそれぞれ21.4%と15.1%の減少を記録したと述べています。

一方記事によると、情報通信セクターのGDPは33%増加したようです。コロナウイルスへの対応措置としてとられた外出制限や対面での接触を避ける動きから、様々なセクターにてリモートでの活動が活発化し、ヘルステックやエデュテック、eロジスティクス、eコマースなどに代表されるテクノロジーを活用したセクターの伸びが顕著であったことが、情報通信セクターの成長に繋がったと考えられます。

情報通信セクターを除く多くのセクターにてGDPの減少が見られた中、Ndagijimana氏は第二四半期における国内の総収入が推定額を12.7%上回る4億6,860万ドルに達したと述べ、国は危機をうまく管理していると前向きなコメントを残しています。

ただ国の債務負担に関しては、債務状況のリスクが低い状態から中レベルに移行したと述べています。国会議員であるフランク・ハビネザ博士も、ルワンダが多くの融資を受けており、その借金のほとんどが5年から6年先の近い将来に返済されることになっていると指摘し、国の債務ポートフォリオと安定を維持する能力に関して懸念を示しています。

記事によると、名目ベースの公的債務総額は今年6月末の時点で、GDPの63%に達しており、今年12月末までに66%に達すると予想されています。Ndagijimana氏は債務手続きを追跡するための適切な措置が設けられており、債務不履行の心配はないと強く主張していますが、今後の債務返済状況は気になるところです。今後もルワンダに限らず、様々なアフリカ諸国の経済状況に関してお伝えできればと思います。

関連・参考記事:

  1. 【最新情報】ルワンダ国内における対コロナ規制措置、および日本からの渡航と輸送状況に関して –Link
  2. 原子力産業への注力を示すルワンダ、その背景とは?【Pick-Up! アフリカ Vol. 26:2020年11月3日配信】」Link
  3. ルワンダ:WHOから称賛を受ける(他、結核ワクチンの開発に関する話題)【Pick-Up! アフリカ Vol. 25:2020年11月2日配信】Link
  4. ルワンダ政府;医療目的での輸出用大麻栽培を承認!【Pick-Up! アフリカ Vol. 14:2020年10月20日配信】」Link
  5. 「Rwanda’s GDP declines by 12.4pc in the second quarter」Link

記事2:「ルワンダとイスラエルがICTとイノベーションの促進を目指し、MoUを締結」

「Rwanda, Israel sign agreement to boost ICT, innovation」

記事リンク:

https://www.newtimes.co.rw/news/rwanda-israel-sign-agreement-boost-ict-innovation

内容と背景:

以前10月の記事で、イスラエルの民間企業とコンゴ民主共和国やケニア、タンザニアなどのアフリカ諸国政府が食糧の安全保障を維持するため、特に農業セクターにて連携の動きを強めているとお伝えさせていただいたかと思いますが、本日2記事目を通して、ルワンダも情報通信技術(ICT)やイノベーションを促進するため、イスラエルとの連携を強めているという話題をご紹介させていただきます。

今月27日金曜日、ルワンダとイスラエルはICTとイノベーションセクターの強化を目指す覚書(MoU)に署名しました。ルワンダのICT及びイノベーション大臣であるPaula Ingabire氏は今回締結されたパートナーシップにより、両国が互いに異なるソリューション指向の技術ベース慣行から学びを得ることができるようになると述べています。MoUが推進する分野は現在のところ、電気通信、サイバーセキュリティ、宇宙技術、また人工知能などに限られていますが、彼女の話によると対象分野は次第に拡大していく見込みであるようです。

Ingabire氏は、イスラエルが保持する医療や農業に関連する卓越した技術を吸収し、ルワンダのテクノロジーおよびイノベーションセクターを成長させたいと述べています。これに対し、イスラエルの通信大臣であるYoaz Hendel氏は、今回のMoUは光ファイバーや5Gネットワーク、またIoTなどイスラエルが自国で取り組んできたテーマを扱うものであり、ルワンダと最高の技術慣行を共有できることは光栄なことだと述べています。さらに彼は、今回のMoU締結を通じて新たな機会へのアクセスやアイデアの共有を実現することにより、両国の市民が潜在能力を最大限に発揮できるようになるだろうと、付け加えています。

今回の発表によりルワンダとイスラエルが強固な関係性を構築しようとしていることが明らかになりましたが、実は以前から両国はそうした動きを活発化させていました。2016年にはイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相が、イスラエルの首相として約30年ぶりにアフリカを歴訪する中で、ルワンダを訪問しています。また同年、両国は将来への連携の土台として、イノベーション、外交パスポート保有者のビザ免除、および農業分野で3つの二国間協定に署名しています。

その1年後、2017年にはルワンダのポール・カガメ大統領もイスラエルを訪問しており、2019年4月にはイスラエルが両国間のニ国間関係をさらに強化することを目的としてキガリに大使館を発足させています。さらに6月にはルワンダ航空がルワンダの首都キガリと、イスラエルの経済及びテクノロジーハブであるテルアビブ間の直行便を開設しています。

一見ルワンダ側にメリットが大きいと考えられる今回のMoU締結ですが、そこにはルワンダを始めアフリカをポテンシャルの高い新たな市場としてターゲット視する狙いだけでなく、アフリカ諸国と良好な関係性を築くことで、自国の国際的な立場を回復したいという政治的なイスラエルの狙いがあると推測されます。イスラエルはパレスチナ問題をめぐって度々国際社会から非難を浴びてきました。アフリカは貧困国が多く、一国単位で考えれば国際社会にて大きな影響力を持つとは言い難いですが、国連加盟国のうち、地理的にアフリカに属する国は54カ国にのぼり、国連加盟国の約4分の1はアフリカ諸国であるのが現状です。国際世論の転換を図るイスラエルは、経済協力を用いアフリカとの友好的な関係性を築こうとしていると考えられます。

イスラエルとのパートナーシップの下、ICT分野で具体的にどのような取り組みが行われるのか、最新の情報を共有できればと思います。

関連・参考記事:

  1. 食料の安全保障維持に向けたアフリカ諸国政府とイスラエル企業らの連携【Pick-Up! アフリカ Vol. 2: 2020年10月6日配信】Link
  2. マイクロソフトとAGRAがパートナーシップを強化;農業エコシステムの変革を目指す(面白記事 Vol.147)Link
  3. 農業セクターにおける組織間連携の動き(面白記事 Vol. 120)Link
  4. アフリカ農業における課題点からみるコールドチェーン構築の必要性(面白記事 Vol. 108)Link
  5. 「Israel’s increasing ties with Africa a concern」Link
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